劣化する安倍ファシズム政権と「リベラル野党共闘」の行程(42)
劣化する安倍ファシズム政権と「リベラル野党共闘」の行程(42)
《【労働者虐待】三菱電機で残業隠し:研究職男性が精神疾患で労災認定:法的解説付き》
三菱電機の元研究職男性が、精神疾患になったのは長時間労働が原因だったとして、藤沢労働基準監督署に労災認定された。男性は11月25日に厚生労働省で記者会見し、解雇撤回と職場環境の改善を訴えた。男性は会社から「病気休業の期間が終わった」として解雇されている。
〔2014年1月以降、著しく業務量が増加〕
男性は2013年4月、研究職として入社した。配属先は、鎌倉市の情報技術総合研究所。半導体レーザーの研究開発をしていた。
労基署は、男性が2014年4月上旬頃「適応障害」を発症したと認定。
2014年1月以降、研修論文作成業務で著しく業務量が増加し、それまでの倍以上、月100時間を超える時間外労働がある等、心理的負荷が「強」だったとして、11月24日付で労災を認めた。ところが男性の場合、会社に記録された残業時間は、2015年11月16日~12月15日が37時間30分。翌月以降も37時間、59時間30分、52時間、32時間だった。
男性は、残業時間を「自己申告」するルールだったが、時間通りの申告が許されなかったのが原因だと主張。「会社による残業隠しだ」と批判している。
〔IDカード「入退室記録」と「残業記録」に大きな差〕
男性の職場はIDカードで入退室が管理されていた。
その「入退室記録」と、残業記録の数字には大きな差があった。
例えば2014年6月13日、男性は職場に午前8時17分に入室、午後11時19分に退室していた。しかし残業記録は2時間だった。何故こんなに差があるのか。組合との交渉の場で会社は、残業になっていない分は「自己啓発時間」だと説明したという。勝手にやっている事だから、労働時間にはならないという理屈だ。これは労働基準法の逐条解説で「勝手にやっているから」は認められず、具体的に「残業ストップ命令」を出さないと「黙認」は「残業を黙って認めているのだから、残業命令があるのも同様」が確立されており、現に労基署「監督指導」等は、この逐条解説により行われている。男性が所属する労働組合、よこはまシティユニオン書記次長は「もっと仕事をしろと叱責されていたのに、会社で自己啓発する時間があったはずはない」と指摘する。
〔時間通りの申告「許されなかった」〕
男性は2014年2月に、およそ月160時間の残業をした。その月は休みが2日間しかなく、その休みの日にも寮で仕事をしていた。
この時には上司が「70時間まで付けていい」と伝えてきたので、59時間と申告したという。男性は「『残業は40時間未満でつけろ』と、直属上司から言われていました」と語る。39時間、39時間、39時間だと怪しまれるので、35時間とか、36時間とか「不自然にならないようにしろ」とメールで指導された事もあった。同じ職場の先輩達に、皆ちゃんと付けているのかを尋ねたところ、「ごまかしている」との答えがあった。
「自分より仕事ができる先輩達が時間通りに付けていないのに、新人の自分は付けられない」と考えたそうだ。更に時間通り申告した先輩が、上司から「なんでだ」「ブラックもクソも関係あるか」と怒られているのを目撃したこともあったという。「ちゃんと付けたら、自分もどやされると思って、嘘を書いていました」と男性は語った。
〔「記録を義務付けなければ、規制の意味がない」〕
男性の代理人弁護士は「こんなものは『自己申告』ではない」と力を込めて話した。「皆、会社員として自分の未来を考えています。申告した瞬間にどやされるなら、そう書ける訳がない」「労働時間をきちんと把握する仕組みを、大企業の三菱電機が作れない訳がない。作らないのですよ」「こういう事は、呆れるぐらい、そこら中で行われている。労働時間の上限規制をしたって、インターバル制度を作ったって、肝心の記録がなければ、意味がありません」更に「俺が死ねと言ったら死ぬのか」男性は上司からパワハラも受けていたという。男性は会議室に呼び出されて、何時間も叱責されていた。「お前の研究者生命を終わらせるのは、簡単なのだぞ」と言われた事もあった。上司の指示に従って失敗した際には「言われた事しかできないのか。じゃあ、お前は俺が死ねと言ったら死ぬのか」等と詰め寄られた事もあったという。
