劣化する安倍ファシズム政権と「リベラル野党共闘」の行程(44)
劣化する安倍ファシズム政権と「リベラル野党共闘」の行程(44)
《【報道の自由】シリーズ》
<「権力監視がメディアの使命」沖縄から問う報道の自由の表現>
沖縄の声を本土や海外に届ける戦略を探るシンポジウム「沖縄から問う報道と表現の自由」(共催・沖縄タイムス社、沖縄国際人権法研究会、特別協力・連合沖縄、後援・沖縄弁護士会)が21日、那覇市久茂地のタイムスホールで開かれた。
毎日新聞特別編集委員の岸井成格氏は、安倍内閣は報道の「中立性」を旗印に日米軍事同盟と原発政策での批判を封じる姿勢が顕著だとし「権力を監視するのがメディアの最も大事な使命だ」と訴えた。
機動隊員による市民への「土人」発言に関し、ジャーナリストの安田浩一氏は明らかな差別発言だと強調。差別の構造は「権利を主張する少数派を引きずり下ろし、社会を分断することだ」と分析した上で「社会のきしむ音を聞き、強い者に声を発するのがメディアの責務だ」と提言した。沖縄2紙記者の拘束問題には「沖縄の記者は権力にものを言う。
今の日本社会はそういう人を叩く傾向がある」と指摘した。
ワシントンポストのアンナ・ファイフィールド東京支局長は、ジョン・ミッチェル特約通信員が米軍サイトへの接続を遮断された問題に「シリア、イラン並みの市民監視で、民主主義国家として絶対にあってはならない」と非難し、他のメディアが抗議しなかったことを疑問視。
海外メディアも安倍政権の報道機関への姿勢に懸念を持っていることを報告した。報道の公平性に関し、安田氏は「権力側と市民が公平というのは、あり得ない」と強調。沖縄タイムスの石川達也編集局長は「圧倒的な権力の前で抵抗する市民の側に立って報道する立場は、今後も変わらない」とし、沖縄の不条理を本土へ伝える努力を続ける考えを示した。〔動画案内:「権力監視がメディアの使命」沖縄から問う報道と自由の表現 ジャーナリストら討議;http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/72242〕(沖縄タイムス+プラスニュース)
<「左翼雑誌」と攻撃を受けても怯まなかった「通販生活」に感動!>
〈戦争、まっぴら御免。原発、まっぴら御免。言論圧力、まっぴら御免。沖縄差別、まっぴら御免。〉〈こんな「まっぴら」を左翼だとおっしゃるのなら、左翼で結構です。〉
こんな文字が踊ったのは、通販販売カタログ雑誌「通販生活」2016年冬号だ。これは読者に向けた強烈なメッセージだった。
これには少し説明が必要だろう。その前号(2016年夏号)では、同誌は直前に控えた参院選の特集を組み、安倍(独裁)総理の写真と、戦争法制に関する発言を掲載した上で、こう呼びかけている。〈自民党支持の読者の皆さん、今回ばかりは野党に一票、考えて頂けませんか。〉
しかし、このメッセージに対し172人の読者から批判や質問が相次いだという。その内容は、かなり強烈なものもあった。〈今回届いた貴殿誌をみて驚きました。共産党や社民党の機関紙あるいは反日でしょうか。〉〈通販生活は良い商品を売るための雑誌であって、特定の思想をスリ込むための雑誌ではないはずですが。〉〈今回ばかりは貴社から何も購入したくありません。不愉快です。〉〈今後、通販生活の送付、お断りします。〉つまり「通販雑誌は政治的主張をするな、もしするなら両論併記せよ、お前は左翼雑誌か!?」という読者からの批判だった。
同誌では、これら読者の批判に答え、翌号となる冬号で一部の批判意見を掲載した上で、その答えをこう記している。〈例えば福島第一原発のメルトダウンがいい例ですが、日々の暮らしは政治に直接、影響を受けます。従って「お金儲けだけ考えて、政治の話には口を噤む企業」にはなりたくないと小社は考えています〉また、両論併記しなかった理由についても〈憲法学者の約9割が違憲としたほどの「安倍内閣の集団的自衛権の行使容認に関する決め方」は両論併記以前の問題と考えた次第です〉と明確に答えた。そして「通販生活」の考えとして、冒頭の“まっぴら御免”“左翼で結構”と啖呵をきった上、こう結んだのだ。〈今後の購買を中止された方には、心からお詫びいたします。永年のお買い物、本当にありがとうございました〉
編集方針に不満なら仕方がないという読者への決別宣言ともとれる衝撃の言葉だが、第二次安倍政権発足以来、萎縮しきっているメディア界で、ここまで毅然とした態度をとった雑誌はおそらくないだろう。だが「通販生活」がこうした姿勢を取るのは今回が初めてではない。「通販生活」は通常のカタログ雑誌とは少し趣が違う。
単に商品を売るのではなく、様々なルポやインタビューなど企画が掲載される“読み物ページ”が半分以上を占める。そしてその歴史を振り返ると、数々の政治的主張を繰り広げてきた“反骨”の雑誌なのだ。例えば問題になった夏号の表紙は「私達は怒っている。」という田原総一朗らジャーナリスト達の会見写真だった。
これは高市(経歴詐称)総務相の“電波停止発言”を受けての抗議会見だが、表紙には写真と共に会見で語られたメッセージも掲載されている。また憲法に関しても以前から一貫して平和、護憲の立場を表明、それを具体的に誌面化するだけでなく、“付録”という形で読者への“メッセージ”としてきた。例えば2000年春号では日本国憲法(全文)をとじ込み付録として掲載、また2005年秋号岩波ではブックレット『憲法を変えて戦争へ行こう-という世の中にしないための18人の発言』を付録として配布する等の試みを行ってきた。特に『憲法を変えて戦争へ行こう』付録に際しては、今回と同様「両論併記ではない一方的な押し付けは不愉快」といった読者からの批判も巻き起こったが、翌06年春号では創業者であり同社社長(当時)の斎藤駿氏自らが「通販生活」の編集方針、そしてジャーナリズムに対する信念を読者に対してこう表明したほどだ。〈国論を二分するような重要なテーマについては、己の立場を鮮明にするのが媒体の使命で、読者は各々の媒体を読み比べて読者自身の主張をつくっていく際の参考にする…これが媒体(ジャーリズム)と読者のあるべき関係ではないでしょうか。〉〈私達はカタログ雑誌がジャーナリズムとして機能してもいいのではないかと考えています。政治的なテーマは日々の暮しに影響を与えるものですから、避けずに取り上げるべきだと考えています。〉〈「九条を変えない方がいい」という主張は、まず通販生活発行人である私の信念です。〉まさにジャーナリズムとしての“正論”だ。「政治は日々の暮らしに影響する」。
