リベラル国民の拡大・結集で憲法改悪阻止!(4)
《Ken Sway Kenと管理者の【緊急事態条項等、憲法改悪阻止】》
《緊急事態条項:「災害に備えるため」はウソ!知る・伝える・笑う 権力と闘うために/辛淑玉(在日3世・人材育成コンサルタント)×おしどりマコ(芸人)》
安倍政権が憲法に書き込みたい「緊急事態条項」。一度、緊急事態が宣言されれば、情報も財産も政府が握り、国の都合が何よりも優先される。「災害時」を名目にした「緊急事態条項」がいかに命と人権を疎かにするものか、そして改憲勢力とどう向き合い闘っていくか、災害と抗いの現場をよく知る2人が語り合った。
********
辛:緊急事態条項をどう思う?
マコ:自民党憲法改正草案を見て気になっていました。私は1995年の阪神・淡路大震災を経験し、緊急事態では中央政府ではなく、いかに現場で独立した判断ができるかが重要だと思っています。だから、この条項は災害に備える目的ではなく、政権が全てを取り仕切りたいから言い出したのだなと思って怖くなりました。
辛:私は阪神・淡路大震災の数日後に現地に入ったけど、政府の指示を待っていたら死ぬと思った。福島の原発事故の時も住民に情報がいかなくて危険な方向に逃げる事になったでしょう。現場に情報と決定権がないと住民の命は守れないのに緊急事態条項で政府の権限を強化してどうする。
マコ:Jアラート(全国瞬時警報システム)もバンバン鳴らして「緊急事態」というのは政府が作っていると思いました。
辛:そう。Jアラートの対象地域にいる在日コリアンの人は「自分は北朝鮮とは違う」とは説明できないじゃない。恐怖を感じていると思う。関東大震災の時、9月2日には戒厳令が布告されて、パニックになった人達が朝鮮人を殺していった。福島でも「外国人が泥棒をしている」とか嘘の噂が、物凄い勢いで流れて、多くの人が信じた。緊急事態になると殺される人が必ず出ると思う。でも「緊急事態条項」は「災害時のため」と説明されることが多い。
マコ:そうなのですよ。災害を理由にするのは100%間違いです。阪神・淡路大震災をきっかけに都道府県のDMAT(災害派遣医療チーム)ができました。中央発信ではなく各都道府県の要請で、各地の消防と連携して、医師と看護師達で作る小さな医療チームが48時間以内に行くという仕組みです。
現場判断で動くシステム作りが始まっているのに、何で今更、中央集権なのって。
辛:今の政権の状況だと、国会で緊急事態条項だけ通る可能性もゼロではない。
そうなった時に、何が制限されると思う?
マコ:情報です。政府からしか情報が来なくなることが一番怖いと思います。
福島のお母さんに聞いたんですが、原発事故が起きた時、学校の保護者会等で先生から「インターネットから情報を取らないでくれ。学校からの情報に揃えてくれ」と言われたそうです。その方は、その瞬間に自主避難を決めたそうですが。
この時は選べる状況だったからまだマシですが、緊急事態とされてインターネットやメディアですら情報がとれなくなるのは本当に怖いと思います。
<民の命を金に換える>
辛:情報の次は「メシ」=「職」を握られ、そして財産を吸い上げる仕組みを作ると思う。
人は財産と仕事を握られたら、その決定権者にほぼ逆らえない。これは小さな事件だけど、沖縄で反基地の情報発信をしている若者が、ある日突然、郵便貯金を一時的に停止された。郵便局は「独自の判断で止めた」と言っていて、本当にミスだったのかもしれないけど、私は「権力ならやるな」と思った。こういうことを合法的にできるようにするのが緊急事態条項。皆を怖がらせてデマを流し、権力側が金儲けをする。10月1日に米国ラスベガスで起きた銃乱射事件の後に、銃を扱う企業の株価が一気に上がったし、恐怖をもたらす事で儲かる人がいる。緊急事態条項はそのための打ち出の小槌のような気がする。
福島の原発事故ですら、世界に対する原発安全宣伝に利用しているのですから。
マコ:2012年のOECD/NEA(経済協力開発機構/原子力機関)の国債シンポジウムを取材に東京大学に行きましたが、いたのは『読売新聞』とおしどりだけ(笑)。
しかも3日間全日程を取材したのは私達だけだったので、原子力推進の研究者と仲良くなったんです。日本の研究者が「このシンポジウムの本当の目的を教えてあげようか」と言ってきて「今までは『事故は起きない』という原子力のセールスをしてきたが、技術力の高い日本で原発事故が起きたので、今後は『事故が起きても大丈夫』というセールスに切り替える」のですって。「被爆の恐ろしさを知る日本だからこそ、核の被爆と違い原発の被爆は恐ろしくないというアピールは、いいモデルケースになる」と言われました。
辛:つまり、この国の為政者は国民の命を金に換えたいんだね。その時にターゲットになるのは、沖縄で反基地闘争をやっている人とか、私のような朝鮮半島に出自を持つものなのだろうな。それにどう抗うのか。緊急事態条項が通ったら、憲法を通り越して何でもできちゃうということ。規制するものが何もなければ何でもやるでしょう。私だって権力を握ればやるかもしれない(笑)。
マコ:権力は本当に何でもやると思います。
<「知る」は力なり>
辛:改憲案が発議され国民投票になったら、1票がない私は、有権者の良心にすがるしかない。自分が無力だという事を思い知らされる。必死に訴えても自分の中で言葉が空回りしているのです。どうして怖いのかということが相手に伝わっていない感じがして。
これは自分の課題です。マコさんは「自分の言葉が届かない」と考えたことはある?
