劣化する安倍ファシズム政権と「リベラル野党共闘」の行程(43)

劣化する安倍ファシズム政権と「リベラル野党共闘」の行程(43)





《【不戦・反戦】シリーズ》

<世界で最も残忍な反政府組織"神の抵抗軍"「ぼくはお母さんの腕を切り落とした」>

 ある日突然誘拐され、兵士として戦場に駆り出される。初めての任務として、実の家族を殺すことが強要される。

 少女兵の場合、性的な奴隷としても搾取される。その理不尽すぎる実態から、子供兵問題は多くの人々の心を揺さぶる。そして考えさせる。

 この子供兵問題について、特にウガンダ北部を題材にして、もう少し掘り下げてみたい。それは、現在でもウガンダ北部やコンゴ民主共和国東部、また南スーダンの一部で活動する世界で最も残忍な組織「神の抵抗軍」と、神の抵抗軍に誘拐されて子供兵として戦ったチャールズ君(当時16歳)の体験談だ。

〔非人道すぎる神の抵抗軍〕

 1962年にイギリスからの独立を果たした後のウガンダでは、軍事クーデターによってしばしば政権が変わった。1985年には北部のアチョリ族出身の軍人オケロが政権を奪取するが、その数か月後には、南部出身であり現ウガンダ大統領のヨウェリ・ムセベニが率いるNRA(国民抵抗軍)によって政権が奪われる。アチョリ出身の人々は北部へと逃げるが、それ以降ウガンダ政府は北部の人々を度々虐げてきた。そのような背景の下、霊的啓示を受けたと名乗り出たアチョリ族出身の女性預言者アリスによって、ムセベニ政権打倒を掲げたカルト宗教的要素を持った反政府武装組織が結成された。その後、その組織に参加したジョセフ・コニーによって誕生したのが、神の抵抗軍(Lord's Resistance Army/LRA)だ(1987年)。神の抵抗軍は、暴力や恐怖によって人々を服従させようとする組織であり、その非人道すぎる実態から、世界で最も残忍な反政府武装組織と呼べるかもしれない。人々の間に恐怖を植え付けるために、一般住民の耳や唇、鼻を切り落とすといった事例も報告されている。

 特筆すべきは、神の抵抗軍による子供への犯罪だろう。彼らは戦力を補給するために子供を誘拐して強制的に兵士へと仕立てたり、また少女兵の場合は性的奴隷として服従させたり等、国際社会から強い非難を受けている。子供は従順で洗脳されやすく、そして強制的に徴兵することが可能なため、すぐに戦力を補充することができる。

 神の抵抗軍は、子供達を「消耗品」として扱ってきたのだ。ある日突然誘拐され、兵士として戦場に駆り出される。

 初めての任務として、実の家族を殺すことが強要される。少女兵の場合、性的な奴隷としても搾取される。(photo by 認定NPO法人テラ・ルネッサンス)その理不尽すぎる実態から、子供兵問題は多くの人々の心を揺さぶる。そして考えさせる。この神の抵抗軍の誕生を考えるにあたっては、イギリスによる植民地支配時代まで遡る必要がある。

 イギリスは宗主国時代、ウガンダ南部の人々には教育の機会など数多くの特権を提供する一方で、北部のアチョリ族の人々をしばしば迫害してきた。そのため、北部の人々が抱える不満は宗主国のイギリスのみならず、南部の人々にも向けられた。ヨーロッパの国々はアフリカを植民地支配にするにあたって、このような「分断統治」をしばしば導入してきたのだ。結果として独立後に南部の人々を中心に作られた政府に対して、北部の一部は長年の不満を爆発させ、反政府組織を結成したのだ。

 誘拐され襲撃を強要された。そして僕は、お母さんの腕を切り落とした...世界最悪の組織の一つであろう神の抵抗軍。その神の抵抗軍に12歳で誘拐され、3年間子供兵としての生活を強いられたチャールズ君(当時16歳)(仮名)の話を紹介したい。僕には家族がいて、普通に暮らしていました。ある日、お母さんが隣村まで用事で出かけました。

 僕はお母さんの帰りが待ち切れず、隣村に迎えに行きました。

 その途中で、銃を持った兵士達に囲まれ、反政府軍の部隊に連れて行かれたのです。数日してからでした。大人の兵士達は、僕を村まで連れてくると、お母さんを前にしてこう命令しました。『この女を殺せ』僕のお母さんを銃の先でこづきました。怖くて怖くて仕方がありませんでした。もちろん『そんなことできない』といいました。そうすると、今度は"なた"を持たされ、『それなら、片腕を切り落とせ!そうしなければお前も、この女も殺す』僕はお母さんが大好きでした。恐ろしくて腕がふるえ、頭の中が真っ白になりました。とにかく、お母さんも僕も命だけは助けてほしいと思いました。僕は手渡された"なた"をお母さんの腕に何度も振り降ろしました。手首から下が落ちました。