同社の姿勢は、何度も表紙に記される“反原発”のメッセージにも込められている。「一日も早く原発国民投票を」(2011年冬号)「放射能汚染に苦しむ福島の母子なおざりで、原発再稼働に熱心なこの国のおかしさ。」(2012年夏号)「どう考えても原発ゼロしかないよ。」(2013年秋冬号)「原発が一基も動いていない2015年のお正月」(2015年春号)また2013年春号ではドイツの映画『みえない雲』のDVDを付録としてつけた事も。その姿勢は誌面だけでなく「通販生活」のテレビCMにも表れている。原発国民投票を呼びかけた2011年冬号の30秒CMはこんなものだった。黒い画面に流れる白い字幕メッセージ。それを俳優・大滝秀治氏が重厚な声で読み上げていく。「原発、いつ、やめるのか、それとも、いつ再開するのか」。そして冒頭特集が「原発国民投票」だと伝えるものだった。しかし、このCMはテレビ朝日から放映を拒否されてしまう。そのためカタログハウスは自社のホームページで、これを公開し、逆に大きな話題ともなった。また2015年秋冬号「戦争を知らない子どもたち」のテレビCMでも“反戦姿勢”を貫き話題にもなっている。
その他、同誌では沖縄、基地問題や環境問題など毎号のように“政治的話題”に積極的に取り組んでいる。まさに“反骨”の雑誌「通販生活」なのだが、その源流はなにか。現在はカタログハウス相談役である斎藤氏の著書『なぜ通販で買うのですか』には斎藤氏の商品、そしてジャーナリズムへの思いが描かれている。そもそも斎藤氏が政治的問題を直視したのも“商品”との関係からだ。それが創刊から4年目の1986年、当時世界最大の原発事故チェルノブイリ事故が起こったことだった。
斎藤氏は、この事故に大きなショックを受けた。それは自身が電化製品を販売し、今後も売り続けなければならない人間だったからだ。〈初めて私達の目の前に現れたチェルノブイリの小さな被爆者達は、現代の私達が享受している電気万能生活の行きつく果ての姿をその肉体で証明してくれていた。(略)ショックを受けた。悪いのは原発ではなくて、電気製品を売りまくる事によって原発を造らせてしまった私だった。批判されるべきは私であり、従ってチェルノブイリの子供達に責任をとらなくてはいけないのだった〉その後、斎藤氏は「チェルノブイリの母子支援金」を作り、読者にカンパを呼びかけ、集まった3692万円で医療器具等を送り、その使途明細を誌面で公表した。
そして“反原発の騎手”広瀬隆氏を誌面に登場させ、原発批判を展開していった。また商品販売を通して、様々な社会問題を訴えてもいる。 例えば沖縄の雇用問題に対しては「沖縄ビーグ敷き」を販売することで、中国に押されていたビーグ(い草)農家を蘇らせ、憲法9条に関しては戦争放棄を憲法で宣言している「コスタリカ」のコーヒー豆を販売することで「憲法9条を守りたい人は、コスタリカさんの豆でコーヒーを飲まないといけない」とブチあげる。それは〈商品に託して小売の主張を伝える〉ためだ。そして構築されたのが“商品を媒介にして小売の主張を展開する”“商品から社会を変える”という斎藤氏の“商売哲学”と“ジャーナリズム”の関係だった。〈カタログという「小売店」がジャーナリズム化していけば、消費者への問題提起はとても大きい。
商品を是々非々で批評・批判していくのが「商品ジャーナリズム」(例えば『暮しの手帖』)なら、己が是とした商品の是とした理由を解説しながら販売していく方法を「小売ジャーナリズム」と呼んでも構わないのではないか。「販売する」は「報道する」に重なるのではないか。〉〈私が小売ジャーナリズムに憧れるのは、それが小売の自己表現だからだ。各々の小売が各々の自己表現(人間表現と言ってもいい)で競い合う。各々の自己表現が消費者における商品選択の標識になってく。そうなるといいなあ、と思う。〉「小売ジャーナリズム」。それが、斎藤氏が導き出した「通販生活」の基礎理念だった。〈小売が憲法9条を考えて、何が悪い〉こうした斎藤氏の考えや姿勢が「通販生活」という雑誌の方針を決定付けている。
政治を、社会を考え、平和や差別なき社会の実現こそが“暮し”をそして“消費者”を守ることになるのだ、と。
私達リベラル国民は、そんな「通販生活」の編集方針に大いに賛同し、今後も応援していきたい。(基本文献-リテラ/管理者:一部編集)
<沖縄・高江での記者拘束問題を考える「土人」暴言も飛び出す憎悪の現場>
〔身をもって知った「書き続ける意義」〕
「報道の自由って分かるよな?」と、沖縄タイムスの男性記者は何度も聞いた。「仕事で写真を撮っているだけです」と、琉球新報の女性記者は何度も伝えた。しかし警察官達は一言も発しない。ただ両腕を掴み背中を押した。そうやって取材中の記者2人が拘束された。
8月20日、東村高江。那覇空港から約80キロ、沖縄本島北部の山中で、この日も米軍のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に対する抗議行動が続いていた。現場となったのは一本道の県道にかかる小さな橋。砂利を積んだダンプを止めようと、市民約50人が座り込んでいた。