書類を「これじゃダメだ」と突き返され「お前、いつになったら書けるのだ」と言われながら、夜中の3時まで作らされた。そして「こんなのは中学生でも書ける」とか「そんなので、よく博士取れたな」と罵倒された。男性は国立大大学院の博士号を持っている。14年4月に教育担当者がいなくなると、上司のパワハラは悪化した。男性は4月、病院で鬱病と診断され、薬を飲みながら仕事をしていた。しかし6月にドクターストップがかかり、休職する事になったという。
〔「解雇を撤回してほしい」〕
会社は当時「休業期限は2017年6月まで」と文書で説明していた。
しかし今年の2月になって「間違いだった」「今年5月15日までに復帰しないと解雇だ」と連絡してきた。実家で療養中の男性は2016年4月、会社に休職期間の延長を申し立て、労基署に労働災害請求をした。
今回、労災認定された事を受けて、男性は「労災で休んでいる最中に、解雇するのは違法だ」として、解雇の撤回を求めた。
ここで、労働法基礎知識で知っておいて欲しいのは①本来、労災申請は「労働者自ら行うもの」で使用者が行う事が多いが、それは便宜上の事に過ぎない。なお「労災時の状況」等の「事業主証明」欄に事業主が協力せず、空欄であっても労基署は、同労災申請は受理され、労基署労災認定官が「事業主調査」する等して労災事実を確認する。即ち「労災申請は労働者自ら。認定は労基署」をしっかり頭に入れて欲しい。②なお労災休業期間中の解雇は労基法第19条【業務上の負傷・疾病により療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後休業中の期間及びその後30日間は、解雇してはならない。】と定められている。
〔「逃げたいと思っていた」〕
男性は会見で、鬱病と診断された頃の事を次のように振り返った。
「不眠で、寝ている最中に目が覚めました。勤務後、何もする気になれませんでした。人間関係に対する不安を強く感じ、早く死んで楽になりたい、逃げてしまいたいと思っていました」男性は、電通の新入社員だった高橋まつりさんが過労自殺をした事件にも言及し、次のように語った。「彼女と自分は紙一重だと思います。パワハラにあったり、もの凄い量の残業を強いられた時、どこに相談をしていいか分かりませんでした」「私は、際限なく働くことを強いられました。これは三菱電機だけではなく、日本社会に蔓延する問題です。同じような過重労働の被害者や、その家族には『諦めず、迷わず、相談しよう』と伝えたいです」「過労で病気の人に諦めるなというのは、残酷かもしれません。私も病気になった当初は、先行きがない、二度と働くことができないのではないかと思いました。長く険しい道のりで、何度も、もう無理かなと思いました。でも大勢のご支援のおかげで、ここまで来ることができました」ここでも労働法基礎知識として知って欲しいのは、「実現不可能な業務命令・過重労働は『業務命令権の濫用に当たる』」として、業務命令違反に問われる事は無いどころか、「その業務命令濫用により被った精神的・肉体的損害賠償請求も可能」という事である。
但し「損害賠償請求」は訴訟により決する。
「医者やカウンセラー、弁護士、立ち向かう労働組合等、心ある人達が少なからずいます。自分を責めないで、どこかおかしいのじゃないかなと思って、諦めないで納得するまで行動を起こしてほしい。私も諦めなかったことが、労災認定につながったのではないかと思います」男性代理人弁護士は「労働時間をきちんと記録しないのは『犯罪的』です。
しかし今の日本ではまだ犯罪ではない。日本社会の問題として、法律を作って取り締まらないといけない」と話していた。三菱電機広報部は「労基署の判断を確認の上、対応を検討いたします」とコメントした。(参考文献-BuzzFeed News文責:民守 正義)
<高橋まつりさん母「社員の命を犠牲にして優良企業と言えるのか」過労死シンポ発言全文>
