「叛-共謀罪」とリベラル勢力の統一へ(14)

《Ken Kenと管理者:民守の【叛-共謀罪】キャンペーン》
<【共謀罪】ここが問題点-再整理>

[安倍が狙う「共謀罪」]
【「心の中」まで処罰】
 ジャーナリストの斎藤貴男は、共謀罪の本質を「権力に隷従したがらない者を徹底して排除する」、あるいは「排除される危険を見せつけて萎縮させる」仕組みと規定する。
まさに戦争国家づくりのための弾圧法を安倍政権はつくろうとしているのだ。
 「共謀罪」を創設する組織犯罪処罰法改悪案を今国会に提出するにあたり、政府は「テロ等準備罪」と言い換え、「一般人は対象外」と強調する。安倍(独裁)首相に至っては「成立させないと東京五輪を開催できない」と断言した。ウソ八百もいいところ。共謀罪創設の目的は政権に批判的な運動の封じ込めにある。全ては戦争国家づくりのためなのだ。
 日本の刑法は、結果が発生した「既遂の処罰」を原則としている。具体的な被害が生じたり、実行され危険が生じたりしなければ罪に問わないというものだ。「未遂」での処罰は例外で、犯行準備段階の「予備」での処罰は例外の例外にすぎない。ところが共謀罪は未遂や予備より前の「計画」を犯罪にする。2人以上の人が犯罪に関わる話し合い(共謀)をしたと見做されたら、実際に行動を起こさなくても処罰の対象になってしまう。かつて法務省は「会話による相談がなくても目くばせするだけで共謀は成立しうる」と国会で答弁した。「心の中」を捜査機関が推し量り処罰するということだ。近代刑法の原則を完全に逸脱している。また共謀罪は「○○罪の共謀罪」等の形を取るのだが、政府が過去に提出した共謀罪法案では700近くの犯罪が対象となっていた。警察の側からすると、目をつけた対象を摘発するための材料(こじつけの罪状)が豊富にあるということだ。
【普通の市民が標的に】
 共謀罪法案は過去3回国会に提出されたが、全て廃案となった。人権侵害や市民運動の抑圧につながるという世論の反発が強かったからだ。そこで安倍政権は負の印象を拭い去ろうと「テロ等組織犯罪準備罪」と言い換えることにした。菅義偉官房長官は「テロ対策」が主眼であることを強調し「一般の方々が対象になる事は有り得ない」と説明する。
 政府のこのような意向に応え、NHKのニュース番組は「共謀罪の構成要件を厳しくした『テロ等準備罪』を新設する法案」と呼び始めた。確かに提出予定の法案は適用対象を「組織的犯罪集団」に限定することになっている。対象犯罪を原案の半数以下の300程度に絞り込むとも言われている。だが条文に「一般市民は対象外」と明記する事が検討されている訳ではない。「組織的犯罪集団」の定義もあいまいで、警察の恣意的な判断により、普通の市民がそのように扱われるおそれがある。沖縄平和運動センターの岸本喬事務局次長は「私達の日々の抗議行動が対象になりうると怖さを感じる」と語る(8/16東京)。
「今でも道路交通法違反だからと強制排除される。(組織的)威力業務妨害罪の恐れがあると警察から言われたこともある。計画しただけで、すぐに適用されかねない」
 実際、現在の沖縄の状況を考えると、路上に座り込んで基地建設工事に抵抗する人々を排除するために、彼らを「組織的威力業務妨害」を目的とする組織的犯罪集団と見做して弾圧することは十分想定しうる話である。
【社会の到来招く】
 共謀罪が創設されれば、合意の証拠を押さえるために必要だとして、室内盗聴や潜入捜査といった捜査手法の導入論が必ず出てくるだろう。昨年夏の参院選では、野党支援団体等が入る建物の敷地に警察が隠しカメラを設置する事件があった。こうした行為が合法化され、日常的な監視に使われる可能性が高い。このように共謀罪がある社会では常に誰かに見張られている事を意識せざるを得ず、自由にものも言えなくなる。
憲法が保障した「言論の自由」が死滅すると言っても過言ではない。
安倍(独裁)首相は「共謀罪を成立させなければ東京オリンピックが開催できない」と、無茶苦茶なことを言い出した(1/10共同通信との単独インタビュー)。
オリンピックやテロ対策を口実にすれば、世論は納得すると思っているらしい。
共謀罪を東京五輪のレガシー(遺産)に、ということか。市民をなめきった暴走政権の悪行三昧をこれ以上許してはならない。(参考文献-MDS/文責:民守 正義)
◎【ご案内】映画『共謀罪、その後』第1話
https://www.youtube.com/watch?v=wp1rz9dOovE