午前10時26分、機動隊が市民のごぼう抜きを始めた。直ぐに取材していたタイムス記者が機動隊員4人に囲まれた。背中を強くこづかれ、市民と一緒に「仮留置場」に放り込まれた。「後ろから背中を強く押された。機動隊員の顔も見ていない。あっという間の出来事だった」という。仮留置場は橋の直ぐ南側に作られていた。機動隊のバス2台とガードレール、それに機動隊員の人垣が四方を塞いでいた。
2012年、沖縄県警が編み出した手法だ。事故の多い新型輸送機オスプレイの配備強行に怒った市民が普天間飛行場のゲートを封鎖した時のこと。県警は強制排除した市民が、また座り込みに戻らないように、拘束し続けておくことを決めた。権力が「悪い事をするかもしれない」と判断しただけで市民の身体の自由を奪う。戦前の治安維持法で悪名高い予防拘禁と本質的に変わらない。
だが沖縄県警は、そんな批判を意に介さず、名護市辺野古、そして高江で同じ手法を繰り返し使ってきた。タイムス記者は、その場に15分ほど閉じ込められていた。社員証を示し、取材中である事を告げても若い機動隊員達は、やはり何も答えなかった。そこへ沖縄県警の腕章を着けた私服警官が、通りがかった。「仕事にならない。出してほしい」と交渉し、ようやく解放される。だが自由だったのは、ものの1~2分にすぎなかった。10時45分頃、現場の橋に戻ろうと歩いていくと、新報の記者が同じように連行されようとしているのを見た。思わず「新報の記者ですよ」と声を上げた。すると自分も再び捕まった。
10時58分頃まで、また約15分。2回でおよそ30分に亙って行動の自由を奪われた。外ではまだ市民の強制排除が続いていた。首を伸ばして現場を見ようとするが、機動隊員の列が邪魔で見えない。そうしている間に、自分がいる仮留置場に市民が運ばれてくる。「現場で何が起きているのか分からない。空白ができてしまった。読者に完全に伝えられなかったのが悔しかった」と振り返る。新報記者も一旦、拘束されかけた後、何とか現場に戻り、機動隊員による強制排除の様子を撮っていたところだった。その場にいた機動隊幹部は「プレスの方ですよね」と確認し、特に咎めなかった。しかしその後、沖縄県警の私服警官がやってきた。「下がって。危ないですよ」。正面から向き合う形で両肩を掴んだまま無理やり下がらせた。最後は機動隊員2人が両腕を掴み、別の1人は背中を押して、約40メートル移動させた。タイムス記者や市民と同じ仮留置場に押し込んだ。新報記者は移動させられる間、ずっと「新報です。何の権限があるのですか」と問い続けた。ここでも説明はない。
拘束された約15分の間、ノートに書き殴っていた。「監禁された、不当監禁」「なぜ弾圧されるのか!おかしいよな!報(道)の自由を、表(現)の自由を犯している」「戦の足音が聞こえる-というのは間違っていない(機動隊員に理由を)聞いても答えない」「この悔しさを忘れてはいけないと思って」書いた。記者2人が解放されたのは、全てが終わった後だった。
〔腕章装着で、記者側の問題にすり替えようとする警察〕
沖縄県警は「記者だとは分からなかった」と主張した。県議会で追及された池田克史本部長は「腕章をしておらず、抗議参加者と見分けがつかない状況だった事もあり、抗議参加者との認識で移動させた。
記者だと名乗る事もなかった。狙い撃ちで行動を制限しているものではなく、また取材中の記者と認識した上で規制する事もない」と答弁した。だが、これは事実に反している。確かにタイムス記者は腕章をしていなかったが、顔写真入りの社員証を示し、何度も記者だと伝えている。新報記者は肩から提げたカメラのストラップに腕章を付けていたが、それを警官の顔の高さまで上げて示し、繰り返し「新報です」と声を上げた。池田本部長は「報道各社に腕章を識別できるよう、腕への装着を徹底する事を申し入れた」と記者側の問題にすり替えようとした。
だが公道上で腕章をするかどうか、どこに着けるかは個人の選択だ。
腕に着けなかった結果、記者だとすぐ分かってもらえず、排除されかけたとしてもそれはいい。問題は、記者と認識した後も拘束を続けた事にある。その横暴行為への説明はなかった。
〔「報道の自由の侵害」と2紙は沖縄県警に抗議声明〕
事件を受け、タイムスは石川達也編集局長が声明を出した。
「本紙記者は市民らの抗議活動を通常通りに取材し、県民の知る権利に応えようとしていたもので、こうした警察権力による妨害は、憲法で保障された報道の自由を侵害するものであり、断じて許すことはできない」新報は普久原均編集局長名で抗議の談話を発表した。「現場には県民に伝えるべき事があった。警察の妨害によって、その手段が奪われた事は大問題だ。警察官が記者を強制的に排除し、行動を制限した行為は報道の自由を侵害するもので、強く抗議する」
本土メディアでは神奈川新聞の記者が、拘束が起きた直後の現場を取材した。新報記者の「私達が取材しなかったら、高江の人々の声が伝わらない。何もなかったかのようにされてしまう」という話を連載の中で紹介した。力ずくの記者排除は「遠い国での出来事とばかり思っていた」と書いたのは北海道新聞のコラム。信濃毎日新聞の社説は「政府に対して批判的な報道を続ける地元紙に対する政府、自民党の敵意が隠れていないか」と懸念した。高知新聞の社説は「記者と分かっても解放しなかった理由、再発防止策も示さなければならない」と要求した。
東京新聞は「警察の権限を強化しようとする大きな動きがある」との識者の見方を紹介した。他に知る限り朝日新聞、毎日新聞、共同通信が事実関係を報じた。労働組合も一斉に抗議した。
新聞労連は「実力行使で報道を妨害する行為は、絶対に認めるわけにはいかない」、放送局を含む沖縄の報道機関労組でつくる沖縄県マスコミ労働組合協議会は「国家権力が都合の悪いことを隠す行為だ」と批判した。
〔高江では以前から取材規制:混成部隊で警官個人の裁量か〕