*管理者は「電通-過労自死」した高橋まつりさんの実名を、管理者自身の人権ポリシー「人の人権は、この世に生きる、または生きた尊厳にある」との認識の下、これまで「Tさん」と匿名で報じてきたが、高橋さんのお母様が自ら積極的に娘さんの自死に至る「精神的・肉体的過重労働」の実態を、実名を出して訴えている事を受けて本稿から実名掲載する。
**********************
過労死等防止対策シンポジウム(厚生労働省主催)が11月9日、東京都内で開かれ、長時間労働の末に過労自殺した電通若手社員、高橋まつりさんの母、幸美さんが登壇。まつりさんが亡くなるまでの2人のやりとりや、現在の心境を打ち明けた。幸美さんによると、まつりさんは2015年10月「今週10時間しか寝ていない、会社辞めたい」「休職するか退職するか自分で決めるのでお母さんも口出ししないでね」と話していたという。また11月には、電通事件と呼ばれる1991年の電通若手社員の過労自殺の記事に触れ「こうなりそう」と語っていた。自殺する直前の12月「大好きで大切な母さん、さようならありがとう、人生も仕事も全ても辛いです。お母さん自分を責めないでね。最高のお母さんだから」とメールが送られてきた事を打ち明け声をつまらせた。幸美さんは「自分の命よりも大切な愛する娘を、突然亡くしてしまった悲しみと絶望は、失った者にしかわかりません。だから同じ事が繰り返されるのです」と語った上で、過労死や過労自殺の防止に向けた今後の対策について「残業時間の削減を発令するだけでなく、根本からパワハラを許さない企業風土と業務の改善をしてもらいたい」と強調した。
幸美さんが語った内容の全文は以下の通り。
●「死んじゃだめ」と何度も言った
こんにちは。私の最愛の娘は、高橋まつりといいます。
娘は昨年12月25日、会社の借り上げ社宅から投身し、自らの命を絶ちました。3月に大学を卒業し、4月に新社会人として希望を胸に入社してから、僅か9カ月後の事でした。娘は高校卒業後、現役で大学に入学しました。大学3年生の時には、文部科学省の試験に合格し、1年間、北京の大学に国費留学しました。帰国後も学問に励み、持ち前のコミュニケーション能力を活かし、就職活動に臨みました。そして早い時期に内定を貰い、大手広告代理店に就職しました。娘は「日本のトップの企業で、国を動かすような、様々なコンテンツの作成に関わっていきたい。
自分の能力を発揮して、社会に貢献したい」と夢を語っていました。
入社してからも、新人研修でも積極的にリーダーシップをとり、班をまとめた様子を話してくれました。「私の班が優勝したのだよ」と研修終了後に、嬉しそうに話してくれました。憧れのクリエイターさんに、書いた案を何度も褒められた事を励みに「頑張るよ」と希望に満ちていました。5月になり、インターネット広告の部署に配属されました。
「夜中や休日も、仕事のメールが来るから対応しなければいけない」と言っていました。締め切りの前日は、終電近くまで頑張っていましたが、9月頃から度々、深夜まで残って仕事をするようになりました。
週明けに上がってきたデータを分析し、報告書を作成し、毎週クライアントに提出する仕事に加え、自宅に持ち帰って論文を徹夜で仕上げたり、企画書を作成したりしていました。10月に本採用になると、土日出勤、朝5時帰宅という日もあり「こんなに辛いと思わなかった」「今週10時間しか寝ていない」「会社辞めたい」「休職するか退職するか自分で決めるのでお母さんも口出ししないでね」と言っていました。
11月になり、25年前の過労自殺の記事を持ってきて「こうなりそう」と言いました。私は「死んじゃだめ」と何度も言いました。
その頃、先輩に送ったメールに「死ぬのにちょうどよい歩道橋を探している自分に気がつきます」とありました。SNSにはパワハラやセクハラに、個人の尊厳を傷つけられている様子が度々、書かれていました。
私には「上司に異動できるか交渉してみる。できなかったら辞めるね」と言っていましたが「仕事を減らすのでもう少し頑張れ」という事になったようです。しかし12月には、娘をはじめ、部署全員に36協定の特別条項がだされ、深夜労働が続きました。その上、忘年会の準備に土日や深夜までかかりきりになりました。
●「娘が描いた夢も、弾けるような笑顔も、永久に奪われた」
