「叛-共謀罪」とリベラル勢力の統一へ(25)
《Ken Kenと管理者:民守の【叛-共謀罪】キャンペーン》
<「多喜二の時代」と共謀罪:国家権力のからくりを見抜け!>
「テロ等組織犯罪準備罪」と衣替えした共謀罪法案の上程が迫る中、小林多喜二が特高警察に虐殺されてから84年になる2月20日が近づいてきた。多喜二はなぜ殺されたのか。小説『一九二八年三月十五日』で特高警察の拷問の実態を暴露したことが逆恨みの標的にされたこともあるが、より本質的には、地下活動中の「満州事変」に抗する多喜二の反戦・反軍の小説・評論の創作と実践活動が、嗅覚鋭い特高警察に強い危機感を抱かせ、残虐性を露呈させたといえる。
【戦争の構造を暴露】
多喜二は10代後半の習作段階から、近年発見された投稿短編「老いた体操教師」(1921年)のように早くも戦争や軍隊の問題を主題の一つに選びとっていた。『蟹工船』(1929年)においても、「帝国主義戦争に、絶対反対しなければならない」ワケを「帝国軍隊─財閥─国際関係─労働者」という一本の糸で示そうとした。それは構造的な把握には至らずエピソードの提示に留まったものの、工船蟹漁業が日本海軍の警備の下に行われること、平時における軍隊が「門番・見張番・用心棒」として「権益」「国益」擁護のために存在することを暗示した。「満州事変」に向きあって多喜二は「ファッシズム、帝国主義戦争に対する闘争」のための創作を提起すると共に自らも精力的に取り組んだ。
1932年4月・5月の『沼尻村』では、戦争は「み国のため」であり、国内で争っている場合ではないという「総力戦」の倫理の「からくり」を抉り出す。ダラ幹に「満州は日本の生命線だ。あそこを取れば、自然我我のこの苦しい生活も楽になるのだから、内で騒ぎを起こすのはあまり感心しない」と語らせる。33年4月・5月の『党生活者』でも「プロレタリアのための戦争」という論理の欺瞞性と危険性を鋭く衝く。33年3月の『地区の人々』では「戦争の強行という事が資本家の我々に対する攻撃の層一層の強化─臨時工との交替による大量的馘首、賃上げと密接に結びついている」こと、つまり「帝国軍隊─財閥─国際関係─労働者」の繋がりの暴露を再び試み、その構造的把握に一歩進み出た。「戦争のこと位、百姓に分からせるに面倒なことはないな」(『沼尻村』)、労働者は「とにかく戦争のお蔭を蒙っていると考えていた」(『党生活者』)とあるように、多喜二は「からくり」の解明が容易なことでないことも十分に認識していた。しかも特高警察・思想検察は「満州事変」後、治安維持法を最大の武器に、戦争反対の運動を徹底的に弾圧した。いずれも未完であった『沼尻村』も『党生活者』も『地区の人々』も、各々の第一部に相当する結末は敗北に終わっている。
【「組織の胞子」拡散へ】
しかし多喜二は次代への展望を書き込んでいた。『党生活者』の場合、その最後は「彼奴等は『先手』を打って、私達の仕事を滅茶々々にし得たと信じているだろう、だが実は外ならぬ自分の手で私達の組織の胞子を吹き拡げた事をご存知ないのだ!」と結ばれた。
実は『蟹工船』においてもその「附記」に、〈「組織」「闘争」─この初めて知った偉大な経験を荷って、漁夫、年若い雑夫等が、警察の門から色々な労働の層へ、各々、入り込んで行った〉と書きつけていた。その「偉大な経験」の中には、2度目のストライキの成功も含まれていた。『地区の人々』では、かつての小樽港湾争議以来の「地区」の不屈の「火を継ぐもの」として「兼さん」を登場させ、「労働者というものは反動的な指導者の後をついて行きながら、その道行きで、およそ其等の指導者が思いも寄らなかったような革命的経験を手掴みにするものなんだよ!」と語らせる。拡散された「組織の胞子」は「火を継ぐもの」として新たな反戦・反軍の運動を再建しようとするが、尽く踏み潰された。
しかし敗戦後の「負けとった」というべき「民主化・非軍事化」の実現─日本国憲法に体現される─までを10年余のスパンでみれば、多喜二らの蒔いた「組織の胞子」は、戦時下の逼塞を堪え凌いで、見事に開花したといえる。多喜二は『東倶知安行』(1929年)の中で社会の変革について「何代がかり」の運動とも書いていた。その「組織の胞子」の拡散具合や大地への浸透の具合は、どれほど懸命かつ執拗・賢明に社会変革のための闘いに、具体的には排外主義の吹き荒れる「満州事変」後の反戦・反軍の闘いに挑んだかによって左右される。自らの小説・評論の創作と上海反戦会議参加に向けての実践行動に奔走した多喜二故に、こうした次代への展望を導き出しえた。
多喜二が現在に蘇れば「安全保障環境の急変・危機」の背後にある「からくり」をなぜ明らかにしようとしないのかと、叱咤激励するだろう。
