劣化する安倍ファシズム政権と「リベラル野党共闘」の行程(59)
劣化する安倍ファシズム政権と「リベラル野党共闘」の行程(59)
《【「安倍の罪」と「マスコミの罪」】シリーズ》
<「安倍」の「傲慢症候群」3つの要因:それを支えるメディアの罪とは?>
第24回参議院選挙の結果、参院全体で自民、公明、おおさか維新の会等「改憲勢力」が3分の2を超え、安倍(独裁)総理は、より一層、その後の国会運営でも一強他弱で強引な国会運営が常態化している。こうした「安倍」の「オレ様化」した傲慢人間だと断じる精神科医の片田珠美さんは、著書『オレ様化する人たち-あなたの隣の傲慢症候群』で、身近に存在する「オレ様」を徹底分析。安倍(独裁)総理の傲慢さがもたらす弊害と、「オレ様」に負けないためにどうするべきか、指南してくれた。
* * *
安倍(独裁)総理の歓喜に溢れ、高揚した顔を見て「傲慢症候群(ヒュブリス・シンドローム)が一層悪化するのではないか」と危惧せずにはいられなかった。「傲慢症候群」は、イギリスのデービッド・オーエン元外相・厚生相が提唱した概念である。オーエンは「権力の座に長くいると性格が変わる人格障害の一種」と説明している。
確かに「権力を握ってから、おかしくなった」とか「権力を振るえる立場になってから、とんでもない事をするようになった」と言われる人はいる。権力の座につく事によって、おごりや自信過剰が生まれ、そのせいで周囲が見えなくなり、冷静な判断ができなくなるのが傲慢症候群の特徴だ。オーエンは政治家であると同時に神経科医でもあるので、国家のトップが周囲の助言に耳を傾けず、暴走する姿を医師の眼差しでつぶさに観察していたのだろう。
オーエンがヒュブリスという傲慢を意味するギリシャ語をあえて用いたのは、古代ギリシャではヒュブリスが非常に重要なテーマだったからだ。ヒュブリスという名前の女神が『イソップ寓話集』の「戦争と傲慢」に登場する。神々が結婚式を挙げ、各々の伴侶が決まったのだが、ポレモス(戦争)の神は遅れて到着したので、1人だけ残っていたヒュブリスを、めとることになった。ヒュブリスは絶世の美女だったらしいが、その性格ゆえに独身だったようだ。尤もポレモスはヒュブリスにぞっこんで、この女神の行くところには、どこにでもついて行くので、傲慢の後から、たちまち戦争がやって来るといわれるようになった。
この話が端的に示しているように、傲慢の後にはしばしば揉め事がやって来る。これは、国家や企業等の大きな組織のトップに限らない。上司、同僚、友人、恋人、隣人、場合によっては家族の中に傲慢な人が1人でもいると、振り回されて大変な事になる。
傲慢な人が揉め事を引き起こしやすいのは、プライドが高く、自信過剰に陥りやすいからだろう。もめ事くらいなら、じっと我慢していれば済むかもしれないが、傲慢な政治家は実際に戦争を引き起こしかねず、笑い事では済まない。そのためヒュブリスは古代ギリシャでも強く戒められており、傲慢の当然の報いとして破滅する物語がギリシャ神話には数多くある。例えばギリシャ神話に登場するイカロスの悲劇は、その典型だろう。イカロスは、父が鳥の羽根を集めてこしらえた翼で空を飛び、「あまり高く飛びすぎてはいけない」という父の戒めを無視して、天に達するまで高く昇っていった。やがて燃え立つ太陽に近づきすぎ、羽根を留めていたろうが柔らかくなって、ばらばらにほぐれてしまったため、墜落し青海原の真っ只中に沈んだ。
イカロスの名前を冠した「イカロス・シンドローム」も、欧米では最近話題になっている。育児休暇取得を宣言し、安倍(独裁)総理をはじめ自民党の重鎮政治家を招いて盛大な結婚披露宴を催した宮崎謙介・元衆院議員が、妻の出産直前の不倫を認めて議員辞職した騒動は記憶に新しいが、栄光の絶頂から真っ逆さまに転落した宮崎氏は、典型的な「イカロス・シンドローム」ではないか。傲慢を戒める逸話は、もちろん我国にも昔から数多くある。その極致ともいえるのが、平家物語で「驕れる者は久しからず。ただ春の夜の夢の如し」という一節は、よく知られている。これほど傲慢がもたらす悲劇を見事に描いた物語はないだろう。この世の春を謳歌し、栄光の絶頂にいたとしても、少々の事は許されるという驕りゆえに傲慢な振る舞いを続けている内に転落した実例は、古今東西枚挙に暇がない。過去の成功体験の上に胡坐をかき「自分達は特別な力を持っている」と自信過剰に陥って、目の前の現実をきちんと認識できなくなれば、イカロスのように破滅の危機に瀕する。この事は、過去の歴史を振り返れば一目瞭然だ。にも関らず、傲慢症候群に陥るトップが少なくないのは、オーエンが挙げている3つの要因によると考えられる。
