劣化する安倍ファシズム政権と「リベラル野党共闘」の行程(67)

劣化する安倍ファシズム政権と「リベラル野党共闘」の行程(67)





《「安倍軍事政権」シリーズ》

  <安倍内閣が前年の18倍の巨額「軍事研究」予算を閣議決定!>

 2017年度予算案が閣議決定した。

 高齢者の医療費自己負担等を引き上げた事で社会保障費の自然増分から約1400億円もカットした一方、防衛費は5兆1251億円と過去最大に。中でも目を見張るのが、軍事応用研究のための資金を大学等へ提供する「安全保障技術研究推進制度」に110億円の予算を盛り込んだことだ。「安全保障技術研究推進制度」は2015年から開始された制度で、防衛装備庁が設定したテーマに基づいて大学や企業等から研究を公募、採択されれば研究費が支給されるというもので、同年は3億円を予算として計上。今年度は倍となる6億円がつぎ込まれたが、来年はこれをなんと一気に18倍も増額させたのである。

 だが急速に「軍学共同」を押し進めてきた安倍(戦争)総理にとって、この増額は既定路線だった。事実、自民党は今年6月2日に開かれた国防部会で同制度への予算を「100億円規模」に拡充させる事を安倍(戦争)総理に提言。他方、防衛省は同制度の「1件あたり3年間で最大3000万円支給」という内容を「1件あたり5年間で最大十数億円支給」へと拡大させることを計画。そして今回、110億円という予算が組まれたのだ。

 厳しい経営を余儀なくされて背に腹を変えられない大学や研究者の頬を札束で叩き、カネで釣ろうとする安倍政権の浅ましさ─。

 毎度ながら、そのゲスっぷりには反吐が出るが、110億円という莫大な予算が意味するのは、この制度が「研究者版経済的徴兵制」だということだ。つまり安倍政権は「戦争ができる国」づくりのために科学者を動員しようと本格的に動き出しているのである。しかも問題は、こうした学問の自由を踏みにじる安倍(戦争)総理の狙いに対し、当の大学や研究者達が手を貸している現実だろう。それを象徴するのが、日本の科学者の代表機関である「日本学術会議」会長・大西隆氏による、今年4月に開かれた総会での発言だ。日本学術会議は1950年に「戦争を目的とする科学の研究には今後、絶対に従わない」とする声明を発表、67年にも同様の声明を出している。しかし大西会長は「私見」としつつも、この声明を否定するかのように、こう述べた。「国民は個別的自衛権の観点から、自衛隊を容認している。大学などの研究者がその目的にかなう基礎的な研究開発することは許容されるべきではないか」科学者が戦争に協力してきた事への反省から、日本学術会議は「軍事研究には絶対に従わない」と声をあげてきたその事実を、大西会長はこんな詭弁で覆そうとしたのだ。因みに大西会長が学長を務める豊橋技術科学大学は、2015年度の「安全保障技術研究推進制度」で研究が採択されている。

 そして「防衛のための研究ならOK」という詭弁と同様に、大学や研究者が軍事研究を肯定するために用いる言葉に「デュアルユース」(軍民両用)がある。例えばカーナビのGPS等は軍事のために開発された技術だが、このように「軍事技術が民生利用されれば生活は豊かになる、だからこそデュアルユース技術は推進すべきだ」。そういう声は研究当事者のみならず大きい。

 だが名古屋大学名誉教授である池内了氏は、このような意見に対し『兵器と大学 なぜ軍事研究をしてはならないのか』の中で以下のように反論している。〈(軍民両用が)可能になったのは軍からの開発資金が豊富にあったためで、最初から民生品として開発できていれば、わざわざ軍需品を作る必要はないのである。これまでの例は、あくまで軍事開発の副産物として民生品に転用されたに過ぎない。要するに巨大な軍事資金が発明を引き起こしたのであって、戦争が発明の母であったわけではないことに留意する必要がある〉