8月20日の記者拘束は、最悪のケースだった。だが、ここまで発展しないまでも、これに類する取材規制は高江で日常的に起きてきた。
一番多いのは県道封鎖だ。ダンプが砂利を運んでいる時間帯、現場手前の2キロ弱の区間を警察が毎日のように通行止めにしている。抗議の市民を近づけないためだが、通りすがりの市民も記者も同様に規制される。車を置いて徒歩なら規制区間に入れる日もあるし、それすら許されない日もある。ここでも警察は何のための規制か、いつまで続くのか等、一切説明しない。ヘリパッド建設工事が再開された初日、7月22日の現場は更に混乱していた。県道から建設予定地に続く工事用道路の出入り口前。日付が変わる前から集まっていた市民約2百人は、午前6時半頃までには約5百人の警察官によって殆ど排除されていた。残るのは出入り口を塞ぐ形で止めた2台の車と、その屋根の上に陣取った市民15人ほど。機動隊員が引きずり下ろそうとしていて、更なる混乱が予想された。その場にいた私を含む記者は、警官から繰り返し退去を求められた。一部の機動隊員は別の記者の背中を押した。
だが抵抗すると引き下がった。結局、記者は各々の持ち場に食らいついて、車の屋根の上から、道の反対側から、強制排除の様子を見届けた。肋骨を折る市民まで出た荒れた現場。警官が市民にパンチを繰り出すニュース映像を見た人もいるのではないか。
この日は全国メディアも多数集まっていて、実情が広く報道された。
夕方になっても混乱は尾を引いていた。午後4時、交代の時間になっても同僚が来てくれない。現場は山の中で商店はおろか、自動販売機すらない。食料も水も底を突いた。現場に午前0時前に集合した取材班の内、最後まで残っていた私と同僚の2人は疲労がピークに達していた。
聞くと交代要員の同僚は現場の手前で警察に止められていた。
警官は「出る事はできるが、入る事はできない」と主張しているという。この日は、道路管理者の県職員まで警官に追い返されていた。
私達が出てしまうと、タイムスの記者が現場に誰もいなくなってしまう。7月の沖縄の太陽が照りつけていた。目眩、頭痛、手の痺れ、と熱中症の症状を自覚しながら、規制が解除されるまで1時間以上、ただ待つしかなかった。この日の規制は連続11時間に及んだ。翌23日は、現場の手前で検問に出くわした。「どこに行くのですか?」「何をしに?」と尋ね、免許証を提示させて住所や名前を書き留める。抗議行動から人を遠ざけようとする嫌がらせなのは明らかだった。
車から降り、写真撮影を始める。機動隊員が「ここに車を止めないでください」と取材を妨害しにきた。「駐車禁止じゃないでしょう。何でですか?」「とにかく危ないから止めないでください」の繰り返し。
現場責任者は最後には「貴方の会社に連絡しますよ!」と激高したが「どうぞお願いします」と返すと変な顔をして黙ってしまった。
警察は沖縄を含む7都府県の混成部隊だ。沖縄県警のある警官は漏らした。「誰が誰だか、警官同士でも分からない。どこで何をしているのかも把握できない。後になって、警察がそんなことをしたのか、と驚くことも多い」。責任を持って説明できる者がいないまま、警官個人の裁量が幅を利かせる。そんな状態は今も続いている。(基本文献-沖縄タイムスプラス/管理者:一部編集)
<大手メディア世論調査が全部ウソ!大手TV・新聞が安倍政権と癒着!>
大手メディアの世論調査が全部ウソだった事が明らかになった。安倍政権によるプロパガンダ・印象操作が深刻化しており、大手メディアは、安倍政権と一緒に会食を繰り返す『寿司メディア』となっています。特に産経新聞・読売新聞・NHKが安倍政権と癒着しています。この3社は、本ブログにも内部告発がされています。(既報済み) ついては〔参考サイト:大手メディア世論調査が全部ウソ!安倍政権プロパガンダが深刻化!大手TV・新聞が安倍政権と癒着!https://matome.naver.jp/odai/2145475250773933301〕を紹介します。
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《韓国人が反韓デモでフリーハグをしてみた(한국인이 반한시위현장에서 프리허그를 해보았다):社会学者イダ ヒロユキ提供》
*下記アドレスをコピーして、通常検索エンジンに貼り付けて検索ください。システム上、クリック呼び出しができません。ごめんなさい。
https://www.youtube.com/watch?v=Ob6QediH92w&feature=youtu.be
《ブログ「リベラル広場」では次の事業も行っています。》
①職場(仕事)における労働・人権相談
(ハラスメント・メンタルヘルス等、含む)
*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。
*但しメンタルヘルスの場合、もし心療内科等に受診されている場合、または、その受診の方が望ましい場合は、当該医師の指導を優先し、カウンセリングを断る事もありますので予めご了承ください。
②採用コンサルタント。
*著作[「公正採用」と「能力発見!」採用選考のコツ]
【本ブログ:http://blog.zaq.ne.jp/yutan0619/article/27/】
*著作「採用面接」労働条件確認
【本ブログ: http://blog.zaq.ne.jp/sp/yutan0619/article/29/】
◎なお寄せていただく相談等は、とりあえず全てEメールで送信してください。
<送信先Eメールアドレス>yutan0571@yahoo.co.jp
●費用:交通費等、実費+α(若干-協議)
《ドキュメンタリー映画「『知事抹殺』の真実」》
真実を追うドキュメンタリー。
一人の知事が政治生命を絶たれた。
不可解な過程を、一次資料に基づき映像化。まもなく自主上映!