(1)実権を握っている
(2)権力の座に長期間座っている
(3)個人が権限をふりかざすのに最小限の制限しか、かからない
安倍(独裁)総理の傲慢症候群は、この3つの要因に支えられているように見えるが、私が何よりも深刻だと思うのは、(3)を可能にしている最小限の制限しかかけない国民、とくにメディアの責任である。今回の参院選の争点は、改憲勢力が3分の2に達するか否かだったはずだ。にも関らず、安倍(独裁)総理は選挙期間中その点を隠し、「アベノミクスは道半ば」ということばかり強調した。メディアも、権力者の意向を忖度したのか、争点ぼかしに協力した。唯一追及したのは、投票後の選挙特番で安倍(独裁)総理に「憲法改正の『け』の字も出さなかった」事を問い質したジャーナリストの池上彰氏くらいで、後は皆、腰が引けていたようだ。これは、メディアをはじめとして大多数の国民が「イネイブラー(支え手)」になっていたからだろう。例として女優の高島礼子さんの夫である高知東生容疑者が覚せい剤取締法違反で逮捕されたが、近年は俳優としての活動が殆どなかった高知容疑者が覚せい剤を購入し続けられたのは、高島さんの稼ぎのおかげである。その意味では、高島さんは知らず知らずのうちに「イネイブラー」になっていたといえる。
傲慢症候群に陥っている安倍政権の「イネイブラー」にならないように、国民1人1人が気をつけなければならない。そうしなければ、ヒュブリス(傲慢)に続いてポレモス(戦争)がやって来るかもしれない。(基本文献-精神科医・片田珠美/管理者:部分編集)
<鹿児島市議会・発言封殺問題-南日本新聞の「逸脱」>
鹿児島県-三反園知事が「川内原発-再稼働阻止」を、公約に大々的に掲げながらも、最近になって「支持した県民を裏切り、むしろ推進派に転向」した事は大手メディアも取り上げる大きな怒りの話題となっているが、本ブログでは、まだ一度も取り上げていない。いずれ近々に総括的に整理・掲載する予定だが、本稿は、こうした鹿児島県-三反園知事の「再稼働推進派に転向」を背景にした「鹿児島市議会に絡む問題」である。
鹿児島市議会では本月12日“通告した質問の内容に即していない”“話が長い”等と言いがかりをつけ、脱原発派議員の発言を封殺し、議会質問の一部を議事録から削除させていた事が分かった。
ところが顛末を報じた地元紙・南日本新聞の記事は、言論封殺を咎めるものではなく、責められた議員の名誉を貶めるものだった。
取材過程を調べてみたところ、同紙記者の作為が疑われる状況。
公平・公正を「逸脱」した、南日本新聞の記事とは……。
〔意図的に「逸脱」強調〕
取消しを余儀なくされた小川美沙子市議の発言内容は、原子力防災訓練の日程や見直しの方針等について森博幸市長の見解を質すため、前提となる自身の経験や逸話を話したものだった。詳細を同市議に確認したところ、通告された質問と発言内容は乖離しておらず「逸脱」と判断できるものではなかった。「前振りが長すぎる」という批判も、僅か4分の発言には当てはまらない。“言いがかり”で、議員の発言を封じる事には賛否両論―。鹿児島市議会は、小川発言をどう取り扱うべきかについて、延々6時間も協議を行っていた。日程が終了したのは午後10時前。このため市職員が残業したのは確かだが、責任は、針小棒大に騒いで小川市議をイタブッタ側にある。ところが……。市議会の問題を報じる記事に≪議員の発言「通告逸脱」≫と見出しを打っている。新聞は見出しに全てを集約するもの。この記事を書いた記者と記事の掲載を許した同紙が、小川市議の発言を、通告した質問の内容から「逆逸脱」したと捉えているのは確かだ。