《今、何故「大阪万博」?》

 大阪府・市が2025年に万博を誘致する計画を進めている。橋下徹府知事時代に持ち上がったこの計画。日本維新の会が、改憲への協力をエサに、安倍政権に急接近したことで現実味を帯びてきた。「副首都・大阪」を妄想する維新にしてみれば「東京が五輪をやるなら、大阪は万博だ」と、「大阪の東京への対抗意識」と逆に「田舎意識」丸出しだ。

 だが府が昨年10月にまとめた万博構想案は、理解に苦しむ代物だ。

■文楽たたいた大阪府が……

 構想案によると、テーマは「人類の長寿・健康への挑戦」なのだという。

 確かに日本の長寿と健康は世界に誇る価値の一つ。だが厚生労働省の平均余命の統計では、大阪府は男性が41位、女性が40位。「なぜ大阪府が、長寿と健康を?」という疑問がすぐ浮かぶ。万博構想案が掲げる理由は納得とはほど遠い。万博構想案は、大手製薬会社のオフィスや産官学の研究開発拠点があることや、健康に関連する食、スポーツ、家電、衣料等の産業が集積している事等を挙げているが、どれもこじつけの域を出ない。

 挙げ句の果てに次のような記述すらある。文化的な面では、江戸時代は庶民の文化である元禄文化が花開いた。例えば、この時に発展した人形浄瑠璃をベースとした文楽は、現在でも多くの人に親しまれている。この文楽の担い手となるには日々の鍛錬が不可欠であることから、高い技量を習得した高齢者が第一線で活躍しているなど、大阪は高齢者が現役として活躍できる街である。(構想案4頁・「大阪・関西で国際博覧会を開催することの意義」より)言うまでもなく、文楽は国の重要無形文化財であり、ユネスコ無形文化遺産でもある伝統芸能だ。その文楽を鑑賞して「つまらない。二度と見ない」と宣い、文楽協会を「特権集団」と決めつけ、補助金を人質に叩いたのは橋下知事だった。それが一転、知事こそ松井氏に変わっているものの、今度は万博誘致のため、高齢者活躍の事例として文楽を利用する。

 罵る事も褒めそやす事も目的次第、気分次第。義太夫の人間国宝、竹本住大夫氏に「口だけ達者でんな」とぼやかれたご都合主義は、橋下氏「引退」後も引き継がれ、万博構想案に結実している。そもそも万博のあり方は1994年を境に大きく変わった。従来は、科学技術の進歩など人類の「到達点」を見せる「国威発揚型」だったが、この年にあった万博を監督する博覧会国際事務局(本部パリ)の総会決議で、地球規模の課題に対する「出発点」となることを目指す「理念提唱型」に転換している。この点については、府の資料で言及されており、知らないはずがないのだが、この軽い議論は一体どういうことだろう。