*詳しくは公式サイト「『知事抹殺』の真実」
【http://eisaku-movie.jp/】
【お願い】
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《【報道の自由】シリーズ》
<「権力監視がメディアの使命」沖縄から問う報道の自由の表現>
沖縄の声を本土や海外に届ける戦略を探るシンポジウム「沖縄から問う報道と表現の自由」(共催・沖縄タイムス社、沖縄国際人権法研究会、特別協力・連合沖縄、後援・沖縄弁護士会)が21日、那覇市久茂地のタイムスホールで開かれた。
毎日新聞特別編集委員の岸井成格氏は、安倍内閣は報道の「中立性」を旗印に日米軍事同盟と原発政策での批判を封じる姿勢が顕著だとし「権力を監視するのがメディアの最も大事な使命だ」と訴えた。
機動隊員による市民への「土人」発言に関し、ジャーナリストの安田浩一氏は明らかな差別発言だと強調。差別の構造は「権利を主張する少数派を引きずり下ろし、社会を分断することだ」と分析した上で「社会のきしむ音を聞き、強い者に声を発するのがメディアの責務だ」と提言した。沖縄2紙記者の拘束問題には「沖縄の記者は権力にものを言う。
今の日本社会はそういう人を叩く傾向がある」と指摘した。
ワシントンポストのアンナ・ファイフィールド東京支局長は、ジョン・ミッチェル特約通信員が米軍サイトへの接続を遮断された問題に「シリア、イラン並みの市民監視で、民主主義国家として絶対にあってはならない」と非難し、他のメディアが抗議しなかったことを疑問視。
海外メディアも安倍政権の報道機関への姿勢に懸念を持っていることを報告した。報道の公平性に関し、安田氏は「権力側と市民が公平というのは、あり得ない」と強調。沖縄タイムスの石川達也編集局長は「圧倒的な権力の前で抵抗する市民の側に立って報道する立場は、今後も変わらない」とし、沖縄の不条理を本土へ伝える努力を続ける考えを示した。〔動画案内:「権力監視がメディアの使命」沖縄から問う報道と自由の表現 ジャーナリストら討議;http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/72242〕(沖縄タイムス+プラスニュース)
<「左翼雑誌」と攻撃を受けても怯まなかった「通販生活」に感動!>
〈戦争、まっぴら御免。原発、まっぴら御免。言論圧力、まっぴら御免。沖縄差別、まっぴら御免。〉〈こんな「まっぴら」を左翼だとおっしゃるのなら、左翼で結構です。〉
こんな文字が踊ったのは、通販販売カタログ雑誌「通販生活」2016年冬号だ。これは読者に向けた強烈なメッセージだった。
これには少し説明が必要だろう。その前号(2016年夏号)では、同誌は直前に控えた参院選の特集を組み、安倍(独裁)総理の写真と、戦争法制に関する発言を掲載した上で、こう呼びかけている。〈自民党支持の読者の皆さん、今回ばかりは野党に一票、考えて頂けませんか。〉
しかし、このメッセージに対し172人の読者から批判や質問が相次いだという。その内容は、かなり強烈なものもあった。〈今回届いた貴殿誌をみて驚きました。共産党や社民党の機関紙あるいは反日でしょうか。〉〈通販生活は良い商品を売るための雑誌であって、特定の思想をスリ込むための雑誌ではないはずですが。〉〈今回ばかりは貴社から何も購入したくありません。不愉快です。〉〈今後、通販生活の送付、お断りします。〉つまり「通販雑誌は政治的主張をするな、もしするなら両論併記せよ、お前は左翼雑誌か!?」という読者からの批判だった。
同誌では、これら読者の批判に答え、翌号となる冬号で一部の批判意見を掲載した上で、その答えをこう記している。〈例えば福島第一原発のメルトダウンがいい例ですが、日々の暮らしは政治に直接、影響を受けます。従って「お金儲けだけ考えて、政治の話には口を噤む企業」にはなりたくないと小社は考えています〉また、両論併記しなかった理由についても〈憲法学者の約9割が違憲としたほどの「安倍内閣の集団的自衛権の行使容認に関する決め方」は両論併記以前の問題と考えた次第です〉と明確に答えた。そして「通販生活」の考えとして、冒頭の“まっぴら御免”“左翼で結構”と啖呵をきった上、こう結んだのだ。〈今後の購買を中止された方には、心からお詫びいたします。永年のお買い物、本当にありがとうございました〉
編集方針に不満なら仕方がないという読者への決別宣言ともとれる衝撃の言葉だが、第二次安倍政権発足以来、萎縮しきっているメディア界で、ここまで毅然とした態度をとった雑誌はおそらくないだろう。だが「通販生活」がこうした姿勢を取るのは今回が初めてではない。「通販生活」は通常のカタログ雑誌とは少し趣が違う。
単に商品を売るのではなく、様々なルポやインタビューなど企画が掲載される“読み物ページ”が半分以上を占める。そしてその歴史を振り返ると、数々の政治的主張を繰り広げてきた“反骨”の雑誌なのだ。例えば問題になった夏号の表紙は「私達は怒っている。」という田原総一朗らジャーナリスト達の会見写真だった。
これは高市(経歴詐称)総務相の“電波停止発言”を受けての抗議会見だが、表紙には写真と共に会見で語られたメッセージも掲載されている。また憲法に関しても以前から一貫して平和、護憲の立場を表明、それを具体的に誌面化するだけでなく、“付録”という形で読者への“メッセージ”としてきた。例えば2000年春号では日本国憲法(全文)をとじ込み付録として掲載、また2005年秋号岩波ではブックレット『憲法を変えて戦争へ行こう-という世の中にしないための18人の発言』を付録として配布する等の試みを行ってきた。特に『憲法を変えて戦争へ行こう』付録に際しては、今回と同様「両論併記ではない一方的な押し付けは不愉快」といった読者からの批判も巻き起こったが、翌06年春号では創業者であり同社社長(当時)の斎藤駿氏自らが「通販生活」の編集方針、そしてジャーナリズムに対する信念を読者に対してこう表明したほどだ。〈国論を二分するような重要なテーマについては、己の立場を鮮明にするのが媒体の使命で、読者は各々の媒体を読み比べて読者自身の主張をつくっていく際の参考にする…これが媒体(ジャーリズム)と読者のあるべき関係ではないでしょうか。〉〈私達はカタログ雑誌がジャーナリズムとして機能してもいいのではないかと考えています。政治的なテーマは日々の暮しに影響を与えるものですから、避けずに取り上げるべきだと考えています。〉〈「九条を変えない方がいい」という主張は、まず通販生活発行人である私の信念です。〉まさにジャーナリズムとしての“正論”だ。「政治は日々の暮らしに影響する」。