記事では経緯を短く紹介。騒ぎの結果、職員145人が残業し、管理職を除く職員の時間外手当や電気代として「約70万円」が発生したと結んでいる。記事本文中には見出しと同じ「逸脱」という言葉が2回。
小川市議の発言が、質問通告から逸脱したものだったと決めつけた形だ。
〔揺らぐ「逸脱」の根拠〕
前述の通り、小川発言は通告された原発関連から逸脱したものではなく、質問の前提をつまびらかにしただけのもの。南日本の記者は質疑の模様を確認していたはずだが何故、ここまで「逸脱」にこだわるのか分からない。そもそも「逸脱」と書いた根拠はあるのか―。
13日、議会事務局に聞いたところ「逸脱というのはどうも……」と困惑した様子。的を射た言葉ではないのでは、と水を向けると「そうですねぇ」。残業で発生した「70万円」についても、議会事務局は心当たりがないという。14日、南日本新聞の報道部に「70万円」の出所と「逸脱」が誰の主張なのかについて確認を求めた。
折り返しの回答によれば、70万円は総務課への確認。
「逸脱」という言葉は、議会事務局の次長に聞いたものだという。
自信満々のご返事だったが、数時間後「先程の回答は誤り。『逸脱』は、議会事務局の議事課長によるもの」と訂正してきた。何時間もかけて、随分いい加減な話である。
案の定、南日本の回答が、かなり怪しいものであることが明らかになる。先ず「逸脱」を指摘したとされる議事課長は「私は逸脱なんて言葉は使っていません。南日本の記者と歩きながら話したのは確かです。しかし、ちょっと違うかなという個人的な感想を述べたかもしれませんが、そこもハッキリとは覚えてないほど。職員の立場で、議員さんの発言を『逸脱』等と言えるはずがありませんから」―。
南日本の記者は、意図的に「逸脱」と打ったということだ。“作為”をもって書かれた記事であることは、「70万円」という数字を引っ張り出した記者の動きで明確になる。
〔新聞記者の“作為”浮彫り〕
残業代等「70万円」の算出を行ったのは、市総務部の課長。
確認したところ、議会日程の終了後に、南日本の記者から待機職員の数や残業代について聞かれ、大まかな数字を出したという。
問題の記事の最後段にある残業代の記述は、南日本の記者が独自に見立て、市側に数字の提供を求めたものだった。問題意識を持つのは結構だが、記事の流れは、こうなっている。小川市議を悪者に仕立てる意図がミエミエ。記事作成までの動きから言って、記者に作為があったのは明らかだ。しかも論拠が極めて曖昧というのだから、呆れるしかない。
そもそも市職員の残業は、この日に限っての話ではあるまい。
役所の残業は日常茶飯。様々な事業に残業はつきものだ。
全ての残業の是非を検討した上で、議会当日の残業を、あげつらうのならまだ解かる。しかし南日本新聞が鹿児島市役所の残業実態を精査して、問題提起したケースなど皆無。小川市議に批判的な市議らの尻馬に乗って、発言撤回を余儀なくされた同市議を、無駄な税金支出の張本人に仕立てたという訳だ。これは報道の名を借りた誹謗・中傷である。
〔残業代試算のために更なる残業〕
間抜けなのは、南日本の記者が、自身の行動と記事の趣旨が一致していないことに気付いていないところだ。前述した残業代等の推計を出したのは総務部の課長。経緯の確認に対し、課長は同紙記者から残業代等の推計を求められたのが、議会日程の終了後だった事を認めている。
つまり総務部の職員が、混乱議会で残業した後、新聞記者の問い合わせに応じて更なる残業をしたという事になる。職員の残業を問題視した記者が、更なる残業を強いた格好。滑稽と言うしかない。
南日本の問題の記事が、一歩間違えると「捏造」になりかねない作為的な手法で描かれたのは確か。悪質な世論誘導記事と言っても過言ではない。因みに「逸脱」とは本筋からそれること。
小川市議の発言は、通告の前提を述べているのであって、本筋から、それているのではない。報道とは何かを問う前に、南日本の記者には、記者としての基本資質が問われる。と同時に地方紙の編集までが、ここまで「原発推進」で報道統制されている事に驚きを隠せない。(基本文献-ニュースサイトハンター/管理者:総合編集)