「年末には実家に帰るからね、お母さん、一緒にすごそうね」と言っていたのに「大好きで、大切な母さん、さようなら、ありがとう、人生も仕事も全て辛いです。お母さん自分を責めないでね。最高のお母さんだから」とメールを残して亡くなりました。社員の命を犠牲にして業績を伸ばして、日本の発展をリードする優良企業と言えるでしょうか。有名な社訓には「取り組んだら離すな、殺されても離すな、目的を達成するまでは」とあります。命より大切な仕事はありません。娘の死はパフォーマンスではありません。
フィクションではありません。現実に起こったことなのです。
娘が描いていた沢山の夢も、娘の弾けるような笑顔も、永久に奪われてしまいました。結婚して子供が生まれ、続くはずだった未来は失われてしまいました。私が今、どんなに訴えかけようとしても、大切な娘は二度と生きて戻ってくることはありません。手遅れなのです。
自分の命よりも大切な愛する娘を突然、亡くしてしまった悲しみと絶望は、失った者にしかわかりません。だから、同じことが繰り返されるのです。今、この瞬間にも、同じことが起きているかもしれません。
娘のように、苦しんでいる人がいるかもしれません。
過労死、過労自殺は、偶然起きるのではありません。いつ起きてもおかしくない状況です。起こるべくして起きているのです。
経営者は、社員の命を預かっているのです。大切な人の命を預かっているという責任をもって、本気で改革に取り組んでもらいたいです。
伝統ある企業の方針は、一朝一夕に変えられるものではありません。
しかし残業時間の削減を発令するだけでなく、根本からパワハラを許さない企業風土と業務の改善をしてもらいたいと思います。
残業隠しが再び起こらないように、ワークシェアや36協定の改革、インターバル制度の導入がなされることを望みます。
そして政府には、国民の命を犠牲にした経済成長第一主義ではなく、国民の大切な命を守る日本に変えてくれることを強く望みます。
ご清聴ありがとうございました。(弁護士ドットコムニュース)
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《韓国人が反韓デモでフリーハグをしてみた(한국인이 반한시위현장에서 프리허그를 해보았다):社会学者イダ ヒロユキ提供》
*下記アドレスをコピーして、通常検索エンジンに貼り付けて検索ください。システム上、クリック呼び出しができません。ごめんなさい。
https://www.youtube.com/watch?v=Ob6QediH92w&feature=youtu.be
《ブログ「リベラル広場」では次の事業も行っています。》
①職場(仕事)における労働・人権相談
(ハラスメント・メンタルヘルス等、含む)
*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。
*但しメンタルヘルスの場合、もし心療内科等に受診されている場合、または、その受診の方が望ましい場合は、当該医師の指導を優先し、カウンセリングを断る事もありますので予めご了承ください。
②採用コンサルタント。
*著作[「公正採用」と「能力発見!」採用選考のコツ]
【本ブログ:http://blog.zaq.ne.jp/yutan0619/article/27/】
*著作「採用面接」労働条件確認
【本ブログ: http://blog.zaq.ne.jp/sp/yutan0619/article/29/】
◎なお寄せていただく相談等は、とりあえず全てEメールで送信してください。
<送信先Eメールアドレス>yutan0571@yahoo.co.jp
●費用:交通費等、実費+α(若干-協議)
《南京の記憶を今につなぐ:映画&トーク》
◎日時:12月3日(土)午後1時10分開館/午後1時30分開始
◎場所:エルおおさか南館5Fホール
◎参加協力券:1000円
◎主催:南京の記憶を今につなぐ集会(映画とトーク)実行委員会
◎連絡先:090-8125-1757(銘心会南京-松岡)
真実を追うドキュメンタリー。一人の知事が政治生命を絶たれた。
不可解な過程を、一次資料に基づき映像化。まもなく自主上映!
