「叛-共謀罪」とリベラル勢力の統一へ(18)

《Ken Kenと管理者:民守の【叛-共謀罪】キャンペーン》
<【叛-共謀罪】共謀罪は国会提出させない>

 通常国会開会日の1月20日、雪もちらつく寒さの中、衆院第2議員会館前での総がかり行動実行委員会の行動に600人以上が結集した。一際、力がこもったのは「共謀罪の新設反対」「人権抑圧絶対反対」のコール。かけつけた国会議員も「未遂や予備どころか話し合っただけで犯罪が成立する。現代の治安維持法だ。山城博治さんは、ブロックを積んだだけで威力業務妨害罪で逮捕・起訴された。共謀罪は市民運動弾圧そのもの。絶対に国会に提出させない」(福島みずほ参院議員)と強調した。「秘密保護法」廃止へ!実行委員会の海渡雄一弁護士は「共謀罪はテロ対策の法律、という政府の説明はウソ。国連の組織犯罪防止条約はテロではなくマフィアなどの経済犯罪に対応するものと条約に書かれている。“自公協議で対象犯罪を減らした”も茶番。2007年の自民小委員会案ですでに140まで減らしていた」と明らかにした。総がかり実行委の福山真劫共同代表からは「アベノミクスの中で貧困と格差が拡大し続け、雇用も賃金も権利も保障されていない労働者が大勢いる。どれだけその人たちと連帯できているだろうか。2月19日、日比谷で“格差・貧困にノー”“みんなが尊重される社会を”と声を上げたい」と行動提起があった。

<「共謀罪」で処罰逃れやスパイの“密告”も>

 安倍内閣はかつて三度廃案となった「共謀罪」法案を一部手直しし、「テロ等組織犯罪準備罪」法案として今国会に提出する予定だ。切迫した状況にある。
 海渡雄一弁護士は、政府が「普通(一般)の人が対象になることはない」と言うことに対し、「ある団体が犯罪を行ったとされれば、もともと適用外でも、組織犯罪集団ということにされる。一種のトートロジー(同義反復)だ」と語った。さらに、1925年に制定された治安維持法と現在の「共謀罪」法案の共通性を指摘し、「体制に抵抗する団体を一網打尽にできるという点で、同じような効果をもたらす可能性が高い。」と訴えた。
 元法務大臣の平岡秀夫氏は、「もし『共謀罪』法ができれば、いったん犯罪を行なおうと(複数人で)合意したら、後から『止めよう』となっても、処罰されることになる。処罰を逃れるには密告するしかない」と語った。また、「スパイが送り込まれて犯罪を煽り立て、『やろう』と決めた後でスパイが“密告”するというケースも想定できる」とした。

(文責-民守 正義)

◎【ご案内】映画『共謀罪、その後』第1話

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《【安倍‐トランプ会談】安倍政権がトランプに差し出した売国的プレゼント》

 日米首脳会談後、満面の笑みでトランプ大統領と固い握手を交わした安倍(独裁)首相。
 日米同盟の意義を確認し、声明に尖閣諸島が日米安保条約第5条の対象だと明記させたことに誇らしげだが、しかし、これは単に今までの米政府(オバマ政権)の見解を確認しただけにすぎない。ここで日米安保条約第5条を逐条的に解説すると、①何も「尖閣諸島を日本の領土」とは認めていない。「尖閣諸島は日本の施政権にある」事を認めただけである。
 従って領土の帰属については「日中間で決すべき事」と突っぱねている。②次に防衛問題だが、ポイントとして5条1項の「自国の憲法上の規定及び手続に従って」という記述がある。先ず、日本は政府見解により、先般の「解釈改憲」で集団的自衛権行使により、アメリカ艦船・航空機等が「他国から攻められそうだ」と勝手に予期した段階で「他国先制攻撃ができる」となっており、国会には、喫急の場合は「事後承認」でもよいという事になっている。だから「日本は、集団的自衛(戦争)権は米国の戦争に巻き込まれるだけでなく、積極的に戦争できる(する)国になる」とリベラル野党は批判したのだ。次に米国は、合衆国憲法において、戦争するかどうかの判断は連邦議会に委ねられており、原則的に議会の承認が必要なのだ。なおかつ有事の際に、直ちに米国に日本防衛義務が作動するかと言えば「日米防衛協力のためのガイドライン」により、第一義的に専守防衛=日本だけで戦うとされている。つまり「ガイドライン」では中国であれ、どこの国であれ外国が日本の離島に攻めてきたときは、先ずは日本だけで防衛を行うということになっているのだ。