【安倍政権の「からくり」】
安倍政権下の教育基本法「改正」に始まり、特定秘密保護法・「戦争関連法」の強行成立、そして今回の「共謀罪法案」を貫くものが、憲法改悪を目標とした「普通に戦争ができる国」づくりであろうことは、漠然とながら多くの人々に理解されている。それらが「一本の糸」として繋がっている事を、様々な角度から解明する事が求められる。「共謀罪法案」の再提出にあたり「組織的集団」と絞り込む事により一般の人々は対象とならないこと、東京五輪開催のためのテロ対策として不可欠である事が説明されている。これらが「からくり」である事を、治安維持法の制定と運用の面から指摘しよう。
第一に、一般の人々は関わりがないという弁明は、治安維持法制定当時の若槻礼次郎内相の「無産階級の人が適法なる運動をする事に向かって、決して拘束を加えるものではありませぬ」という説明と同一だが、それが全くの虚偽であった事は、その後の治安維持法の国内外での運用の猛威をみれば明らかである。この答弁に限っても、「適法」か、どうかを判断するのは取締り当局である。
【むしろ拡張の可能性大】
第二に従来の「共謀罪法案」の対象要件を「組織的集団」に絞ったとするが、1941年「改正」の治安維持法では「国体」変革の結社の外側にある「支援結社」「準備結社」、更に「集団」(しかも各々「目的遂行罪」も問える)を処罰対象とした事から見れば、むしろ拡張の可能性大といえる。いうまでもなく、この何重にも「国体」の防護を図ったことは、1930年代を通じて拡大解釈でまかなってきた実際の運用状況に、条文を合わせるという転倒ぶりであった。第三に、そうした法外の拡張解釈を可能とした源泉は、治安維持法第一条にある「国体」の発する魔力であった。今回の東京五輪のためのテロ対策という理由づけは、この「国体」に相当する弁明であり、しゃにむに成立を図るがためといえよう。五輪誘致の際、この「共謀罪」が必要だという説明は一切なされなかった。特高警察が肥大化したように、現在の取締り機関の拡充も懸念される。(著作:荻野富士夫─小樽商科大学特任教授:資料出所-週刊金曜日)
《[不戦・反戦]国連総会「平和への権利宣言」採択!日本はナント採決反対》
平和に生きる権利を全ての人に認める「平和への権利宣言」が国連総会で採択された。
国家が関与する戦争や紛争に、個人が「人権侵害」と反対できる根拠となる宣言。
日本の非政府組織(NGO)も深く関与し、日本国憲法の理念も反映された。
NGOは宣言を具体化する国際条約をつくるよう各国に働きかけていく。
日本のNGO「平和への権利国際キャンペーン・日本実行委員会」によると、きっかけは2003年のイラク戦争。多くの市民が巻き込まれた事をスペインのNGOが疑問視し「平和に対する人権規定があれば戦争を止められたのでは」と動き始めた。
賛同が広がり、NGOも出席できる国連人権理事会での議論を経て、昨年12月の国連総会で宣言を採択した。宣言は、全ての人が「平和を享受する権利を有する」と明記。
宣言を実施するための「適切で持続可能な手段」を各国や国連に求めた。
国連が「平和への権利」を個人の人権として認めた意義は大きい。
立案段階で日本実行委は「全世界の国民が、平和の内に生存する権利を有する」との日本国憲法前文を伝え、宣言に生かされる形に。憲法施行七十年となる今年、各国のNGOと共に、国際条約をつくって批准するよう働き掛けを強めていきたい考え。
ただ国連総会では、米英などイラク戦争の有志連合の多くが反対。日本も反対に回った。
日本外務省人権人道課の担当者は「理念は賛成だが、各国で意見が一致しておらず議論が熟していない」と言い訳に終始した。(基本文献-東京新聞/管理者:部分編集)
《【腐蝕の安倍政権】疑惑の「森友学園」の幼稚園で差別文書配布》
今、国有地評価額9億5600万円を「森友学園」へ1億3400万円で払い下げていた疑惑については、2月20日UP本ブログで報じてきたところであるが、同じ「森友学園」と同一法人(名誉理事長が安倍(独裁)総理の妻-昭恵夫人)である塚本幼稚園は「極右幼児教育」で有名。
