劣化する安倍ファシズム政権と「リベラル野党共闘」の行程(39)

劣化する安倍ファシズム政権と「リベラル野党共闘」の行程(39)





《【反戦・不戦】シリーズ》

<南スーダン資料を一転公開:黒塗りは現地報道の情報>

 防衛省が今年6月、表題以外を全て黒塗りにして開示した陸上自衛隊の南スーダン国連平和維持活動(PKO)に関する作成資料を今月公開し、内容が現地報道を基に反政府勢力の「支配地域」を示した地図だったことが分かった。

 現地で公になっている情報まで黒塗りにする姿勢に、野党は「こんなものまで隠すのか」と批判している。黒塗り資料は6月、フリージャーナリストの情報公開請求に対して開示。共産党が今月、同じ資料を要求し、勢力図の地図が公開された。南スーダンPKO10次隊が今年5月に出発する直前、隊員の家族向けに開かれた説明会で使われた資料の一部。

「反政府派支配地域」や「戦闘発生箇所」等が記載されている。

 共産党の井上哲士参院議員は資料提出を受け、最近の国会審議で取り上げ「なぜ(6月は)隠したのか」と質問。稲田朋美防衛相は「当時は南スーダン暫定政府が発足したばかりで、内容を公にすれば同国に不利益を与え、我が国との信頼関係が損なわれる恐れがあった」と指摘した。公開に切り替えた理由は、7月に首都ジュバで大統領派と反政府勢力との銃撃戦が発生し、270人以上が死亡したため「情勢を可能な限り国民に説明すべきだと判断した」と述べた。一方、これまで稲田防衛相は国会答弁で、南スーダンでは「反政府勢力が支配を確立した領域はない。武力紛争の当事者が現れたとは認識していない」と説明。戦闘の発生を否定し、衝突が起きているとの考えを示してきた。だが資料には「反政府派支配地域」や「戦闘発生箇所」の表現がある。防衛省として双方とも認定していると受け取れ、自身の答弁と矛盾するが、稲田防衛相は「現地報道の表現を引用した。不正確な記述だった」と述べ、資料が間違っていたとの見解を示した。

 防衛省は共産党に8月にまとめた資料も公開した。「反政府派支配地域」は「反政府派の活動が活発な地域」に、「戦闘発生箇所」を「衝突発生箇所」との表現に一々、修正していた。(東京新聞)



 <『この世界の片隅に』に「反戦じゃないからいい」の評価!?>

 現在公開中のアニメーション映画『この世界の片隅に』が大ヒットを記録している。上映館は68館と小規模であるのにも関らず、前週末も観客動員数では10位にランクイン。主演の能年玲奈あらためのんの独立騒動問題が影響しテレビでの宣伝が極端に少ない中、逆に口コミで評判を呼んでいるようだ。それを象徴するかのように、ネット上では同作を絶賛するコメントが多々まとめられているが、そんな中で特に目につくのは、「反戦・平和のようなメッセージ性がないところがいい」という評価だ。〈この世界の片隅に 面白かったわ。はだしのゲンや火垂るの墓のような偏狭な左傾反戦平和映画じゃない。〉〈『この世界の片隅に』は、教科書のお説教みたいな反戦イデオロギー臭さから距離を取る事にかんっぺきに成功している。〉〈日本が悪い!という思想やメッセージのおしつけがない〉〈過去の反戦に囚われた作品では伝わらなかったことも、この作品からは伝わってくる〉〈朝日新聞的な左巻き教科書のお説教みたいな反戦イデオロギー臭さが無いとの評価が多数〉確かに『この世界の片隅に』は、戦中であっても生活を少しでも豊かにしようと奮闘する主人公すずの姿が活き活きと描かれ、家族との団欒は笑いに溢れている。そして戦渦に巻き込まれ、戦争によって大切なものを奪われても、すずは反戦や平和を声高に叫んだりはしない。そういう意味では、中沢啓治の『はだしのゲン』とは大きく異なるだろう。だが、この作品を「反戦・平和のようなメッセージ性がないところがいい」と評価するのは、とんだ勘違いだ。

 風景画を描いているだけで憲兵からスパイ扱いを受けたり、道端の雑草をおかずにするほどの貧しい暮らしを強いられる様子は、笑いのオチがあるから救いがあるだけで、戦争の肯定に等には決してならない。