 第一、かつて本ブログで管理者は「日米安保条約で米国の日本防衛義務や、ましてや『核の傘』論等、幻想であって、どこにも、そういった事を露骨に書かれたところはない」と明言してきたが、現に今回の日米首脳会談で確認された同条約第5条は「日米共同防衛」であって、全く「一方的な米国の日本防衛義務」等、書かれていない。下記[参考]を読んで貰えば解る。ここまでくると日米両政府とマスコミの「壮大な捏造合作・報道」と言わざるを得ない。加えて日米首脳会談直前にトランプ大統領が、中国-習近平主席に電話会談したのも「一つの中国論」と、この「壮大な捏造」を伝えたものと海外メディアは早速、伝えている。

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[参考]日米安保条約第5条(共同防衛)

1.各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

2.前記の武力攻撃及びその結果として執った全ての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。
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 そもそも「中国が尖閣に攻めてくる」なんて安倍(戦争)総理が、軍事費増大のために、勝手に煽っているもので、実際起こり得ない話だが、オバマ前大統領が尖閣は日米安保条約第5条の適用範囲だと明言しつつも、アメリカ人記者の「中国が尖閣に攻めてきたらアメリカ軍は即座に自衛隊と一緒に中国と戦うのか?」質問に対して何も答えなかったのは、このオバマ時代からあった「壮大な捏造」であった事を証明している。
 では安倍(外交音痴)総理は、何をトランプに差し出したのかというと、実に恐ろしい。例えば共同記者会見で安倍は、「米国は地域におけるプレゼンスを強化し、日本も積極的平和主義の旗の下、より大きな役割を果たしていく考えです」と述べた。
 これは完全に「安保法制」で役割を飛躍的に拡大させた自衛隊をアメリカのために使うというアピールだ。また質疑応答でトランプの“入国禁止令”や“難民受け入れ凍結”について問われても、相変わらず「難民政策、移民政策についてはその国の内政問題ですので、コメントすることは差し控えたい」と批判を封印。それなら韓国:従軍慰安婦-少女像も韓国内問題で、ブツクサ内政干渉するな―と言いたい。更に「米国が偉大な国になっていくことを歓迎したい」と宣い、どこまでもアメリカに追随する誓いまで立てたのだ。しかし、いうまでもなく、国際社会においてトランプのやり方はリスクしかもたらさない。とりわけ対中東政策は間違いなく戦争の呼び水となる。例えばトランプが選挙期間中から明言していていた在イスラエル米大使館のエルサレム移転計画だ。元外務官僚で作家の佐藤優も「仮に米国が大使館をエルサレムに移転すれば、東エルサレムがイスラエル領であると承認する効果を持つ。これに反発してパレスチナの過激派がイスラエルに対して武装攻撃を行う事は必至」「更にアラブ諸国の対米関係、対イスラエル関係が急速に悪化する。米国大使館のエルサレムへの移転をきっかけに第5次中東戦争が勃発するかもしれない」と強く危惧されている。

 もちろん日本は予期される中東戦争に無関係ではない。先述のとおり、日本は集団的自衛権の容認によって「密接な関係にある他国に対する武力攻撃」に対して軍事力を行使する事になった。日本がアメリカの起こした中東での戦争に加担し、自衛隊員が血を流すことになるのは必至だ。それだけではない。今以上にアメリカとの軍事一体化を進めていくと、日本自体がテロの標的にされる事が飛躍的に増すだろう。

 日本へのテロ攻撃は他の親米国に対しても絶好の見せしめ効果を発揮するからだ。
 そうした状況のなかで、安倍(外交音痴)総理は、たかがトランプが尖閣を日米安保の防衛対象であると確認しただけで、鼻高々になっている。これこそ「平和ボケ」ではないか。しかも安倍は、経済分野でもアメリカに“貢物”を差し出すつもりらしい。
 貿易や金融財政等の新たな「対話」の枠組みを新設するというやつだ。
 首脳会談ではトランプが「フェアな貿易関係」を強調し、経済分野について「日米二国間の枠組みも排除しない」ことを確認した。つまりトランプがTPPにかわる日米二国間の自由貿易協定(FTA)の締結に持っていくつもりなのはほぼ間違いない。
 FTAの交渉になれば、もちろんトランプ政権は牛肉や豚肉等の畜産、米等、安倍政権が「聖域を守った」とウソついた市場についても、まだ更にTPP以上に日本側に開放を迫ってくるし、更なる一定の譲歩も約束したようだ。そもそもTPPも参加表明各国(アメリカを含む)の名目GDPの内、大部分を日米で占めていた事から“事実上の日米FTA”と揶揄されていたが、それでも一応、アメリカの要求に対して、日本が利害の一致する他の加盟各国国と結託して抵抗する事が理論的には可能であった。しかし日米二国間だけの交渉となるとこうした手段は使えない。しかも今回の相手は露骨な自国利益第一主義を標榜するトランプだ。
 日米安保を取引材料に、日本側に大幅に不利となる条件を平気で突きつけてくることは火を見るより明らかだ。元々TPP自体、大きな利益を得るのは一部のグローバル企業だけで、競争に晒される日本の中小企業は不利になり、また食の安全性や保険料・医薬品の高額化など多大な問題があった。それが新たな日米FTAともなれば、アメリカ・ファーストを掲げるトランプの強硬的な保護主義が裏返って(つまり、反自由貿易的姿勢と整合性をとるために)、一層“アメリカが勝者で日本が敗者”という解り易い構図を求める。