 更に同書では、獨協大学名誉教授の西川純子氏も、アメリカの軍産複合体の例を綴る中で、デュアルユースの危険性にこう言及している。

〈デュアルユースは科学者にとっても福音であった。これを信じれば、科学者にとって研究費の出所はどうでもよいことになる。科学者は、ためらいなく軍事的研究開発費を研究に役立てるようになるのである。研究者を「軍産複合体」につなぎとめる事ができたのは、デュアルユースという魔法の言葉のおかげだった。しかし科学者にとっての落とし穴は、軍事的研究開発費の恩恵に与る内に、これなしには研究ができなくなってしまったことである。軍事的研究開発費を受け取らなければ彼らの研究はたちまちストップする。科学者は研究を続けるために「軍産複合体」に依存する選択を取らざるを得なくなるのである〉この指摘は、軍需産業界だけではなく軍学共同にもあてはまるものだろう。大学や研究者達が軍事研究という言葉を糖衣で包むようにデュアルユースと言い換え、国から巨額の研究費を得る内に、それに頼らなくては研究ができなくなってしまう…。そうなれば、国からの予算を確実に得られるより軍事的な研究に専念せざるを得なくなる状況が生まれるはずだ。戦争のために科学が利用される─安倍軍事政権によって再び繰り返されようとしている。悪夢のような状況に-。

 しかし抵抗する動きもある。今月7日に関西大学は学内の研究者による「安全保障技術研究推進制度」への申請を禁止する方針を打ち出したが、この他にも広島大学や琉球大学、京都大学、新潟大学等が「軍事研究の禁止」を再確認している。学生と教員達が軍事協力をしないと誓った名古屋大学の「平和憲章」には、こんな宣言が綴られている。〈我が国の大学は、過去の侵略戦争において、戦争を科学的な見地から批判し続ける事ができなかった。むしろ大学は、戦争を肯定する学問を生みだし、軍事技術の開発にも深く関わり、更に多くの学生を戦場に送りだした。こうした過去への反省から、戦後、大学は「真理と平和を希求する人間の育成」を教育の基本とし、戦争遂行に加担するという過ちを二度と繰り返さない決意を固めてきた〉〈大学は、政治的権力や世俗的権威から独立して、人類の立場において学問に専心し、人間の精神と英知をになうことによってこそ、最高の学府をもって自らを任じる事ができよう。人間を生かし、その未来を拓く可能性が、人間の精神と英知に求められるとすれば、大学は、平和の創造の場として、また人類の未来を切り拓く場として、その任務を進んで負わなければならない〉名大は学生の就職(人権)問題等でも「会長職大学」として、何かと中心的役割を担っている事を、管理者は知っている。

 ぜひ全国の良心的大学から働きかけて頂き、「軍学共同研究に反対する大学共同声明」を発して頂く等に取り組んで頂きたいものだ。そして学者達は「学者の良心の意地」を発揮してほしい!

 「戦争に手など貸すものか!」今、求められているのは、大学を軍の下部組織にしようとする安倍軍事政権に「NO!」を突きつける事だ。(参考文献-リテラ/文責:民守 正義)



   <日本の世論2016:ねじれる9条、1項2項で差>

◆本「世論調査結果」記事は、そもそも本ブログで再三に亘り「世論調査結果」なるものが、如何に作為的・恣意的なものか述べてきており、その基本認識の上に立って、本稿を記した事を前提としたい。

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「戦争の放棄」改正否定52%:「戦力不保持」改正容認53%

 毎日新聞は10~12月、埼玉大学社会調査研究センターと共同で世論調査「日本の世論2016」を実施した。憲法9条について、戦争放棄を謳った1項を「改正すべきではない」との回答が52%を占めた。

 一方、戦力不保持を定めた2項に関しては「自衛隊の保持とその役割を明記すべきだ」が36%で最も多く、「国防軍の保持とその役割を明記すべきだ」の17%と合わせて改正容認が5割を超えた。「改正すべきではない」は21%だった。1項を「改正すべきではない」は半数を超えたが、昨年の調査からは5ポイント減少した。「改正すべきだ」は21%(前回比4ポイント増)、「わからない」は26%(同2ポイント増)。2項については、自民党が2012年の憲法「改悪」草案に「国防軍」の保持を盛り込んだ事を説明した上で聞いた。「改正」すべきかどうか「わからない」は24%で、「自衛隊明記」に次いで多かった。

 自衛隊が2項に「違反していない」は41%で、「違反している」の21%を上回った。「違反していない」と考える層の47%は2項への自衛隊明記を、23%は国防軍明記をそれぞれ挙げ、「改正すべきではない」は20%。「違反している」と考える層でも、自衛隊明記(42%)と国防軍明記(18%)が計6割に上り、「改正すべきではない」は37%だった。今回の結果について、松本正生センター長は「自衛隊の役割明記という回答には、活動内容を拡大するという意見だけではなく、制約するという反対の意見も含まれるのではないか」と指摘している。調査は従来の郵送式に加え、インターネットでも回答を受け付けた。回答者が謝礼の代わりに寄付できる「寄付つき世論調査」として実施した。(毎日新聞)



