劣化する安倍ファシズム政権と「リベラル野党共闘」の行程(8)

劣化する安倍ファシズム政権と「リベラル野党共闘」の行程(8)





《【人権刑事事件】スポット》

 いつも本ブログは「政治ネタ」が殆どですが、たまには三面記事的ではありますが「人権問題」に絡む「刑事事件」二題洗を用意しました。この二題の刑事事件を通じて、人権問題を考えるきっかけになれば幸いです。

<[宇都宮爆発]犯人はDV 加害者—DV加害者放置が原因の一つ>

[宇都宮爆発事件]10月23日11時半頃、宇都宮市の城址公園で突如車が爆発した。更にその約1分後に公園内のベンチが爆発し3人が負傷、1人が死亡した。警察が現在も捜査を続けているが、概ね犯人像が浮上している。

◎三回の爆発と死亡した自衛官

最初に爆発したのは公園から8㎞離れた住宅で、家は全焼する程の大きな爆発だった。次に城址公園のパーキングに駐車中の車が爆発し、その1分後に城址公園のベンチが爆発した。城址公園にはバラバラになった焼死体が発見されており、身元は元自衛官のKさん(72)で右の靴下から遺書のようなものが発見された。現在も犯人特定がされているが、①最初に爆発した家はKさんの自宅であること、②更2回目に爆発した車の所有者も同人物のものであること、③最後に爆発したベンチに座っていたのがKさんではないかとされており、遺書も発見されたことから自爆したのではないかと推測されている。(この事件に至るまでにはKさんを巡って、他にも複雑な経過もあるが、それは本稿の趣旨ではないので、省略する)

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この事件は「Kさん-DV加害者の犯行」と言われているが、仮に、それが事実として、彼を放置するだけで、彼の更生を探ることがなされなかったことが事件の背景にあると言える。DVについては被害者保護は議論もされ、不十分ながら一定の取り組みも行われているが加害者に対するメンタル治療は、殆ど、なおざりだとも言われている。その中でK容疑者も犯行に至る心理的経過を中心に、簡略化して説明する。

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K容疑者は2013年頃から県精神保健福祉会の相談員をしていたが今年6月、相談員として不適切な行動があったとして問題視され、退会させられていた。「宇都宮家裁判事・調停員・書記官から真綿で首を絞められ死刑判決」を出されたといった家裁調停員や裁判官に対し「家裁は老後は刑務所に入って生活しろと言わんばかりである」という怒り等、不満を募らせていた。最近は一方的に「国家権力」に虐げられているとの“被害者意識”を膨張させ、これらに対して世間に不満を訴えたいが、ネット世界でも炎上せず、多くの人が知ってくれない「6年もSOSを出している」のに無視されているとの思いで「自暴自棄」になって、何か事件を起こして「ネット炎上を期待して」「大げさにしないといけない」と考えて犯行に至ったようだ。「大きな事件にならなければ問題に見向きもしない、現代の風潮に不満を持っている」との音声もアップされていた。