同社の姿勢は、何度も表紙に記される“反原発”のメッセージにも込められている。「一日も早く原発国民投票を」(2011年冬号)「放射能汚染に苦しむ福島の母子なおざりで、原発再稼働に熱心なこの国のおかしさ。」(2012年夏号)「どう考えても原発ゼロしかないよ。」(2013年秋冬号)「原発が一基も動いていない2015年のお正月」(2015年春号)また2013年春号ではドイツの映画『みえない雲』のDVDを付録としてつけた事も。その姿勢は誌面だけでなく「通販生活」のテレビCMにも表れている。原発国民投票を呼びかけた2011年冬号の30秒CMはこんなものだった。黒い画面に流れる白い字幕メッセージ。それを俳優・大滝秀治氏が重厚な声で読み上げていく。「原発、いつ、やめるのか、それとも、いつ再開するのか」。そして冒頭特集が「原発国民投票」だと伝えるものだった。しかし、このCMはテレビ朝日から放映を拒否されてしまう。そのためカタログハウスは自社のホームページで、これを公開し、逆に大きな話題ともなった。また2015年秋冬号「戦争を知らない子どもたち」のテレビCMでも“反戦姿勢”を貫き話題にもなっている。
その他、同誌では沖縄、基地問題や環境問題など毎号のように“政治的話題”に積極的に取り組んでいる。まさに“反骨”の雑誌「通販生活」なのだが、その源流はなにか。現在はカタログハウス相談役である斎藤氏の著書『なぜ通販で買うのですか』には斎藤氏の商品、そしてジャーナリズムへの思いが描かれている。そもそも斎藤氏が政治的問題を直視したのも“商品”との関係からだ。それが創刊から4年目の1986年、当時世界最大の原発事故チェルノブイリ事故が起こったことだった。
斎藤氏は、この事故に大きなショックを受けた。それは自身が電化製品を販売し、今後も売り続けなければならない人間だったからだ。〈初めて私達の目の前に現れたチェルノブイリの小さな被爆者達は、現代の私達が享受している電気万能生活の行きつく果ての姿をその肉体で証明してくれていた。(略)ショックを受けた。悪いのは原発ではなくて、電気製品を売りまくる事によって原発を造らせてしまった私だった。批判されるべきは私であり、従ってチェルノブイリの子供達に責任をとらなくてはいけないのだった〉その後、斎藤氏は「チェルノブイリの母子支援金」を作り、読者にカンパを呼びかけ、集まった3692万円で医療器具等を送り、その使途明細を誌面で公表した。
そして“反原発の騎手”広瀬隆氏を誌面に登場させ、原発批判を展開していった。また商品販売を通して、様々な社会問題を訴えてもいる。 例えば沖縄の雇用問題に対しては「沖縄ビーグ敷き」を販売することで、中国に押されていたビーグ(い草)農家を蘇らせ、憲法9条に関しては戦争放棄を憲法で宣言している「コスタリカ」のコーヒー豆を販売することで「憲法9条を守りたい人は、コスタリカさんの豆でコーヒーを飲まないといけない」とブチあげる。それは〈商品に託して小売の主張を伝える〉ためだ。そして構築されたのが“商品を媒介にして小売の主張を展開する”“商品から社会を変える”という斎藤氏の“商売哲学”と“ジャーナリズム”の関係だった。〈カタログという「小売店」がジャーナリズム化していけば、消費者への問題提起はとても大きい。
商品を是々非々で批評・批判していくのが「商品ジャーナリズム」(例えば『暮しの手帖』)なら、己が是とした商品の是とした理由を解説しながら販売していく方法を「小売ジャーナリズム」と呼んでも構わないのではないか。「販売する」は「報道する」に重なるのではないか。〉〈私が小売ジャーナリズムに憧れるのは、それが小売の自己表現だからだ。各々の小売が各々の自己表現(人間表現と言ってもいい)で競い合う。各々の自己表現が消費者における商品選択の標識になってく。そうなるといいなあ、と思う。〉「小売ジャーナリズム」。それが、斎藤氏が導き出した「通販生活」の基礎理念だった。〈小売が憲法9条を考えて、何が悪い〉こうした斎藤氏の考えや姿勢が「通販生活」という雑誌の方針を決定付けている。
政治を、社会を考え、平和や差別なき社会の実現こそが“暮し”をそして“消費者”を守ることになるのだ、と。
私達リベラル国民は、そんな「通販生活」の編集方針に大いに賛同し、今後も応援していきたい。(基本文献-リテラ/管理者:一部編集)
<沖縄・高江での記者拘束問題を考える「土人」暴言も飛び出す憎悪の現場>
〔身をもって知った「書き続ける意義」〕
「報道の自由って分かるよな?」と、沖縄タイムスの男性記者は何度も聞いた。「仕事で写真を撮っているだけです」と、琉球新報の女性記者は何度も伝えた。しかし警察官達は一言も発しない。ただ両腕を掴み背中を押した。そうやって取材中の記者2人が拘束された。
8月20日、東村高江。那覇空港から約80キロ、沖縄本島北部の山中で、この日も米軍のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に対する抗議行動が続いていた。現場となったのは一本道の県道にかかる小さな橋。砂利を積んだダンプを止めようと、市民約50人が座り込んでいた。