**********
《ブログ「リベラル広場」では次の事業も行っています。》
①職場(仕事)における労働・人権相談
(ハラスメント・メンタルヘルス等、含む)
*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。
*但しメンタルヘルスの場合、もし心療内科等に受診されている場合、または、その受診の方が望ましい場合は、当該医師の指導を優先し、カウンセリングを断る事もありますので予めご了承ください。
②採用コンサルタント。
*著作[「公正採用」と「能力発見!」採用選考のコツ]
【本ブログ:http://blog.zaq.ne.jp/yutan0619/article/27/】
*著作「採用面接」労働条件確認
【本ブログ: http://blog.zaq.ne.jp/sp/yutan0619/article/29/】
◎なお寄せていただく相談等は、とりあえず全てEメールで送信してください。
<送信先Eメールアドレス>yutan0571@yahoo.co.jp
●費用:交通費等、実費+α(若干-協議)
《在日女性監督朴壽南(パク・スナム、81歳)の最新作ドキュメンタリー『沈黙』完成と全国上映に向けてご支援下さい!》
2016ソウル国際女性映画祭出品、監督朴壽南(パク・スナム、81歳)の最新作『沈黙』。「慰安婦」被害者15名の密着記録と現在をつなぐドキュメンタリー全国上映に向け完成・配給宣伝費用にお力を貸して下さい!
◎2016年9月30日 映画『沈黙』は、韓国DMZ国際ドキュメンタリー映画祭にて<特別賞>を受賞しました!しかし資金不足のため、音楽やサウンド編集を完成させる事が出来ず、ソウル映画祭では<限定版>として上映、日本公開のためには日本語字幕・サウンド編集の製作費、配給宣伝費用が必要です。ぜひ皆様のお力をお貸し下さい!
*詳しくはHP「在日女性監督朴壽南(パク・スナム、81歳)の最新作ドキュメンタリー『沈黙』完成と全国上映に向けてご支援下さい!」
【https://motion-gallery.net/projects/silence】をご参照ください。
《【「安倍の罪」と「マスコミの罪」】シリーズ》
<「安倍」の「傲慢症候群」3つの要因:それを支えるメディアの罪とは?>
第24回参議院選挙の結果、参院全体で自民、公明、おおさか維新の会等「改憲勢力」が3分の2を超え、安倍(独裁)総理は、より一層、その後の国会運営でも一強他弱で強引な国会運営が常態化している。こうした「安倍」の「オレ様化」した傲慢人間だと断じる精神科医の片田珠美さんは、著書『オレ様化する人たち-あなたの隣の傲慢症候群』で、身近に存在する「オレ様」を徹底分析。安倍(独裁)総理の傲慢さがもたらす弊害と、「オレ様」に負けないためにどうするべきか、指南してくれた。
* * *
安倍(独裁)総理の歓喜に溢れ、高揚した顔を見て「傲慢症候群(ヒュブリス・シンドローム)が一層悪化するのではないか」と危惧せずにはいられなかった。「傲慢症候群」は、イギリスのデービッド・オーエン元外相・厚生相が提唱した概念である。オーエンは「権力の座に長くいると性格が変わる人格障害の一種」と説明している。
確かに「権力を握ってから、おかしくなった」とか「権力を振るえる立場になってから、とんでもない事をするようになった」と言われる人はいる。権力の座につく事によって、おごりや自信過剰が生まれ、そのせいで周囲が見えなくなり、冷静な判断ができなくなるのが傲慢症候群の特徴だ。オーエンは政治家であると同時に神経科医でもあるので、国家のトップが周囲の助言に耳を傾けず、暴走する姿を医師の眼差しでつぶさに観察していたのだろう。
オーエンがヒュブリスという傲慢を意味するギリシャ語をあえて用いたのは、古代ギリシャではヒュブリスが非常に重要なテーマだったからだ。ヒュブリスという名前の女神が『イソップ寓話集』の「戦争と傲慢」に登場する。神々が結婚式を挙げ、各々の伴侶が決まったのだが、ポレモス(戦争)の神は遅れて到着したので、1人だけ残っていたヒュブリスを、めとることになった。ヒュブリスは絶世の美女だったらしいが、その性格ゆえに独身だったようだ。尤もポレモスはヒュブリスにぞっこんで、この女神の行くところには、どこにでもついて行くので、傲慢の後から、たちまち戦争がやって来るといわれるようになった。