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〔識者:イダ ヒロユキさんのコメント〕

自分のDVを反省せず、逆に勝手に被害妄想を持ち、行政や裁判所や警察が酷いと憤る加害者はいます。ただ、そのDV加害者が悪いとしても、自分の行った行為がDVだと解るように教えられる場が必要です。そのためには、窓口で追い返すだけではだめでしょう。行政(役所、警察、女性センター、配偶者暴力相談支援センター、弁護士等)のどこに行っても、電話相談に電話しても「被害者の事は何もお答えできません」と言われるだけで、なんの「サポート」「情報提供」もなく、気持も聞いてもらえず、追い返されるだけなので、加害者の一部は逆に怒りを増幅させてしまうのです。孤立感を深め、絶望感を持ち、唯一の情報源であるネットの酷い情報に“洗脳”される事も相まって「社会は被害者の一方的味方だ」と思って、「でっち上げDVだ」とか「冤罪だ」とかと憤てしまうのです。 配偶者暴力相談支援センター等は「女性被害者を守る」という事から「どこに逃げているかも隠す、何の情報も言わない」という方針で来たのですが、それは古い段階のときには仕方なかった対応ですが、DV防止法ができて15年も経つのに、初期の対応のままで、何ら加害者対応を進めていないので、こうした男性加害者の「逆恨み」を誘発してしまうような状況になっています。この「古い段階での対応」のまま、なかなか動かない背景には、支援者が自分達を守るという事で「加害者を恐れて、とにかく加害者に接触しないようにしてきたこと、加害者は変わらないという『神話』を加害者の実態も知らずに信じ込んできたこと」があります。その副作用として、被害者支援としても、被害者には「加害者は変わらないから、とにかく逃げなさい、別れなさい」というばかりで、被害者の多様なニーズに対応できていなかったという問題が発生していました。 今、必要なことは、加害者の気持ちを聞きつつ、DVの学習を保証し、自分の対応の間違い(DV 性)に気づいてもらい、被害者への償いをしていくことで責任を取るような人になっていくようなプログラムに参加させることでしょう。

被害者を恨むのではなく、むしろ被害者の安全・成長に配慮し、被害者の意思を尊重するように態度を変えていくようにするプログラムが必要です。そのためには総合的な「DV被害者/加害者対応の確立」が必要です。DV 加害者といっても、私が行っている加害者プログラムに来るような「真面目にDV を反省して自分を非暴力に変えていこうとする人」もいます。女性でも自分の加害性に悩んでいる人もいます。

児童虐待する親(面前DV してしまう親),ストーカーを含め、加害者への再教育(カウンセリング的要素を含む)の場が必要です。

今回、怒りを勝手に増幅させたことの背景には以上の実情があると思います。もちろん、このK容疑者が、加害者プログラムを紹介したからといって、やってきたかどうかはわかりませんし、そこに通い続けて自分の考えや行動を正しく修正したかも解りません。しかし少なくとも「そのルートがあるよと紹介して、彼の話を聞く場に繋げる事があれば今回のようにならなかったかもしれない」とは言えます。

〔産業カウンセラー:管理者のコメント〕

産業カウンセラーである管理者のDV心理学と対応策を研究すると、以下のように大別される。

◎共通するDV心理と異なる要因

〔共通するDV心理〕

 〇よくDV加害者と言われる人は、第三者の目に触れない場所で、相手が自分より弱い立場で、反撃される恐れがなく、そして自分には正当性があるいう判断の元にDV行動を取るといわれる。また心のラインを越えて「相手の領域に入り込めた」と判断したときに『それ』が起こる。

逆説的に言えば「被害者側が我慢しすぎているとき、耐えすぎているとき=相手との関係性に依存しすぎているとき」にDVは誘発される。

言い換えれば相手との関係性を大切にするあまりに、自分自身を大切にしていないときともいえる。従って、しっかりとした自分の意見を持った人は、敬遠しがち(防衛策)といえる。

〇DV加害者は自分が「DV加害者である」という自覚がない。自分の行っている肉体的または精神的な暴力や虐待への認識がないので、罪悪感を感じないのである。

〇DV加害者は、暴力や虐待を手段とする「権力と支配と搾取」に向かう「思考と行動」にある。

 以上が非常に大まかであるが、DV加害者の共通した心理である。

〔DVの異なる要因の考え方〕

◎それでは何故、DV心理が惹起されるかであるが、それには産業カウンセラーの中でも二説に大別されており、一つは「その人の遺伝的性質と生育歴(家族を含めた文化的、社会的影響)によるもの」であるとの考え方で、カウンセラーによっては「通常の心理療法やセラピーでDV加害者に変化をもたらすことは、ほぼ不可能」と公言し「DV加害者側のカウンセリングはお断り」と店じまいしているカウンセラーも少なくない。

従って「権力と支配と搾取」に向かう「思考と行動」を作り変えるには、カウンセリング手段は使わず、被害者からの離別宣言や裁判所命令といった外部圧力によって、加害者が自らの暴力性に向き合わざるを得ない強制的状況をつくりあげるしかないと唱える。