 更には身近な命が危険に晒され、昼夜を問わない空襲によって心身共に疲れ果てていく様、そして原爆投下後の広島の風景からもたらされるものは、その時代を生き延びた人々の苦労を偲ぶ気持ちと「戦争はまっぴらだ」というシンプルな感想のはずだ。現に有名な「アンネの日記」は惨たらしい戦闘シーン等、全くないが、見事に「戦争の悲惨さ」を描いており、そうした「明確な反戦セリフやシーンがないからいい」は、ハッキリ言って映画解釈力のない低能力のレベルを自ら明らかにしているに過ぎない。しかも閉口してしまうのは「反戦・平和じゃないところがいい」という意見どころではない、もっととんでもない解釈まで飛び出していることだ。それは、玉音放送を聴いて家の外に飛び出したすずが見下ろす町の風景の中に一瞬、大韓民国の国旗、すなわち太極旗が掲げられるワンシーンについてだ。〈太極旗が出てきている一コマで朝鮮進駐軍の暴挙を表しているし、単純な反戦平和主義漫画ではない〉〈玉音直後に太極旗が上がっていたのはそういう愚連隊の乱暴行為が始まる合図かなと思った〉「朝鮮進駐軍って何?」という人もいるかと思うが、これは在特会や『マンガ 嫌韓流』の山野車輪等のネット右翼が広めた完全なデマであり、彼らは当時の在日コリアン達が終戦後に朝鮮進駐軍なる組織をつくり、強姦や殺人等の犯罪を、次々に犯したと主張しているが、根拠等、全くないシロモノだ。

 そうした情報を鵜呑みにしている人達が、今回、作中で掲げられる太極旗を暴力の始まりだと勝手に解釈し、それを「単なる反戦平和じゃない理由」に挙げているのである。もちろん、原作者のこうの史代氏にしても映画の片渕須直監督にしても、徹底的に時代考証を行って作品化しており「朝鮮進駐軍」なるトンデモ陰謀論を採用している訳がない。

 むしろ物語の舞台が軍港だった呉であり、そこでは大勢の朝鮮人達が働かされていた史実を踏まえれば、作中の太極旗に込められているのは、この町で日本人と同じく在日コリアン達が戦火に巻き込まれながら暮らしていたという事実であり、戦争によって大切なものを奪われた存在=戦争被害者としての主人公が、その実、大切なものを奪う側の存在でもあった事を知る場面だったのではないか。現に原作では、この場面で主人公すずは「暴力で従えとったいう事か」「じゃけえ暴力に屈するいう事かね」「それがこの国の正体かね」と述べている。

 この台詞が映画ではカットされているため太極旗の意味が伝わりにくくなっているが、ここで描かれているのは“戦争という行為に一方的な正義など成立しない”という事だろう。

 実は原作のこうの氏は『夕凪の街 桜の国』が高い評価を受けた際に、一部で“日本人の不幸しか描かれていない”という批判を受けていた。

 作品では原爆スラムに暮らす女性が原爆症を発症し死に至るが、例えば広島大学の川口隆行准教授は、その地域に確かに存在した在日コリアンが作中では消されている事の意味をこう指摘した。〈現実の広島市の都市空間から消滅した「原爆スラム」をマンガという媒体によって紙上に甦らせようとしながら、そうした忘却に抗うそぶりの内に、コード化されたともいえる「原爆スラム」=朝鮮人というイメージの連結を密やかに切断している〉〈『夕凪の街 桜の国』が、被爆六十年を目前に「日常の視点」を備えた「穏やかな」原爆の記憶を表象化しえたとすれば、その代償に支払ったものとは─いささか表現はきついかもしれないが─被爆都市の記憶の横領といった事態であった。イメージにおける排除空間の排他的占有といってもよい〉(『原爆文学という問題領域』)経緯を考えれば、こうの氏が『この世界の片隅に』で太極旗を描いたのは、こうした批判に対する「回答」だったと考える方が自然だろう。

 それを、自分達と同じヘイト思想に引きずり下ろそうとするのだから、許し難い。だいたいネトウヨ達は一方であの『永遠の0』を「反戦映画」だと言い張っていたのに『この世界の片隅に』を「反戦映画ではない」として朝鮮を批判しているというのは、どういう理屈なのだろう。だが今回『この世界の片隅に』を巡って一番、愕然とさせられたのは、この映画に「反戦じゃない」という評価が与えられた事ではない。「反戦イデオロギーがないから良い作品」という意見がまるで当たり前のように語られていることだ。戦争に反対する事が何故「イデオロギー」になってしまうのか、戦争に反対していない事が何故プライオリティをもってしまうのか。全く理解に苦しむが、しかし戦争の本当の残酷さや自分達の加害性から目を逸らしたがっている人達にとって、この倒錯状況こそが常識になっているらしい。そして『この世界の片隅に』はそういう人達にとって、格好の逃げ場所になってしまったという事だろう。