<海上自衛隊「いじめ告発者」懲戒処分事件>


 2013年、海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」の乗組員が10年前に自殺した問題で「苛めを示す調査文書が隠されている」と内部告発した40代の3等海佐に対し、海自が懲戒処分した。

 2004年に自殺した乗組員の遺書には、先輩からの暴行・恐喝の事実が記されていた。海自は自殺直後「たちかぜ」乗組員にアンケートを実施したが、その翌年に情報公開請求した遺族に「破棄した」と回答した。

 資料隠しを知った3佐が08年、防衛省の公益通報窓口に告発。

 海自が隠蔽を認めて謝罪したのは、4年後の12年だった。ところが2013年6月、この3佐の下に海自から懲戒処分手続き開始を通知する文書が届いた。告発時に証拠として関連文書のコピーを自宅に保管していたことが、規律違反になるとした。「公益通報者保護法」は、組織の不正を正そうと内部告発をした人を守るため、告発を理由に解雇や不利益な取り扱いを禁じており、明らかに「公益通報者保護法」違反!でも、これが自衛隊の現実。

{山本雄大弁護士の弁}

 「公益通報等のため、内部資料をコピーして持ち出す例は、他にもあります。持ち出し行為を理由として行われた懲戒処分の有効性等が争われた裁判も、これまでに複数存在します」やはり公益通報については、資料の持ち出しが問題となる事はあるようだ。裁判のポイントはどんな点だったのだろうか?「資料の内容や持ち出し行為等の態様、告発の重要性等が考慮された上で、持ち出しは正当な告発に不可欠の行為である、または持ち出し行為の違法性が大きく減殺される、等として懲戒処分が無効とされた判例もあります。中には懲戒処分をした側に対して、損害賠償が命じられた例もある。

 公益通報者保護法には、直接的に内部資料の持出し行為を保護する規定はありません。しかし同法施行後の判例でも『公益通報のために必要な証拠書類の持ち出し行為も、公益通報に付随する行為として同法による保護の対象となる』としたものがあります。その判決では、持出し行為自体をとらえて、服務規律違反等として解雇その他の不利益取扱いを行うことができないと判断したのです(神戸地裁判H20.11.10)」

 つまり「公益通報者保護法」は同法制定論議過程を見ても「公益通報した労働者保護」を目的したもので、法令分野でも「労働法」の範疇に入る。従って上記「裁判のポイント」でも明らかなように「公益通報する過程で、公益通報者を他の微々たる刑事事件に引っ掛けて処分する事は、本法の目的を達せられなくなり、当該処分は無効」というのが、常識的解釈なのである。(同法コメンタール確認済み)

●「自浄能力」を低下させてしまう恐れがある

 今回報じられている海自のケースは、どのように考えるべきなのだろうか?「今回の持出し行為がどう評価されるかにもよりますが、こうした判例や同法解釈に照らし合わせて考えれば、仮に海自が懲戒処分をした場合、その処分は公益通報者保護法が禁止する『不利益取扱い』に該当するか、懲戒権の濫用にあたるとして、無効となるでしょう。更に場合によっては、違法な懲戒処分をしたとして、海自側が損害賠償責任を負う可能性もある」いずれにしても、海自の対応は、公益通報者保護制度の趣旨を理解せず、自浄能力を低下させてしまう結果となりかねない内容です」山本弁護士はこのように厳しく指摘し憂慮した。(参考資料提供イダ ヒロユキ/文責:民守 正義)

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《読者:佐藤 眞一さん提供「アベ政治ノー・取手集会(2016年12月17日)」》

www.facebook.com/100000203255545/videos/1587821511234609/



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《政府と米軍、オスプレイに蹂躙される高江…「オスプレイ墜落事故後、飛行強行」》

 オスプレイ墜落事故から僅か6日後、沖縄県民、国民の反対を押しきり、米軍と米軍追随の安倍政権はオスプレイの飛行を強行した。高江の民家上空数十メートルを、騒音を轟かせて超低空飛行する太い図体のオスプレイ。まさに "一触墜落" 大惨事の状況にある。これは東村高江地区でのオスプレイの飛行訓練の実態と地元住民の運動の記録である。(クローズアップ現代から)

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*著作[「公正採用」と「能力発見!」採用選考のコツ]

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(民守 正義)