午前10時26分、機動隊が市民のごぼう抜きを始めた。直ぐに取材していたタイムス記者が機動隊員4人に囲まれた。背中を強くこづかれ、市民と一緒に「仮留置場」に放り込まれた。「後ろから背中を強く押された。機動隊員の顔も見ていない。あっという間の出来事だった」という。仮留置場は橋の直ぐ南側に作られていた。機動隊のバス2台とガードレール、それに機動隊員の人垣が四方を塞いでいた。
2012年、沖縄県警が編み出した手法だ。事故の多い新型輸送機オスプレイの配備強行に怒った市民が普天間飛行場のゲートを封鎖した時のこと。県警は強制排除した市民が、また座り込みに戻らないように、拘束し続けておくことを決めた。権力が「悪い事をするかもしれない」と判断しただけで市民の身体の自由を奪う。戦前の治安維持法で悪名高い予防拘禁と本質的に変わらない。
だが沖縄県警は、そんな批判を意に介さず、名護市辺野古、そして高江で同じ手法を繰り返し使ってきた。タイムス記者は、その場に15分ほど閉じ込められていた。社員証を示し、取材中である事を告げても若い機動隊員達は、やはり何も答えなかった。そこへ沖縄県警の腕章を着けた私服警官が、通りがかった。「仕事にならない。出してほしい」と交渉し、ようやく解放される。だが自由だったのは、ものの1~2分にすぎなかった。10時45分頃、現場の橋に戻ろうと歩いていくと、新報の記者が同じように連行されようとしているのを見た。思わず「新報の記者ですよ」と声を上げた。すると自分も再び捕まった。
10時58分頃まで、また約15分。2回でおよそ30分に亙って行動の自由を奪われた。外ではまだ市民の強制排除が続いていた。首を伸ばして現場を見ようとするが、機動隊員の列が邪魔で見えない。そうしている間に、自分がいる仮留置場に市民が運ばれてくる。「現場で何が起きているのか分からない。空白ができてしまった。読者に完全に伝えられなかったのが悔しかった」と振り返る。新報記者も一旦、拘束されかけた後、何とか現場に戻り、機動隊員による強制排除の様子を撮っていたところだった。その場にいた機動隊幹部は「プレスの方ですよね」と確認し、特に咎めなかった。しかしその後、沖縄県警の私服警官がやってきた。「下がって。危ないですよ」。正面から向き合う形で両肩を掴んだまま無理やり下がらせた。最後は機動隊員2人が両腕を掴み、別の1人は背中を押して、約40メートル移動させた。タイムス記者や市民と同じ仮留置場に押し込んだ。新報記者は移動させられる間、ずっと「新報です。何の権限があるのですか」と問い続けた。ここでも説明はない。
拘束された約15分の間、ノートに書き殴っていた。「監禁された、不当監禁」「なぜ弾圧されるのか!おかしいよな!報(道)の自由を、表(現)の自由を犯している」「戦の足音が聞こえる-というのは間違っていない(機動隊員に理由を)聞いても答えない」「この悔しさを忘れてはいけないと思って」書いた。記者2人が解放されたのは、全てが終わった後だった。
〔腕章装着で、記者側の問題にすり替えようとする警察〕
沖縄県警は「記者だとは分からなかった」と主張した。県議会で追及された池田克史本部長は「腕章をしておらず、抗議参加者と見分けがつかない状況だった事もあり、抗議参加者との認識で移動させた。
記者だと名乗る事もなかった。狙い撃ちで行動を制限しているものではなく、また取材中の記者と認識した上で規制する事もない」と答弁した。だが、これは事実に反している。確かにタイムス記者は腕章をしていなかったが、顔写真入りの社員証を示し、何度も記者だと伝えている。新報記者は肩から提げたカメラのストラップに腕章を付けていたが、それを警官の顔の高さまで上げて示し、繰り返し「新報です」と声を上げた。池田本部長は「報道各社に腕章を識別できるよう、腕への装着を徹底する事を申し入れた」と記者側の問題にすり替えようとした。
だが公道上で腕章をするかどうか、どこに着けるかは個人の選択だ。
腕に着けなかった結果、記者だとすぐ分かってもらえず、排除されかけたとしてもそれはいい。問題は、記者と認識した後も拘束を続けた事にある。その横暴行為への説明はなかった。
〔「報道の自由の侵害」と2紙は沖縄県警に抗議声明〕
事件を受け、タイムスは石川達也編集局長が声明を出した。
「本紙記者は市民らの抗議活動を通常通りに取材し、県民の知る権利に応えようとしていたもので、こうした警察権力による妨害は、憲法で保障された報道の自由を侵害するものであり、断じて許すことはできない」新報は普久原均編集局長名で抗議の談話を発表した。「現場には県民に伝えるべき事があった。警察の妨害によって、その手段が奪われた事は大問題だ。警察官が記者を強制的に排除し、行動を制限した行為は報道の自由を侵害するもので、強く抗議する」
本土メディアでは神奈川新聞の記者が、拘束が起きた直後の現場を取材した。新報記者の「私達が取材しなかったら、高江の人々の声が伝わらない。何もなかったかのようにされてしまう」という話を連載の中で紹介した。力ずくの記者排除は「遠い国での出来事とばかり思っていた」と書いたのは北海道新聞のコラム。信濃毎日新聞の社説は「政府に対して批判的な報道を続ける地元紙に対する政府、自民党の敵意が隠れていないか」と懸念した。高知新聞の社説は「記者と分かっても解放しなかった理由、再発防止策も示さなければならない」と要求した。
東京新聞は「警察の権限を強化しようとする大きな動きがある」との識者の見方を紹介した。他に知る限り朝日新聞、毎日新聞、共同通信が事実関係を報じた。労働組合も一斉に抗議した。
新聞労連は「実力行使で報道を妨害する行為は、絶対に認めるわけにはいかない」、放送局を含む沖縄の報道機関労組でつくる沖縄県マスコミ労働組合協議会は「国家権力が都合の悪いことを隠す行為だ」と批判した。
〔高江では以前から取材規制:混成部隊で警官個人の裁量か〕
8月20日の記者拘束は、最悪のケースだった。だが、ここまで発展しないまでも、これに類する取材規制は高江で日常的に起きてきた。