*詳しくは公式サイト「『知事抹殺』の真実」
【http://eisaku-movie.jp/】
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《【労働者虐待】三菱電機で残業隠し:研究職男性が精神疾患で労災認定:法的解説付き》
三菱電機の元研究職男性が、精神疾患になったのは長時間労働が原因だったとして、藤沢労働基準監督署に労災認定された。男性は11月25日に厚生労働省で記者会見し、解雇撤回と職場環境の改善を訴えた。男性は会社から「病気休業の期間が終わった」として解雇されている。
〔2014年1月以降、著しく業務量が増加〕
男性は2013年4月、研究職として入社した。配属先は、鎌倉市の情報技術総合研究所。半導体レーザーの研究開発をしていた。
労基署は、男性が2014年4月上旬頃「適応障害」を発症したと認定。
2014年1月以降、研修論文作成業務で著しく業務量が増加し、それまでの倍以上、月100時間を超える時間外労働がある等、心理的負荷が「強」だったとして、11月24日付で労災を認めた。ところが男性の場合、会社に記録された残業時間は、2015年11月16日~12月15日が37時間30分。翌月以降も37時間、59時間30分、52時間、32時間だった。
男性は、残業時間を「自己申告」するルールだったが、時間通りの申告が許されなかったのが原因だと主張。「会社による残業隠しだ」と批判している。
〔IDカード「入退室記録」と「残業記録」に大きな差〕
男性の職場はIDカードで入退室が管理されていた。
その「入退室記録」と、残業記録の数字には大きな差があった。
例えば2014年6月13日、男性は職場に午前8時17分に入室、午後11時19分に退室していた。しかし残業記録は2時間だった。何故こんなに差があるのか。組合との交渉の場で会社は、残業になっていない分は「自己啓発時間」だと説明したという。勝手にやっている事だから、労働時間にはならないという理屈だ。これは労働基準法の逐条解説で「勝手にやっているから」は認められず、具体的に「残業ストップ命令」を出さないと「黙認」は「残業を黙って認めているのだから、残業命令があるのも同様」が確立されており、現に労基署「監督指導」等は、この逐条解説により行われている。男性が所属する労働組合、よこはまシティユニオン書記次長は「もっと仕事をしろと叱責されていたのに、会社で自己啓発する時間があったはずはない」と指摘する。
〔時間通りの申告「許されなかった」〕
男性は2014年2月に、およそ月160時間の残業をした。その月は休みが2日間しかなく、その休みの日にも寮で仕事をしていた。
この時には上司が「70時間まで付けていい」と伝えてきたので、59時間と申告したという。男性は「『残業は40時間未満でつけろ』と、直属上司から言われていました」と語る。39時間、39時間、39時間だと怪しまれるので、35時間とか、36時間とか「不自然にならないようにしろ」とメールで指導された事もあった。同じ職場の先輩達に、皆ちゃんと付けているのかを尋ねたところ、「ごまかしている」との答えがあった。
「自分より仕事ができる先輩達が時間通りに付けていないのに、新人の自分は付けられない」と考えたそうだ。更に時間通り申告した先輩が、上司から「なんでだ」「ブラックもクソも関係あるか」と怒られているのを目撃したこともあったという。「ちゃんと付けたら、自分もどやされると思って、嘘を書いていました」と男性は語った。
〔「記録を義務付けなければ、規制の意味がない」〕
男性の代理人弁護士は「こんなものは『自己申告』ではない」と力を込めて話した。「皆、会社員として自分の未来を考えています。申告した瞬間にどやされるなら、そう書ける訳がない」「労働時間をきちんと把握する仕組みを、大企業の三菱電機が作れない訳がない。作らないのですよ」「こういう事は、呆れるぐらい、そこら中で行われている。労働時間の上限規制をしたって、インターバル制度を作ったって、肝心の記録がなければ、意味がありません」更に「俺が死ねと言ったら死ぬのか」男性は上司からパワハラも受けていたという。男性は会議室に呼び出されて、何時間も叱責されていた。「お前の研究者生命を終わらせるのは、簡単なのだぞ」と言われた事もあった。上司の指示に従って失敗した際には「言われた事しかできないのか。じゃあ、お前は俺が死ねと言ったら死ぬのか」等と詰め寄られた事もあったという。