この話が端的に示しているように、傲慢の後にはしばしば揉め事がやって来る。これは、国家や企業等の大きな組織のトップに限らない。上司、同僚、友人、恋人、隣人、場合によっては家族の中に傲慢な人が1人でもいると、振り回されて大変な事になる。
傲慢な人が揉め事を引き起こしやすいのは、プライドが高く、自信過剰に陥りやすいからだろう。もめ事くらいなら、じっと我慢していれば済むかもしれないが、傲慢な政治家は実際に戦争を引き起こしかねず、笑い事では済まない。そのためヒュブリスは古代ギリシャでも強く戒められており、傲慢の当然の報いとして破滅する物語がギリシャ神話には数多くある。例えばギリシャ神話に登場するイカロスの悲劇は、その典型だろう。イカロスは、父が鳥の羽根を集めてこしらえた翼で空を飛び、「あまり高く飛びすぎてはいけない」という父の戒めを無視して、天に達するまで高く昇っていった。やがて燃え立つ太陽に近づきすぎ、羽根を留めていたろうが柔らかくなって、ばらばらにほぐれてしまったため、墜落し青海原の真っ只中に沈んだ。
イカロスの名前を冠した「イカロス・シンドローム」も、欧米では最近話題になっている。育児休暇取得を宣言し、安倍(独裁)総理をはじめ自民党の重鎮政治家を招いて盛大な結婚披露宴を催した宮崎謙介・元衆院議員が、妻の出産直前の不倫を認めて議員辞職した騒動は記憶に新しいが、栄光の絶頂から真っ逆さまに転落した宮崎氏は、典型的な「イカロス・シンドローム」ではないか。傲慢を戒める逸話は、もちろん我国にも昔から数多くある。その極致ともいえるのが、平家物語で「驕れる者は久しからず。ただ春の夜の夢の如し」という一節は、よく知られている。これほど傲慢がもたらす悲劇を見事に描いた物語はないだろう。この世の春を謳歌し、栄光の絶頂にいたとしても、少々の事は許されるという驕りゆえに傲慢な振る舞いを続けている内に転落した実例は、古今東西枚挙に暇がない。過去の成功体験の上に胡坐をかき「自分達は特別な力を持っている」と自信過剰に陥って、目の前の現実をきちんと認識できなくなれば、イカロスのように破滅の危機に瀕する。この事は、過去の歴史を振り返れば一目瞭然だ。にも関らず、傲慢症候群に陥るトップが少なくないのは、オーエンが挙げている3つの要因によると考えられる。
(1)実権を握っている
(2)権力の座に長期間座っている
(3)個人が権限をふりかざすのに最小限の制限しか、かからない
安倍(独裁)総理の傲慢症候群は、この3つの要因に支えられているように見えるが、私が何よりも深刻だと思うのは、(3)を可能にしている最小限の制限しかかけない国民、とくにメディアの責任である。今回の参院選の争点は、改憲勢力が3分の2に達するか否かだったはずだ。にも関らず、安倍(独裁)総理は選挙期間中その点を隠し、「アベノミクスは道半ば」ということばかり強調した。メディアも、権力者の意向を忖度したのか、争点ぼかしに協力した。唯一追及したのは、投票後の選挙特番で安倍(独裁)総理に「憲法改正の『け』の字も出さなかった」事を問い質したジャーナリストの池上彰氏くらいで、後は皆、腰が引けていたようだ。これは、メディアをはじめとして大多数の国民が「イネイブラー(支え手)」になっていたからだろう。例として女優の高島礼子さんの夫である高知東生容疑者が覚せい剤取締法違反で逮捕されたが、近年は俳優としての活動が殆どなかった高知容疑者が覚せい剤を購入し続けられたのは、高島さんの稼ぎのおかげである。その意味では、高島さんは知らず知らずのうちに「イネイブラー」になっていたといえる。
傲慢症候群に陥っている安倍政権の「イネイブラー」にならないように、国民1人1人が気をつけなければならない。そうしなければ、ヒュブリス(傲慢)に続いてポレモス(戦争)がやって来るかもしれない。(基本文献-精神科医・片田珠美/管理者:部分編集)
<鹿児島市議会・発言封殺問題-南日本新聞の「逸脱」>