一番多いのは県道封鎖だ。ダンプが砂利を運んでいる時間帯、現場手前の2キロ弱の区間を警察が毎日のように通行止めにしている。抗議の市民を近づけないためだが、通りすがりの市民も記者も同様に規制される。車を置いて徒歩なら規制区間に入れる日もあるし、それすら許されない日もある。ここでも警察は何のための規制か、いつまで続くのか等、一切説明しない。ヘリパッド建設工事が再開された初日、7月22日の現場は更に混乱していた。県道から建設予定地に続く工事用道路の出入り口前。日付が変わる前から集まっていた市民約2百人は、午前6時半頃までには約5百人の警察官によって殆ど排除されていた。残るのは出入り口を塞ぐ形で止めた2台の車と、その屋根の上に陣取った市民15人ほど。機動隊員が引きずり下ろそうとしていて、更なる混乱が予想された。その場にいた私を含む記者は、警官から繰り返し退去を求められた。一部の機動隊員は別の記者の背中を押した。
だが抵抗すると引き下がった。結局、記者は各々の持ち場に食らいついて、車の屋根の上から、道の反対側から、強制排除の様子を見届けた。肋骨を折る市民まで出た荒れた現場。警官が市民にパンチを繰り出すニュース映像を見た人もいるのではないか。
この日は全国メディアも多数集まっていて、実情が広く報道された。
夕方になっても混乱は尾を引いていた。午後4時、交代の時間になっても同僚が来てくれない。現場は山の中で商店はおろか、自動販売機すらない。食料も水も底を突いた。現場に午前0時前に集合した取材班の内、最後まで残っていた私と同僚の2人は疲労がピークに達していた。
聞くと交代要員の同僚は現場の手前で警察に止められていた。
警官は「出る事はできるが、入る事はできない」と主張しているという。この日は、道路管理者の県職員まで警官に追い返されていた。
私達が出てしまうと、タイムスの記者が現場に誰もいなくなってしまう。7月の沖縄の太陽が照りつけていた。目眩、頭痛、手の痺れ、と熱中症の症状を自覚しながら、規制が解除されるまで1時間以上、ただ待つしかなかった。この日の規制は連続11時間に及んだ。翌23日は、現場の手前で検問に出くわした。「どこに行くのですか?」「何をしに?」と尋ね、免許証を提示させて住所や名前を書き留める。抗議行動から人を遠ざけようとする嫌がらせなのは明らかだった。
車から降り、写真撮影を始める。機動隊員が「ここに車を止めないでください」と取材を妨害しにきた。「駐車禁止じゃないでしょう。何でですか?」「とにかく危ないから止めないでください」の繰り返し。
現場責任者は最後には「貴方の会社に連絡しますよ!」と激高したが「どうぞお願いします」と返すと変な顔をして黙ってしまった。
警察は沖縄を含む7都府県の混成部隊だ。沖縄県警のある警官は漏らした。「誰が誰だか、警官同士でも分からない。どこで何をしているのかも把握できない。後になって、警察がそんなことをしたのか、と驚くことも多い」。責任を持って説明できる者がいないまま、警官個人の裁量が幅を利かせる。そんな状態は今も続いている。(基本文献-沖縄タイムスプラス/管理者:一部編集)
<大手メディア世論調査が全部ウソ!大手TV・新聞が安倍政権と癒着!>
大手メディアの世論調査が全部ウソだった事が明らかになった。安倍政権によるプロパガンダ・印象操作が深刻化しており、大手メディアは、安倍政権と一緒に会食を繰り返す『寿司メディア』となっています。特に産経新聞・読売新聞・NHKが安倍政権と癒着しています。この3社は、本ブログにも内部告発がされています。(既報済み) ついては〔参考サイト:大手メディア世論調査が全部ウソ!安倍政権プロパガンダが深刻化!大手TV・新聞が安倍政権と癒着!https://matome.naver.jp/odai/2145475250773933301〕を紹介します。
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《韓国人が反韓デモでフリーハグをしてみた(한국인이 반한시위현장에서 프리허그를 해보았다):社会学者イダ ヒロユキ提供》
*下記アドレスをコピーして、通常検索エンジンに貼り付けて検索ください。システム上、クリック呼び出しができません。ごめんなさい。
https://www.youtube.com/watch?v=Ob6QediH92w&feature=youtu.be
《ブログ「リベラル広場」では次の事業も行っています。》
①職場(仕事)における労働・人権相談
(ハラスメント・メンタルヘルス等、含む)
*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。
*但しメンタルヘルスの場合、もし心療内科等に受診されている場合、または、その受診の方が望ましい場合は、当該医師の指導を優先し、カウンセリングを断る事もありますので予めご了承ください。
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*著作[「公正採用」と「能力発見!」採用選考のコツ]
【本ブログ:http://blog.zaq.ne.jp/yutan0619/article/27/】
*著作「採用面接」労働条件確認
【本ブログ: http://blog.zaq.ne.jp/sp/yutan0619/article/29/】
◎なお寄せていただく相談等は、とりあえず全てEメールで送信してください。
<送信先Eメールアドレス>yutan0571@yahoo.co.jp
●費用:交通費等、実費+α(若干-協議)
《ドキュメンタリー映画「『知事抹殺』の真実」》
真実を追うドキュメンタリー。
一人の知事が政治生命を絶たれた。
不可解な過程を、一次資料に基づき映像化。まもなく自主上映!
*詳しくは公式サイト「『知事抹殺』の真実」
【http://eisaku-movie.jp/】
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(民守 正義)
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