書類を「これじゃダメだ」と突き返され「お前、いつになったら書けるのだ」と言われながら、夜中の3時まで作らされた。そして「こんなのは中学生でも書ける」とか「そんなので、よく博士取れたな」と罵倒された。男性は国立大大学院の博士号を持っている。14年4月に教育担当者がいなくなると、上司のパワハラは悪化した。男性は4月、病院で鬱病と診断され、薬を飲みながら仕事をしていた。しかし6月にドクターストップがかかり、休職する事になったという。
〔「解雇を撤回してほしい」〕
会社は当時「休業期限は2017年6月まで」と文書で説明していた。
しかし今年の2月になって「間違いだった」「今年5月15日までに復帰しないと解雇だ」と連絡してきた。実家で療養中の男性は2016年4月、会社に休職期間の延長を申し立て、労基署に労働災害請求をした。
今回、労災認定された事を受けて、男性は「労災で休んでいる最中に、解雇するのは違法だ」として、解雇の撤回を求めた。
ここで、労働法基礎知識で知っておいて欲しいのは①本来、労災申請は「労働者自ら行うもの」で使用者が行う事が多いが、それは便宜上の事に過ぎない。なお「労災時の状況」等の「事業主証明」欄に事業主が協力せず、空欄であっても労基署は、同労災申請は受理され、労基署労災認定官が「事業主調査」する等して労災事実を確認する。即ち「労災申請は労働者自ら。認定は労基署」をしっかり頭に入れて欲しい。②なお労災休業期間中の解雇は労基法第19条【業務上の負傷・疾病により療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後休業中の期間及びその後30日間は、解雇してはならない。】と定められている。
〔「逃げたいと思っていた」〕
男性は会見で、鬱病と診断された頃の事を次のように振り返った。
「不眠で、寝ている最中に目が覚めました。勤務後、何もする気になれませんでした。人間関係に対する不安を強く感じ、早く死んで楽になりたい、逃げてしまいたいと思っていました」男性は、電通の新入社員だった高橋まつりさんが過労自殺をした事件にも言及し、次のように語った。「彼女と自分は紙一重だと思います。パワハラにあったり、もの凄い量の残業を強いられた時、どこに相談をしていいか分かりませんでした」「私は、際限なく働くことを強いられました。これは三菱電機だけではなく、日本社会に蔓延する問題です。同じような過重労働の被害者や、その家族には『諦めず、迷わず、相談しよう』と伝えたいです」「過労で病気の人に諦めるなというのは、残酷かもしれません。私も病気になった当初は、先行きがない、二度と働くことができないのではないかと思いました。長く険しい道のりで、何度も、もう無理かなと思いました。でも大勢のご支援のおかげで、ここまで来ることができました」ここでも労働法基礎知識として知って欲しいのは、「実現不可能な業務命令・過重労働は『業務命令権の濫用に当たる』」として、業務命令違反に問われる事は無いどころか、「その業務命令濫用により被った精神的・肉体的損害賠償請求も可能」という事である。
但し「損害賠償請求」は訴訟により決する。
「医者やカウンセラー、弁護士、立ち向かう労働組合等、心ある人達が少なからずいます。自分を責めないで、どこかおかしいのじゃないかなと思って、諦めないで納得するまで行動を起こしてほしい。私も諦めなかったことが、労災認定につながったのではないかと思います」男性代理人弁護士は「労働時間をきちんと記録しないのは『犯罪的』です。
しかし今の日本ではまだ犯罪ではない。日本社会の問題として、法律を作って取り締まらないといけない」と話していた。三菱電機広報部は「労基署の判断を確認の上、対応を検討いたします」とコメントした。(参考文献-BuzzFeed News文責:民守 正義)
<高橋まつりさん母「社員の命を犠牲にして優良企業と言えるのか」過労死シンポ発言全文>
*管理者は「電通-過労自死」した高橋まつりさんの実名を、管理者自身の人権ポリシー「人の人権は、この世に生きる、または生きた尊厳にある」との認識の下、これまで「Tさん」と匿名で報じてきたが、高橋さんのお母様が自ら積極的に娘さんの自死に至る「精神的・肉体的過重労働」の実態を、実名を出して訴えている事を受けて本稿から実名掲載する。