鹿児島県-三反園知事が「川内原発-再稼働阻止」を、公約に大々的に掲げながらも、最近になって「支持した県民を裏切り、むしろ推進派に転向」した事は大手メディアも取り上げる大きな怒りの話題となっているが、本ブログでは、まだ一度も取り上げていない。いずれ近々に総括的に整理・掲載する予定だが、本稿は、こうした鹿児島県-三反園知事の「再稼働推進派に転向」を背景にした「鹿児島市議会に絡む問題」である。
鹿児島市議会では本月12日“通告した質問の内容に即していない”“話が長い”等と言いがかりをつけ、脱原発派議員の発言を封殺し、議会質問の一部を議事録から削除させていた事が分かった。
ところが顛末を報じた地元紙・南日本新聞の記事は、言論封殺を咎めるものではなく、責められた議員の名誉を貶めるものだった。
取材過程を調べてみたところ、同紙記者の作為が疑われる状況。
公平・公正を「逸脱」した、南日本新聞の記事とは……。
〔意図的に「逸脱」強調〕
取消しを余儀なくされた小川美沙子市議の発言内容は、原子力防災訓練の日程や見直しの方針等について森博幸市長の見解を質すため、前提となる自身の経験や逸話を話したものだった。詳細を同市議に確認したところ、通告された質問と発言内容は乖離しておらず「逸脱」と判断できるものではなかった。「前振りが長すぎる」という批判も、僅か4分の発言には当てはまらない。“言いがかり”で、議員の発言を封じる事には賛否両論―。鹿児島市議会は、小川発言をどう取り扱うべきかについて、延々6時間も協議を行っていた。日程が終了したのは午後10時前。このため市職員が残業したのは確かだが、責任は、針小棒大に騒いで小川市議をイタブッタ側にある。ところが……。市議会の問題を報じる記事に≪議員の発言「通告逸脱」≫と見出しを打っている。新聞は見出しに全てを集約するもの。この記事を書いた記者と記事の掲載を許した同紙が、小川市議の発言を、通告した質問の内容から「逆逸脱」したと捉えているのは確かだ。
記事では経緯を短く紹介。騒ぎの結果、職員145人が残業し、管理職を除く職員の時間外手当や電気代として「約70万円」が発生したと結んでいる。記事本文中には見出しと同じ「逸脱」という言葉が2回。
小川市議の発言が、質問通告から逸脱したものだったと決めつけた形だ。
〔揺らぐ「逸脱」の根拠〕
前述の通り、小川発言は通告された原発関連から逸脱したものではなく、質問の前提をつまびらかにしただけのもの。南日本の記者は質疑の模様を確認していたはずだが何故、ここまで「逸脱」にこだわるのか分からない。そもそも「逸脱」と書いた根拠はあるのか―。
13日、議会事務局に聞いたところ「逸脱というのはどうも……」と困惑した様子。的を射た言葉ではないのでは、と水を向けると「そうですねぇ」。残業で発生した「70万円」についても、議会事務局は心当たりがないという。14日、南日本新聞の報道部に「70万円」の出所と「逸脱」が誰の主張なのかについて確認を求めた。
折り返しの回答によれば、70万円は総務課への確認。
「逸脱」という言葉は、議会事務局の次長に聞いたものだという。
自信満々のご返事だったが、数時間後「先程の回答は誤り。『逸脱』は、議会事務局の議事課長によるもの」と訂正してきた。何時間もかけて、随分いい加減な話である。
案の定、南日本の回答が、かなり怪しいものであることが明らかになる。先ず「逸脱」を指摘したとされる議事課長は「私は逸脱なんて言葉は使っていません。南日本の記者と歩きながら話したのは確かです。しかし、ちょっと違うかなという個人的な感想を述べたかもしれませんが、そこもハッキリとは覚えてないほど。職員の立場で、議員さんの発言を『逸脱』等と言えるはずがありませんから」―。
南日本の記者は、意図的に「逸脱」と打ったということだ。“作為”をもって書かれた記事であることは、「70万円」という数字を引っ張り出した記者の動きで明確になる。
〔新聞記者の“作為”浮彫り〕
残業代等「70万円」の算出を行ったのは、市総務部の課長。
確認したところ、議会日程の終了後に、南日本の記者から待機職員の数や残業代について聞かれ、大まかな数字を出したという。