マコ:相手を「理解できない」と思った瞬間に言葉は届かなくなると思うので、どうしてそう考えているのかをいったん理解しようと思って、ネットで「保守速報」とか読みます(笑)。
辛:ワハハハ。じゃあさ、今の若い子はどうして自民党を支持するnだと思う?
マコ:あまり未来に希望を持っていない人が安倍政権を支持している気がします。
「政治おかしいよね」と言う若者は教育を受けているか、海外を見た事がある人が多い。
環境が考え方に差を生むとしたら格差問題ですね。そして格差を感じている人達が、緊急事態条項を支持していると思います。
辛:でも安倍政権を支持している若者が一番、安倍政権に蝕まれていると思うんだよね。
マコ:彼らが一番「恐怖のコントロール」を受け易くなってしまっていると感じます。
緊急事態になれば格差がなくなると思っているということもあるんですよね。
辛:私は3.11を契機に日本の人、社会が一気に変わったと思います。信じていたものが崩れた時に人間は惨くなるという感じがした。生き残りをかけた戦いの時、誰かを踏みつけて奪っていくということが社会全体に浸透したと思う。私はその「誰か」として名指しされる存在だから、58歳だけど生まれてから今が一番怖い。残ったエネルギーと人生の時間の中で何をしなければいけないのか、ここ数年の悩みでもあります。マコさんは3.11以降の人生にジャーナリズムが入ったじゃない。どうして、そんな人材が育ったの?
マコ:小さい時から調べることが好きで、小学生の時に親戚中の人達に、終戦の日に、どこにいて、どう終戦を知ったかをヒアリングして記録していました。
後、外食する時にはカツ丼と決めて、カツが何切れで付け合わせが何だったとか3年くらい記録していましたし、初めてアリを見たのは、どこでどういうサイズだったかとか調べる事が多すぎて、生きているだけで忙しかったのです(笑)。
辛:どうして研究者にならなかったの?
マコ:なろうと思っていたのです。鳥取大学の医学部生命科学科に入って研究しようと思っていたのですが、阪神・淡路大震災があって、いろいろ考えた末に大学を中退して芸人になりました。阪神・淡路大震災があって芸人になり、東日本大震災があって取材を始めて。
でも私にとっては「どうやったら皆で幸せに生きていけるか」という点で一貫しているのです。私は、知る事が一番力になると思っています。カナダはどうやって放射性廃棄物の処分場を決めているのかを調べていたら、「議論によって得られた合意でないと正当な結論ではない」という「熟議民主主義」という考え方を採用していたのですね。
議論するためには全ての人が等しく情報にアクセスできる権利が必要です。
ということは、教えてくれるのを待つのではなく知りにいかなければいけないと思ったのですよ。民主主義の議論は凄く手間がかかって、各自が一生懸命、勉強していないと議論も始まらない。でも憲法の事にしても原発の事にしても皆、自分好みの情報を持っているだけなんですよね。
<「嫌いなものを見ろ」>
辛:ネトウヨは特にそうだよね。
マコ:平行線では一生交わらない議論なので、一方が相手の論理を理解すれば交わっていくと思うんです。亡くなれられた上方漫才の夢路いとし・喜味こいしのこいし先生に「成長するためには、人から支持されている自分の嫌いなものを敢えて見ろ」と教わりました。
辛:精神衛生上は物凄くよくないけどね(笑)。
マコ:でも、それができないと芸人にはなれないし、偏ると言われた。
その言葉は取材をするようになってからよく思い出しますね。
辛:じゃあ、芸をずっとやり続けているという感じでもあるよね。
マコ:そうですね。私は、人に何かを伝える時に一番効果的なのは口コミだと思っています。自分の半径5メートルを変えていく、という強い決意をしたら、社会が変わるのじゃないかと思います。それを実践しているなと感じるのは創価学会の方々。
芸人に学会の人が多いので「創価学会や公明党の事を知りたいので飲み会を開いてください」と言って、メッチャ話を聞いたのです。そして「あ、これは負けるわ」と思った。
病気の人がいたら車を出したり、困っている人の手伝いに行ったり。そしたら「世話になった」と票いれるわ、と思いました。
辛:セーフティネットなのだよね。国家とは違うセーフティネットが築かれているから強い。自民党もそう。自民党と公明党は、その助け合いを選挙に繋げる事に成功しているのだよね。
マコ:そうです。例えば駅で知らない人が主張している事を聞いて「自分の意見を変えよう」とはあまりならない。でも親しい人が一生懸命話す事は「聞いてみようか」という気になると思う。選挙権が18歳以上になったから「選挙に行こう」というイベントをしたいと、いろいろな若者に話を聞いたのです。結果、自分の意見を持てば放っておいても選挙に行くのだから「自分の意見を持とう」というアクションをすべきだ、という流れになった。
辛:それはとってもいいね。