 彼らは、戦時下の人達の日常の暮らしを丹念に描いたこの映画の、その暮らしの描写だけをクローズアップし「戦時下でも普通に暮らす人達」という物語に読み替えて、消費しようとしている。だが、それでも『この世界の片隅に』のような映画が登場した事は、大きな意味がある。この映画は確かに戦時下の日常の暮らしを描く事で、戦争の本質から目を逸らしたがっている人達を惹きつけているが、しかし同時に戦争が日常をどのように変えてしまうのか、その事に気付かせる力をもっているからだ。「反戦じゃないからいい」と嘯いている人達にも、この映画は、確実に戦争への恐怖を刻み込んでいるだろう。(基本文献-リテラ/管理者:部分編集)



<「戦争法」違憲訴訟が全国化!宮崎でも来春提訴へ「準備会」が会見>

 3月に施行された「戦争関連法案は憲法違反である」として、国を相手取り損害賠償を求め宮崎地裁に提訴する訴訟団「安保法制違憲訴訟みやざきの会」が30日に結成された。

 準備会が22日に県庁で記者会見し「裁判所が最後の砦として憲法を守るよう訴えたい」と話した。「安保法制違憲訴訟の会」は東京・大阪・北海道・群馬・埼玉・信州・岡山・福岡・長崎・福島・高知等に加え、全国横断的市民団体ピースウイング・女性原告団等も結成され、内12の訴訟団が既に提訴、あるいは訴訟準備に入っており、相当な全国化の流れとなっている。会見で準備会の松田幸子弁護士は「南スーダンの駆け付け警護で自衛隊が武力行使に至る機会が間近に迫っている」と指摘し「あからさまに違憲な安保関連法案で平和的生存権、人格権が侵されていると訴える」と話した。

 提訴は3月末を予定している。同会は30日午後6時から宮崎市の市民プラザで結成総会を開き、東京の「安保法制違憲訴訟の会」の角田由紀子弁護士が記念講演する他、原告や賛同者としての参加を呼びかける。問い合わせは0985・23・1355。なお管理者も第一次大阪原告団に入っている。(文責:民守 正義)



 <「安保法制の違憲訴訟を考えるぐんま市民の会」原告190人に>

 「戦争関連法」は違憲で精神的な苦痛を受けたとして、国を相手取った集団訴訟を前橋地裁に起こす検討をしている「安保法制の違憲訴訟を考えるぐんま市民の会」は19日、提出予定の訴状の説明会を前橋市内で開いた。弁護団は19日時点で、原告が190人に上ったと明らかにした。訴訟は弁護士や元裁判官らでつくる「安保法制違憲訴訟の会」が、全国に呼び掛けている集団訴訟に県内有志らが共鳴した。集団的自衛権の行使を容認した戦争関連法によって憲法が保障する平和的生存権や人格権等が侵害されたとして、各原告に十万円の損害賠償を求める方針。本年度内の提訴を目指す。訴状には、具体的にどのような精神的苦痛を受けたのか、原告全員のエピソードを書き込む考え。

 弁護団の下山順弁護士は「一般論だけでは、裁判官の心を動かす事はできない。安保関連法で戦争体験を思い出してしまったお年寄りや、子供を戦場に送り出す不安を感じた母親など生の声を反映させてほしい」と呼び掛けた。戦時中に空襲を体験した原告の講演もあった。1945年8月5日の前橋空襲を経験したIさん(82)は、焼夷弾が降る中を逃げ延びた体験を語り、平和の尊さを訴えた。「戦争関連法」を巡っては、政府が15日、20日に南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に出発する陸上自衛隊の派遣部隊に「駆け付け警護」等の新任務を付与する事を閣議決定した。市民の会は、この閣議決定も閣僚らによる「不法行為」として訴状に盛り込むという。(東京新聞)

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《読者:金丸 周平さんがKanako Murakamiさんのライブ提供!「デモコールも楽しく!」》

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◎日時:12月3日(土)午後1時10分開館/午後1時30分開始

◎場所:エルおおさか南館5Fホール

◎参加協力券:1000円

◎主催:南京の記憶を今につなぐ集会(映画とトーク)実行委員会

◎連絡先:090-8125-1757(銘心会南京-松岡)



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