 そのあと棒を渡され、兵士は「お母さんを殴れ」と命令しました。僕はお母さんを棒で殴りました。お母さんは気を失いましたが、命は助かりました。僕はそのまま兵士に部隊へ連れていかれ、3年間兵士として戦っていました。

〔今なお続くウガンダ北部と南部の深刻な格差〕

 2000年代後半以降、ウガンダ軍の掃討作戦等によって神の抵抗軍は、その活動規模を縮小させてはいるが、依然としてウガンダ北部やコンゴ民主共和国東部、また南スーダンの一部等で活動していると言われており、住民の殺害や襲撃、略奪を繰り返している。2009年12月にはコンゴ民主共和国北東部のマコンボを襲撃し、少なくとも321人を殺害、子供80名を含む250人を誘拐している。これまで神の抵抗軍によって誘拐された子供の数は6万6千人以上に上ると報告されており、また一時期では軍隊の90%以上が子供時代に誘拐された兵士によって構成されていたとの証言も存在する。20年以上続いた紛争の結果として、ウガンダ北部では200万人以上(北部ウガンダの約9割)が避難民となった。

 また北部では5人に1人の子供が5歳の誕生日を迎えられない(2008年時点)等、首都カンパラを始めとした南部が著しい経済成長を見せる一方で、現在のウガンダでは北部と南部の深刻な格差が問題となっている。

記事執筆者:原貫太:1994年、神奈川県生まれ。認定NPO法人テラ・ルネッサンスインターン生。2014年に学生NGOバングラデシュ国際協力隊を創設、第一期代表。赤十字国際委員会駐日事務所や認定NPO法人テラ・ルネッサンスでインターン生として活動。政治解説メディアPlatnewsでは国際ニュースの解説ライターを務める。



  <「菊月」トウキョウベイに今も:海面に唯一残る駆逐艦>

 入り江の海面に、茶褐色の破線が次第に濃く見えてきた。日本から約5千キロ。ガダルカナル島の北隣、フロリダ島南岸の「トウキョウベイ」と呼ばれる湾の奥に旧日本海軍の駆逐艦「菊月」があった。太平洋戦争の戦跡で、海面上に残る唯一の日本の艦艇だ。ガダルカナル攻防戦の3カ月前の1942年5月4日、近くの海で米軍機の魚雷を右舷に受けた。菊月は26年に進水した。

 戸高一成・大和ミュージアム館長は「既に新鋭艦とはいえなくなっていたが、手堅い設計の船」と語る。戦艦大和に代表される後年の艦艇は、砲や魚雷を積み過ぎる傾向が目立ってくるという。

 菊月を追うかのように1カ月後、連合艦隊はミッドウェーで主力を失い、ソロモン海で損害を広げた。同じ型の12隻は戦中にすべて沈没。この艦だけが海上で惨禍を告げ続けている。管理者は、なんとか日米共同で「戦跡保存運動」で後世に引き継げないかと思う。



<「渡航情報にハッキリ明記していたのに外務省が抹消した、南スーダン『戦闘拡大』の四文字」>

 15日の閣議で南スーダンPKOの陸自派遣部隊に『駆けつけ警護』の任務が付与された。国会で安倍(戦争)総理は、7月の首都ジュバでの270人以上が死亡した大規模戦闘について「衝突はあったが、戦闘行為ではない」と強弁した。

 外務省HPの「渡航情報」でも、南スーダンでは「戦闘」という表現は一切出てこない。しかし過去には「戦闘」と記載していた。

 南スーダンへのPKOが始まった翌2013年に、死者500人超のクーデター未遂事件が起こり、渡航情報には「国軍と反政府勢力との間で“戦闘”が発生」「国連南スーダン派遣団は“戦闘拡大”を受け」と記載されている。しかし14年の3度目の派遣延長の3日後に「国軍と反政府勢力との間で“衝突事案”が発生」と表現を変更し、“戦闘拡大”の記述は削除された。「まるで史実の捏造」であり「国民に注意喚起する『渡航情報』も、自分達の都合で平気で変える。国民の安全は二の次ということなのだ」と批判されている。

 「戦闘」を認めると、PKO参加5原則の中の「停戦合意の成立」に反するため、安倍(戦争)政権は内戦状態を認めたくない。

 しかし国会で「衝突」と言いはっても、現地は内戦状態。

 「駆けつけ警護」を付与されれば、自衛隊が殺し殺される立場におかれるのは必然的だ。「戦争法制」の実績作りのために、自衛隊員の命を玩ぶ事は許されない。(基本文献-穏健、中道派議論の部屋「青の党」/管理者:一部編集)