マコ:で、自分の意見を持っている若者は何がきっかけでそう思うようになったのかと聞いたら、学校の先生、先輩、家族、親戚の影響だったのですね。本やテレビではなく。
だからネットや媒体ではなく、自分の生活の中で直接話をすることが大切だと思います。
うちの親も、私が原発事故の取材を始めた頃は怒って「すぐに止めろ。仕事がなくなるし、生きていけなくなるから」と毎日、電話をかけてきたのです。それで、とりあえず3ヵ月間は縁を切る事にして(笑)。その後も話し合って3ヵ月単位で縁を切っていたのですが、一昨年頃から、母親が辺野古の基地問題で神戸の三宮駅の街頭に立って話をするようになったのです。「お母さん、初めて街でスピーチしたわー。お父さんには内緒やけど」って(笑)。
変われば変わるものだなと思って。
辛:そうかあ。私ね、一度も家族と政治や差別の話をしたことがないのだよね。
そこは触れてはいけないと思っていて。家族といる時の自分は保守的で、でも実際の自分の生き方は反権力的で。二つの自分を生きている(笑)。やっぱり怖いのだよね。
自分の世界に家族を入れてしまうということが。でも話したかった。
これからは政治の話をしようかな。
<笑いは人類の最高の武器>
マコ:意見が違うかもしれない、関係が壊れるかもしれない人に話をしていくというのは一番、重要な事だと思います。芸人はわりと右寄りの人が多いのですが、楽屋で一緒になる度に「おしどり、ちょっとディベートしようか」と呼んでくださる先輩がいます。
根底に「お互いに楽しくいようぜ」というスタンスを保つ事はテクニックだと思います。
辛:それは芸人同士でないとなかなか難しいよね。でも笑いって生きる力だよね。
マコ:そう思います。07年頃、ポンド高円安と聞いて英国ロンドンのコメディハウスに飛び込みで出稼ぎに行ったのです。ロンドンのコメディは、人種差別、王室批判、貧富の差とか様々なジャンルがあるので「日本のコメディアンはどういう批判のジャンルをやっているのか」と聞かれました。日本は特定の批判が専門のコメディアンはいないと言ったら「何故だ?笑いは人類が持つ最高の武器だろう」って言われました。
辛:すばらしい!権力者を笑って批判する事で「辛いけど頑張ろう」という気持ちになったりするのだよね。笑いのない生活をしていると闘う気力もなくなってしまうから、楽しく闘って楽しく生きられる社会を作っていきたいと思う。私は先ず、政治や差別の事を家族と話してみようかな。そこから始めたいと思います。(週刊金曜日)
《【森友学園疑獄】8億円下げ「根拠不十分」会計検査院》
大阪府豊中市の国有地が、学校法人「森友学園」に塵の撤去費分として約8億円値引きされて売却された問題で、会計検査院が値引きの根拠となった塵推計量について「十分な根拠が確認できない」とする検査結果をまとめた。検査院は22日に検査報告書を国会に提出し、結果を公表する。国土交通省と財務省は国会で「基準に基づき適切に積算した」と説明してきたが、矛盾する結果となる。関係者によると、検査院は塵推計量が過大に見積もられた可能性を指摘するものの、国交省が積算に用いた資料の一部がない事等から適正な撤去費の金額については言及せず、8億円の値引きが不当かは判断を示さないとみられる。
両省は森友学園との交渉記録を破棄する等しており、行政文書の管理についても改善を求める見通し。森友学園は2016年6月、評価額9億5600万円から地中の塵撤去費など約8億2000万円を差し引いた額で国有地を購入した。野党は交渉経過が不透明として国会で追及したが、両省は約8億円の塵撤去費について「土地面積に塵の深さ3.8メートル(一部9.9メートル)と塵混入率47.1%を乗じて塵推計量を出し、適切に算出した」と説明してきた。
関係者によると、塵の深さを撮影した写真が不鮮明だったり、混入率も土地全体ではなく一部から得たデータが使われたりしており、検査院は積算に使用する資料として不十分と判断した。検査院は参院予算委員会の要請を受けて3月から検査していた。(毎日新聞)
****************
《ブログ「リベラル広場」では次の事業も行っています。》
①職場(仕事)における労働・人権相談(ハラスメント・メンタルヘルス等、含む)
*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。
*但しメンタルヘルスの場合、もし心療内科等に受診されている場合、または、その受診の方が望ましい場合は、当該医師の指導を優先し、カウンセリングを断る事もありますので予めご了承ください。
②採用コンサルタント。
*著作[「公正採用」と「能力発見!」採用選考のコツ]
*著作「採用面接」労働条件確認
◎なお寄せていただく相談意見等は、とりあえず全てEメールで送信してください。
<送信先Eメールアドレス>yutan0571@yahoo.co.jp
●費用:交通費等、実費+α(若干-協議)
(民守 正義)
0コメント