園児に「君が代」は当然、「海ゆかば」に教育勅語まで大合唱させ、参観した父母も「日章旗」を振るなど、社会常識に大きく逸脱する「極右教育」ぶりには、まともな感覚人間なら「吐き気」をもよおすぐらいである。その塚本幼稚園の副園長が「韓国人と中国人は嫌いです。日本精神を継承するべきです」と記載された「父母へのお手紙」を配布した事が明るみになった。大阪府内に住む30代の女性は、子どもが塚本幼稚園に通っていた昨年2月、こう手書きした副園長からの手紙を受け取った。元々在日コリアンで、今は日本国籍の女性は「自分が在日だったことは園に伝えていたのに、教育者がこんな言葉を浴びせるとは」とショックを受け、数日後に子どもを退園させた。園はホームページで「日本人としての礼節を尊び、愛国心を育てる」と謳い、籠池泰典園長は保護者向け文書等で「日本民族の統一性」を強調。2015年の運動会を撮影した映像では、園児に「日本を悪者にする中国や韓国は心を改めて。安倍(晋三)首相頑張れ」と選手宣誓させていた。繰り返し韓国や中国を名指しで批判する事に対し、大阪府内の私立幼稚園の経営者からは「卒園後、外国人とのコミュニケーションに影響が出ないか」と懸念の声もある。また大阪府私学課は「既に『差別的な文書を配布したのか』については調査した。今後、『人権侵害』として指導するかは検討中」と答えている。ただ大阪府内の在日人権団体を中心に「大阪府行政の対応も見ながら、塚本幼稚園や大阪府に改善を求める」としている。府内の私立幼稚園経営者の男性は「運営費は少なからず公の補助金で賄われている。私立としての独自性は守られるべきだが、経営側は公教育を担う自覚をもつべきだ」と塚本幼稚園の「人権侵害-暴走」を厳しく批判する。
しかし塚本幼稚園側は、全く反省の意思がなく、籠池氏は「園はどの国の人にも門戸を開いているが、日本人になったのなら、日本の文化に沿ってもらわないと困る」と開き直っている。(一部参考文献-日刊スポーツ/文責・独自取材:民守 正義)
《社会学者イダ ヒロユキ・本ブログ管理者・民守 正義:共同呼びかけ「ヘイト右翼番組つくるDHCは買うのは止めよう!」》
《在日女性監督朴壽南(パク・スナム、81歳)の最新作ドキュメンタリー『沈黙』完成と全国上映に向けてご支援下さい!》
2016ソウル国際女性映画祭出品、監督朴壽南(パク・スナム、81歳)の最新作『沈黙』。「慰安婦」被害者15名の密着記録と現在をつなぐドキュメンタリー全国上映に向け完成・配給宣伝費用にお力を貸して下さい!
◎2016年9月30日 映画『沈黙』は、韓国DMZ国際ドキュメンタリー映画祭にて<特別賞>を受賞しました!今年81歳を迎えた在日コリアン2世、監督朴壽南(パク・スナム)は、当事者たちと歩んできた歳月の記録と現在をつなげ、日韓両政府の「合意」から取り残されている彼女たちの肉声を届けるために、第4作目ドキュメンタリー映画『沈黙』の完成に全力をあげてきました。そして去る6月、第18回ソウル国際女性映画祭<戦争と日本軍慰安婦>セクションで初の上映を迎え、韓国だけでなく海外の研究者から多くの関心と公開を望む声が寄せられました。これまで本作は、日韓のドキュメンタリストたちに無償の技術提供を頂き、そして< 朴壽南さんの映画を完成させる応援団>のご支援で、自主製作で作品を完成させてきました。
◎しかし資金不足のため、音楽やサウンド編集を完成させる事が出来ず、ソウル映画祭では<限定版>として上映、日本公開のためには日本語字幕・サウンド編集の製作費、配給宣伝費用が必要です。ぜひ皆様のお力をお貸し下さい!全国上映実現に向けて後一歩です。
*詳しくはHP「在日女性監督朴壽南(パク・スナム、81歳)の最新作ドキュメンタリー『沈黙』完成と全国上映に向けてご支援下さい!」
【https://motion-gallery.net/projects/silence】をご参照ください。
《ブログ「リベラル広場」では次の事業も行っています。》
①職場(仕事)における労働・人権相談
(ハラスメント・メンタルヘルス等、含む)*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。
*但しメンタルヘルスの場合、もし心療内科等に受診されている場合、または、その受診の方が望ましい場合は、当該医師の指導を優先し、カウンセリングを断る事もありますので予めご了承ください。
②採用コンサルタント。
*著作[「公正採用」と「能力発見!」採用選考のコツ]
【本ブログ:http://blog.zaq.ne.jp/yutan0619/article/27/】
*著作「採用面接」労働条件確認
【本ブログ: http://blog.zaq.ne.jp/sp/yutan0619/article/29/】
◎なお寄せていただく相談意見等は、とりあえず全てEメールで送信してください。
<送信先Eメールアドレス>yutan0571@yahoo.co.jp
●費用:交通費等、実費+α(若干-協議)
(民守 正義)
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