 実際、韓国のケースでは、二国間FTAによって、韓国市場が米国企業に荒らされ、韓国内の貧富の格差は益々拡大。2012年3月に米韓FTAが発行された後、たった1年目で米国産牛肉の輸入量は基準より53.6%も増え、価格面でも韓牛は5年間の平均価格より1.3%、子牛は24.6%も下落、約1万2000もの農家が廃業したという。実質GDPの成長率も、前年、前々年と比べて数パーセント単位で鈍化した。また日米FTAでトランプは、当然のようにISD条項を盛り込む事を強く主張するだろう。簡単にいうと、アメリカの企業が外国の政策で損害を受けたら賠償請求をする事ができるという制度だ。実際、韓国FTAでは発行から約半年後の12年11月、アメリカの投資会社ローンスターがISD条項を使って韓国政府を提訴している。
 国内産業を保護する事が困難になるのだ。更に沖縄米軍基地問題では「辺野古移設が唯一の解決」といってトランプに基地固定化を約束し、また世界中から批判されている移民受け入れ凍結措置や、イスラム7カ国の“入国禁止令”についても安倍(外交音痴)総理はノーコメントを貫き通した。繰り返すが、こうした“対米ポチ犬外交”が、日本を安全保障でも経済でも危機に晒すのだ。安倍政権は安保の尖閣防衛や「日米経済対話」を、日米首脳会談の成果として誇るが、私達は、その本質を見誤ってはならない。日本大手メディアは、こうした暗い影には殆ど触れず「案外トランプさんは常識的だった」等と呑気な事ばかり言っているが、実際は日本国民にはこの先、とてつもなく過酷なシナリオが待ち受けているのは間違いない。トランプが安倍の手を握った怖さを国民にも明らかになる頃は「平成の経済砂漠」になって、途方に暮れているときだ。(参考文献-リテラ:文責:民守正義)


《社会学者イダ ヒロユキ・本ブログ管理者・民守 正義:共同呼びかけ「ヘイト右翼番組つくるDHCは買うのは止めよう!」》

《関西マスコミ文化情報労組会議(関西MIC)主催学習会》

    「共謀罪~警察が私たちの心に踏み込んでくる」
日時:2017年2月25日(土)午後1時半~5時頃
会場:エルおおさか(大阪府立労働センター)
   (京阪・大阪市営地下鉄谷町線の天満橋から徒歩約5分)
参加費:一般800円(MIC参加組合の組合員は無料)
定員:50名
◯弁護士による解説:「共謀罪・何が問題か~安倍政権の狙い」
◯レクチャー:「警察捜査の正体と共謀罪」
 講師・原田宏二さん(元北海道警幹部)
◯質疑・討論:<権力が私達の心の中に踏み込んでくる>
<申込み・問い合わせ>関西マスコミ文化情報労組会議(関西MIC)事務局
TEL:06-6316-7490 FAX:06-6314-3660
メール:shimbun-kinki@nifty.com


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 (ハラスメント・メンタルヘルス等、含む)
*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。
*但しメンタルヘルスの場合、もし心療内科等に受診されている場合、または、その受診の方が望ましい場合は、当該医師の指導を優先し、カウンセリングを断る事もありますので予めご了承ください。
②採用コンサルタント。
*著作[「公正採用」と「能力発見!」採用選考のコツ]
【本ブログ:http://blog.zaq.ne.jp/yutan0619/article/27/】
*著作「採用面接」労働条件確認
【本ブログ: http://blog.zaq.ne.jp/sp/yutan0619/article/29/】
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<送信先Eメールアドレス>yutan0571@yahoo.co.jp
●費用:交通費等、実費+α(若干-協議)

(民守 正義)