■バブルの夢が散った島

 そんな無理筋のテーマを掲げてでも大阪が万博に拘るのは何故か。
 疑問を解くカギは、会場予定地にある。会場を巡っては当初、府が設置した有識者らによる会議が、1970年の大阪万博の会場だった万博記念公園や服部緑地、りんくう公園といった6つの候補地を挙げて議論していた。ところが松井知事は昨年5月、上京して懇意の菅義偉官房長官と会談し、それまでの議論を事実上無視する形で、候補地に含まれてもいなかった人工島「夢洲」を会場とする方針を伝え、その流れのままに会場予定地は決まっていった。
 夢洲は、日本各地で負の遺産となっている港湾開発の一つだ。
 バブル景気まっただ中の1988年に作られた「テクノポート大阪基本計画」に基づいて、隣の人工島「咲洲」と共に埋め立てが進められた。咲洲はまだいい。
 大阪府・市の「くだらない見栄の張り合いの象徴」として有名になった地上55階建ての超高層ビル「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(現・大阪府咲洲庁舎)の所在地として知られるが、夢洲に先行してまちづくりが進められ、マンションや商業施設、大学等が立地している。問題は、いまだ埋め立てが続く夢洲だ。2032年度を目途に東京ドーム83個分、390ヘクタールにもなる敷地の大半は利用計画がない。
 2008年開催の五輪招致を目指したが、北京に敗れて失敗。今は広大な空き地の脇で、コンテナターミナルやメガソーラーが稼働している程度だ。今回の万博誘致の動機は、この「夢の跡」にまたぞろ税金を投入することにある。万博をテコに埋め立てを加速し、地下鉄を通したい。だからテーマなど二の次なのだ。府がまとめた構想案は、計2千億円規模の会場建設費や運営費の他、地下鉄延伸など関連事業費に700億円以上を見込む。原資は「国、地元自治体、民間が確保する」のを原則とし「民間投資を呼び込むアイデアを募る」とも記しているが、具体策はない!2020年東京五輪・パラリンピックの例を出すまでもなく、費用は膨らみ続け、関係者の間で負担の押し付け合いが始まると考えるべきだ。

■万博+賭博=???

 「万博のテーマなど二の次だ」という本音は、大阪府・市が、万博会場の隣に「IR」を誘致する計画を進めていることからも明らかだ。「IR(Integrated Resort、統合型リゾート)」は、カジノとホテルや商業施設等を「統合」した「リゾート」の事。カジノで大勝ちして浮かれたり、逆に大負けして思い詰めたりする狂騒の時間が「リゾート」という言葉で思い浮かべる、リラックスした上質な時間とは異質なものであるのは明らかだが、「IR」という言葉自体、イメージ操作のために使われて広まったものだ。

 国民に強い拒否感のあったカジノを2006年に解禁するにあたり、シンガポール政府が「単なるカジノではない最先端・最高級のリゾート」と印象づけるために使ったのは「IR」。だから、この言葉が抱えている矛盾は、当たり前と言える。
 問題は、世界に向けて万博のテーマに掲げる「長寿・健康」と、「カジノ・ギャンブル・賭博」を並べて恥じない感覚にこそある。構想案はIRについて「IRの誘致を含む国際観光拠点形成に向けた取組みとの相乗効果により、大阪・関西、ひいては全国のインバウンドを牽引する」と触れる程度だ。「長寿・健康」の祭典と「カジノ・ギャンブル・賭博」の殿堂に、一体どんな関連があるというのか。まさか、カジノ目当てに集まるギャンブラーや反社会的勢力が万博会場に立ち寄って、長寿や健康の価値に目覚め、改心することを狙っている訳ではないだろう。かくも支離滅裂な万博構想なのである。

■誰の、誰による、誰のための万博?

 そもそもIR構想を持ち込んだのは、2009年にできた「大阪エンターテイメント都市構想研究会」なる任意団体だ。会員企業には、府・市の見栄の張り合いの象徴・咲洲の「大阪ワールドトレードセンタービルディング」を受注した大林組、鹿島建設、鴻池組等のゼネコンの他、カジノ関連産業であるパチンコメーカーのマルハン、電通、博報堂等15社が名を連ねる。だが万博で儲かる一部の大企業と違い、地元企業が歓迎しているとは言い難い。府は2015年6~7月に実施したアンケートで、府内に本社を置く企業500社にアンケートを送付。回答したのが111社に過ぎない事からも冷めた空気が伝わるが、その内、万博に「参加したい」「どちらかと言えば参加したい」と回答した割合は18%に過ぎない。「参加しない」は25%に及び「わからない」が46%を占める。構想案は経済波及効果を「1.1兆円」、全国への経済波及効果を「2.3兆円」、間接的な誘発効果を含めると「4.1兆円」とはじく。