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過労死等防止対策シンポジウム(厚生労働省主催)が11月9日、東京都内で開かれ、長時間労働の末に過労自殺した電通若手社員、高橋まつりさんの母、幸美さんが登壇。まつりさんが亡くなるまでの2人のやりとりや、現在の心境を打ち明けた。幸美さんによると、まつりさんは2015年10月「今週10時間しか寝ていない、会社辞めたい」「休職するか退職するか自分で決めるのでお母さんも口出ししないでね」と話していたという。また11月には、電通事件と呼ばれる1991年の電通若手社員の過労自殺の記事に触れ「こうなりそう」と語っていた。自殺する直前の12月「大好きで大切な母さん、さようならありがとう、人生も仕事も全ても辛いです。お母さん自分を責めないでね。最高のお母さんだから」とメールが送られてきた事を打ち明け声をつまらせた。幸美さんは「自分の命よりも大切な愛する娘を、突然亡くしてしまった悲しみと絶望は、失った者にしかわかりません。だから同じ事が繰り返されるのです」と語った上で、過労死や過労自殺の防止に向けた今後の対策について「残業時間の削減を発令するだけでなく、根本からパワハラを許さない企業風土と業務の改善をしてもらいたい」と強調した。
幸美さんが語った内容の全文は以下の通り。
●「死んじゃだめ」と何度も言った
こんにちは。私の最愛の娘は、高橋まつりといいます。
娘は昨年12月25日、会社の借り上げ社宅から投身し、自らの命を絶ちました。3月に大学を卒業し、4月に新社会人として希望を胸に入社してから、僅か9カ月後の事でした。娘は高校卒業後、現役で大学に入学しました。大学3年生の時には、文部科学省の試験に合格し、1年間、北京の大学に国費留学しました。帰国後も学問に励み、持ち前のコミュニケーション能力を活かし、就職活動に臨みました。そして早い時期に内定を貰い、大手広告代理店に就職しました。娘は「日本のトップの企業で、国を動かすような、様々なコンテンツの作成に関わっていきたい。
自分の能力を発揮して、社会に貢献したい」と夢を語っていました。
入社してからも、新人研修でも積極的にリーダーシップをとり、班をまとめた様子を話してくれました。「私の班が優勝したのだよ」と研修終了後に、嬉しそうに話してくれました。憧れのクリエイターさんに、書いた案を何度も褒められた事を励みに「頑張るよ」と希望に満ちていました。5月になり、インターネット広告の部署に配属されました。
「夜中や休日も、仕事のメールが来るから対応しなければいけない」と言っていました。締め切りの前日は、終電近くまで頑張っていましたが、9月頃から度々、深夜まで残って仕事をするようになりました。
週明けに上がってきたデータを分析し、報告書を作成し、毎週クライアントに提出する仕事に加え、自宅に持ち帰って論文を徹夜で仕上げたり、企画書を作成したりしていました。10月に本採用になると、土日出勤、朝5時帰宅という日もあり「こんなに辛いと思わなかった」「今週10時間しか寝ていない」「会社辞めたい」「休職するか退職するか自分で決めるのでお母さんも口出ししないでね」と言っていました。
11月になり、25年前の過労自殺の記事を持ってきて「こうなりそう」と言いました。私は「死んじゃだめ」と何度も言いました。
その頃、先輩に送ったメールに「死ぬのにちょうどよい歩道橋を探している自分に気がつきます」とありました。SNSにはパワハラやセクハラに、個人の尊厳を傷つけられている様子が度々、書かれていました。
私には「上司に異動できるか交渉してみる。できなかったら辞めるね」と言っていましたが「仕事を減らすのでもう少し頑張れ」という事になったようです。しかし12月には、娘をはじめ、部署全員に36協定の特別条項がだされ、深夜労働が続きました。その上、忘年会の準備に土日や深夜までかかりきりになりました。
●「娘が描いた夢も、弾けるような笑顔も、永久に奪われた」