問題の記事の最後段にある残業代の記述は、南日本の記者が独自に見立て、市側に数字の提供を求めたものだった。問題意識を持つのは結構だが、記事の流れは、こうなっている。小川市議を悪者に仕立てる意図がミエミエ。記事作成までの動きから言って、記者に作為があったのは明らかだ。しかも論拠が極めて曖昧というのだから、呆れるしかない。
そもそも市職員の残業は、この日に限っての話ではあるまい。
役所の残業は日常茶飯。様々な事業に残業はつきものだ。
全ての残業の是非を検討した上で、議会当日の残業を、あげつらうのならまだ解かる。しかし南日本新聞が鹿児島市役所の残業実態を精査して、問題提起したケースなど皆無。小川市議に批判的な市議らの尻馬に乗って、発言撤回を余儀なくされた同市議を、無駄な税金支出の張本人に仕立てたという訳だ。これは報道の名を借りた誹謗・中傷である。
〔残業代試算のために更なる残業〕
間抜けなのは、南日本の記者が、自身の行動と記事の趣旨が一致していないことに気付いていないところだ。前述した残業代等の推計を出したのは総務部の課長。経緯の確認に対し、課長は同紙記者から残業代等の推計を求められたのが、議会日程の終了後だった事を認めている。
つまり総務部の職員が、混乱議会で残業した後、新聞記者の問い合わせに応じて更なる残業をしたという事になる。職員の残業を問題視した記者が、更なる残業を強いた格好。滑稽と言うしかない。
南日本の問題の記事が、一歩間違えると「捏造」になりかねない作為的な手法で描かれたのは確か。悪質な世論誘導記事と言っても過言ではない。因みに「逸脱」とは本筋からそれること。
小川市議の発言は、通告の前提を述べているのであって、本筋から、それているのではない。報道とは何かを問う前に、南日本の記者には、記者としての基本資質が問われる。と同時に地方紙の編集までが、ここまで「原発推進」で報道統制されている事に驚きを隠せない。(基本文献-ニュースサイトハンター/管理者:総合編集)
**********
《ブログ「リベラル広場」では次の事業も行っています。》
①職場(仕事)における労働・人権相談
(ハラスメント・メンタルヘルス等、含む)
*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。
*但しメンタルヘルスの場合、もし心療内科等に受診されている場合、または、その受診の方が望ましい場合は、当該医師の指導を優先し、カウンセリングを断る事もありますので予めご了承ください。
②採用コンサルタント。
*著作[「公正採用」と「能力発見!」採用選考のコツ]
【本ブログ:http://blog.zaq.ne.jp/yutan0619/article/27/】
*著作「採用面接」労働条件確認
【本ブログ: http://blog.zaq.ne.jp/sp/yutan0619/article/29/】
◎なお寄せていただく相談等は、とりあえず全てEメールで送信してください。
<送信先Eメールアドレス>yutan0571@yahoo.co.jp
●費用:交通費等、実費+α(若干-協議)
《在日女性監督朴壽南(パク・スナム、81歳)の最新作ドキュメンタリー『沈黙』完成と全国上映に向けてご支援下さい!》
2016ソウル国際女性映画祭出品、監督朴壽南(パク・スナム、81歳)の最新作『沈黙』。「慰安婦」被害者15名の密着記録と現在をつなぐドキュメンタリー全国上映に向け完成・配給宣伝費用にお力を貸して下さい!
◎2016年9月30日 映画『沈黙』は、韓国DMZ国際ドキュメンタリー映画祭にて<特別賞>を受賞しました!しかし資金不足のため、音楽やサウンド編集を完成させる事が出来ず、ソウル映画祭では<限定版>として上映、日本公開のためには日本語字幕・サウンド編集の製作費、配給宣伝費用が必要です。ぜひ皆様のお力をお貸し下さい!
*詳しくはHP「在日女性監督朴壽南(パク・スナム、81歳)の最新作ドキュメンタリー『沈黙』完成と全国上映に向けてご支援下さい!」
【https://motion-gallery.net/projects/silence】をご参照ください。
(民守 正義)
0コメント