 アベノミクスが行き詰まり、地方創生のアイデアもないからといって、理念もなく、十分な議論もなく、万博誘致とカジノ解禁の合わせ技で一発逆転を狙うのは「大阪人らしい稚拙な危険な賭け」である。危険な賭けである事が分からず、あるいは分かっているけど止められないのだとすれば、射幸心を煽られて冷静な判断ができなくなっているという意味において、ギャンブル依存症と同じ状況に陥っている。そんなときこそ、金目の話から距離を置き、頭を冷やして見つめ直す必要がある。今の大阪府・市がすがる1970年の大阪万博の「成功」の裏には、激しくも豊かな理念を巡る議論があった。「人類の進歩と調和」を謳ったあの万博のレガシーは、そんな理念と議論にこそある。(明日につづく)(参考文献-ニュースサイトハンター/文責:民守 正義)


《社会学者イダ ヒロユキ・本ブログ管理者・民守 正義:共同呼びかけ「ヘイト右翼番組つくるDHCは買うのは止めよう!」》


《関西マスコミ文化情報労組会議(関西MIC)主催学習会》

「共謀罪~警察が私たちの心に踏み込んでくる」

日時:2017年2月25日(土)午後1時半~5時頃
会場:エルおおさか(大阪府立労働センター)
(京阪・大阪市営地下鉄谷町線の天満橋から徒歩約5分)
参加費:一般800円(MIC参加組合の組合員は無料)
定員:50名
◯弁護士による解説:「共謀罪・何が問題か~安倍政権の狙い」
◯レクチャー:「警察捜査の正体と共謀罪」
 講師・原田宏二さん(元北海道警幹部)
◯質疑・討論:<権力が私達の心の中に踏み込んでくる>
<申込み・問い合わせ>関西マスコミ文化情報労組会議(関西MIC)事務局
TEL:06-6316-7490 FAX:06-6314-3660
メール:shimbun-kinki@nifty.com
 

《【4月1日(土)13時半~】第1回:日本軍「慰安婦」博物館会議》
 第1回日本軍「慰安婦」博物館会議を下記の通り開催します。

 皆様の賛同支援カンパと御参加をお願いいたします。
日 時:2017年4月1日(土)13時半~(13時開場)
場 所:在日本韓国YMCA・地下スペースYホール
参加費:1000円
◎賛同・カンパのお願い
 第1回日本軍「慰安婦」博物館会議の準備・開催には約200万円程度の出費を予定しています。この会議に賛同いただける団体・個人を募っています。

 またカンパもぜひよろしくお願いします。

<賛同金>団体:5000円  個人:1000円
<振込先>
郵便振替口座: 00110-2-579814  名称 女たちの戦争と平和人権基金
銀行口座: 三菱東京UFJ銀行渋谷支店 普通口座 3345859
特定非営利活動法人 女たちの戦争と平和人権基金
*郵便振込の際は、通信欄に「博物館会議賛同」「博物館会議カンパ」と明記のうえ、賛同者名公表の可否をお知らせください。
*銀行振込の際は、賛同・カンパの別、お名前の漢字と賛同者名の公表可否確認のため、wam事務局までメールでご一報いただけると助かります。
主 催:第1回日本軍「慰安婦」博物館会議実行委員会
連絡先:アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)気付
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18 AVACOビル2F
〔参照:HPアドレス〕http://wam-peace.org/20170111-3/
**********
(本件、呼び掛け人;社会学者イダ ヒロユキ/本ブログ管理者:民守 正義)


《ブログ「リベラル広場」では次の事業も行っています。》

職場(仕事)における労働・人権相談

(ハラスメント・メンタルヘルス等、含む)

*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。

*但しメンタルヘルスの場合、もし心療内科等に受診されている場合、または、その受診の方が望ましい場合は、当該医師の指導を優先し、カウンセリングを断る事もありますので予めご了承ください。

②採用コンサルタント。

*著作[「公正採用」と「能力発見!」採用選考のコツ]

【本ブログ:http://blog.zaq.ne.jp/yutan0619/article/27/】

*著作「採用面接」労働条件確認

【本ブログ: http://blog.zaq.ne.jp/sp/yutan0619/article/29/】

◎なお寄せていただく相談等は、とりあえず全てEメールで送信してください。

<送信先Eメールアドレス>yutan0571@yahoo.co.jp

●費用:交通費等、実費+α(若干-協議)

(民守 正義)