<駆け付け警護 :武器使用拡大に懸念>


 政府が「駆け付け警護」を実施した事で、自衛隊の海外での活動を飛躍的に拡大する「戦争関連法」の本格運用が始まった。政府は「限定的な運用」を強調しているが、武器使用が拡大するリスクを伴う任務であることは間違いない。政府は15日に公表した文書で、駆け付け警護に関して「施設部隊の能力の範囲内で行う。他国軍人を警護することは想定されない」とした。ただ新任務による武器使用は、自身や自己の管理下にある者を守るための「自己保存型」から、任務を妨害する者を排除する「任務遂行型」へと拡大する。自衛隊員がこれまで経験していない領域に入るのは間違いない。

 南スーダンでは部族対立が激化し、政府軍人が非政府組織(NGO)を襲撃する事件も起きた。派遣部隊が政府軍と対峙する懸念もあり、そうなれば憲法問題に発展する。政府は「ジュバは比較的落ち着いている」と繰り返すが、過去の戦争が、そうであったように「一度、始めた戦争は、そう簡単に止める事はできない(故 むのたけじ)」。今からでも遅くない。国民世論で「自衛隊PKO派遣反対!直ちに撤退を!」を大きく盛り上げれば「安倍(戦争)政権‐退陣!自衛隊派遣-撤退」は勝ち取れる。(文責:民守 正義)



  <「稲田防衛相は頼りない」自衛官募集ビラに滲むホンネ>

「稲田防衛大臣(女性)は少々頼りないですが」―案外これが、自衛隊員22万人の本音じゃないか。

 自衛隊秋田地方協力本部大館出張所の40代の男性隊員が、稲田大臣を揶揄する自衛官募集のビラを配布した問題。防衛省は「極めて遺憾」(武田博史報道官)等と釈明に追われているが、ある陸自関係者は半笑いでこう明かす。「地本(地方協力本部)は1人でも隊員を増やすのが至上命令で、各都道府県にある地本はどこも必死です。募集ビラの内容も地本の裁量に任されていて、若者ウケしようとノースリーブの制服を着た“萌えキャラ”のイラストを使ったりする事もある。つい行き過ぎて、本音が出ちゃっただけじゃないですか」

 問題のビラは稲田大臣を「頼りない」と揶揄しつつ「頼れるあなたはぜひチャレンジを!」と皮肉たっぷりだ。

 「内局(防衛省)にも制服(自衛隊)にも、口を出したり顔を出していた軍事オタクの石破茂元大臣に比べたら、稲田さんの方が、神輿が軽くて扱いやすいそうです。ただ稲田さんは極度の目立ちたがり屋で、自衛隊イベントにすぐ顔を出したがる。それも1日でいいのに2日連続で来たりするから、対応に追われる現場はいい迷惑らしい。バカンス風のド派手な衣装で現れ、ヒールのある靴で護衛艦内を闊歩されてもねえ。そのくせ国会で野党から追及されたら半ベソをかく。とても命を預けようという気にはなれません。幹部はともかく、不満タラタラの現場の隊員は『よく言ってくれた』だと思いますよ」(元海自幹部)(日刊ゲンダイ)



  <自衛官の母、国提訴へ「南スーダン派遣は違憲」>

 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に陸上自衛隊を派遣するのは違憲だとして、陸上自衛官の息子がいる北海道千歳市の50代女性が任務差し止めを国に求める訴訟を30日に札幌地裁に起こした。平和的生存権を侵害され精神的苦痛を受けたとして20万円の国家賠償も求める。原告は、実名でない「平和子」と名乗り、「戦争関連法」に反対する活動を続ける女性。次男が陸自東千歳駐屯地に勤務している。訴状では、PKO協力法は憲法9条に反していると指摘。「戦争関連法」に基づき、新たに「駆けつけ警護」の任務が付与されたことにも触れ、武器使用を許容しているのは違憲だと主張する。弁護団は「安保法制で南スーダン派遣の違憲性は一層、明確になった。家族の思いを裁判所に汲んで貰いたい」と話している。

 ただ「自衛官の母」とだけでは「原告適格」に欠け、「却下」の可能性も高い。(参考文献-日刊ゲンダイ/文責:民守 正義)

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【訂正とお詫び】最近、本ブログ過去文書《劣化する安倍ファシズム政権と「リベラル野党共闘」の行程(21)》の内、「NHKがパナマ文書により隠し資産がある事」を報じ、批判しましたが、その後「NHKがパナマ文書により隠し資産がある事」自体、誤報道である事が、判明しました。この誤報道の経過は、一部メディアで「NHKがパナマ文書により隠し資産がある事」が実際に報じられ、管理者は「真実報道の基本」に則り全ての断定記事については裏取り調査を行っている事から、某メディア(政党関係)にも確認の上、掲載したものですが、その裏取り自体が「不確実情報」であった事から生じたものです。

 ただ経緯の如何を問わず、全ての責任は管理者:民守にあり、上記記事の内、NHKに関わる記事は全て撤回訂正し、読者をはじめ関係者には心からお詫び申し上げます。読者の皆様にお許しの上、今後とも真実報道に心がけていく所存ですので、何卒、よろしくお願いいたします。

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(ハラスメント・メンタルヘルス等、含む)

*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。

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(民守 正義)