「年末には実家に帰るからね、お母さん、一緒にすごそうね」と言っていたのに「大好きで、大切な母さん、さようなら、ありがとう、人生も仕事も全て辛いです。お母さん自分を責めないでね。最高のお母さんだから」とメールを残して亡くなりました。社員の命を犠牲にして業績を伸ばして、日本の発展をリードする優良企業と言えるでしょうか。有名な社訓には「取り組んだら離すな、殺されても離すな、目的を達成するまでは」とあります。命より大切な仕事はありません。娘の死はパフォーマンスではありません。
フィクションではありません。現実に起こったことなのです。
娘が描いていた沢山の夢も、娘の弾けるような笑顔も、永久に奪われてしまいました。結婚して子供が生まれ、続くはずだった未来は失われてしまいました。私が今、どんなに訴えかけようとしても、大切な娘は二度と生きて戻ってくることはありません。手遅れなのです。
自分の命よりも大切な愛する娘を突然、亡くしてしまった悲しみと絶望は、失った者にしかわかりません。だから、同じことが繰り返されるのです。今、この瞬間にも、同じことが起きているかもしれません。
娘のように、苦しんでいる人がいるかもしれません。
過労死、過労自殺は、偶然起きるのではありません。いつ起きてもおかしくない状況です。起こるべくして起きているのです。
経営者は、社員の命を預かっているのです。大切な人の命を預かっているという責任をもって、本気で改革に取り組んでもらいたいです。
伝統ある企業の方針は、一朝一夕に変えられるものではありません。
しかし残業時間の削減を発令するだけでなく、根本からパワハラを許さない企業風土と業務の改善をしてもらいたいと思います。
残業隠しが再び起こらないように、ワークシェアや36協定の改革、インターバル制度の導入がなされることを望みます。
そして政府には、国民の命を犠牲にした経済成長第一主義ではなく、国民の大切な命を守る日本に変えてくれることを強く望みます。
ご清聴ありがとうございました。(弁護士ドットコムニュース)
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《韓国人が反韓デモでフリーハグをしてみた(한국인이 반한시위현장에서 프리허그를 해보았다):社会学者イダ ヒロユキ提供》
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《ブログ「リベラル広場」では次の事業も行っています。》
①職場(仕事)における労働・人権相談
(ハラスメント・メンタルヘルス等、含む)
*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。
*但しメンタルヘルスの場合、もし心療内科等に受診されている場合、または、その受診の方が望ましい場合は、当該医師の指導を優先し、カウンセリングを断る事もありますので予めご了承ください。
②採用コンサルタント。
*著作[「公正採用」と「能力発見!」採用選考のコツ]
【本ブログ:http://blog.zaq.ne.jp/yutan0619/article/27/】
*著作「採用面接」労働条件確認
【本ブログ: http://blog.zaq.ne.jp/sp/yutan0619/article/29/】
◎なお寄せていただく相談等は、とりあえず全てEメールで送信してください。
<送信先Eメールアドレス>yutan0571@yahoo.co.jp
●費用:交通費等、実費+α(若干-協議)
《南京の記憶を今につなぐ:映画&トーク》
◎日時:12月3日(土)午後1時10分開館/午後1時30分開始
◎場所:エルおおさか南館5Fホール
◎参加協力券:1000円
◎主催:南京の記憶を今につなぐ集会(映画とトーク)実行委員会
◎連絡先:090-8125-1757(銘心会南京-松岡)
《ドキュメンタリー映画「『知事抹殺』の真実」》
真実を追うドキュメンタリー。一人の知事が政治生命を絶たれた。
不可解な過程を、一次資料に基づき映像化。まもなく自主上映!
*詳しくは公式サイト「『知事抹殺』の真実」
【http://eisaku-movie.jp/】
【お願い】
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(民守 正義)
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