◎その一方でDV加害者が、少なくとも暴力的行為は止めるべきと変わるためには、DV加害者が「自ら積極的に取り組むという条件付きで、かつ特化された専門的なプログラムに依り一定、解決可能」という考え方もある。しかし、その「専門的プログラム」も概ねのカウンセラーが支持する「専門的プログラム」はなく、各々の産業カウンセラーが開発した「専門プログラム」の凌ぎ合いの域は出ていない。このようにDV加害者側の対応には、まだまだ定説はなく、それは前記イダさんが述べている「加害者は変わらないから、とにかく逃げなさい、別れなさい」というばかりで、被害者の多様なニーズに対応できていなかったという問題に起因しているところ大と思われる。

◎そこで管理者は、どの立場に立つかであるが、管理者は後者「自ら積極的に取り組むという条件付きで、かつ特化された専門的なプログラムに依り一定、解決可能」という考え方に立つ。そして、その「専門的プログラム」は「来談者中心療法(ロジャーズ)」をベースにしながら、「認知行動療法」も取り入れて実際にカウンセリングを行っている。

いずれにしても前記イダさんが、強調しているように「総合的な『DV被害者/加害者対応の確立』が必要」に賛同する。 (参考著-イダ ヒロユキ/文責:民守 正義)



    <逗子ストーカー殺人で市を提訴、夫が初告白>

 4年前、神奈川県逗子市の自宅で女性が殺害されたストーカー殺人事件で、今回、女性の夫が、事件までに何があったのかを詳しく話した。浮かび上がったのは、ストーカーへの対応の難しさ、そして行政対応への疑問-逗子市の職員が女性の住所を漏らし、加害者側に伝わってしまったのだ。夫の呼びかけにほほ笑むM・Rさん(以下「Rさん」)。フリーのライターとして活躍し、いつも友達の輪の中にいる明るい女性だった。Rさんは4年前、殺害されました。夫と暮らす白い家、そこで結婚前に交際していた男に刺されたのだ。執拗なストーカー行為の末の犯行だった。今、その家の2階へ…夫はRさんの仕事部屋を片づけることができない。カレンダーも亡くなった2012年のままだ。「僕がここを綺麗に片づけてどこかに行ってしまうと、せっかくの妻の思い出の場所が僕にとっては二度と近寄れない、近づきたくない場所になってしまうかなと思ったので。言葉で言い表せない悲しみ、後悔というか、あのとき、ああしていればよかったとか、そういう事件が起きる度に、もう一度、自分の事件を思い直している」(Rさんの夫)海がある町で暮らしたい、Rさんの希望で夫婦は逗子に越してきました。結婚から2年が経った2010年の事です。その頃からRさんに大量のメールが届き始める。結婚前に交際していた元教師の男からだ。「お前のおかげで、俺の人生は、ぼろぼろになった」夫を心配させないためか、Rさんの様子は、いつも通りだったという。大事になるとは思わなかったのかもしれないと夫は振り返る。

「終始、僕に話すときは、ちょっと面白おかしく、また来ているよみたいな。(男の)好きなようにメールを書かせておいて、ガス抜きというか、収まるのを待つというのが無難な策ではと思っていた」(Rさんの夫)

 ところがメールの数は増えていく。1日に何十通、合わせて1千通以上も。「殺してやるから、楽しみにしていろよ」夫婦は警察に相談し、男は脅迫容疑で逮捕された。その際、警察は男の前で逮捕状を読み上げ、何と、そこに書かれていた結婚後の名字や住所の一部まで読み上げてしまった。夫婦は、生活安全課の担当に男に住所等を言わないよう伝えていた。

 逮捕した刑事課もその申し出を知っていたが、夫婦の訴えに直接、接しておらず、事の重大性の判断を誤ったという。その後、男は執行猶予つきの判決を受け、再びメールを送り始める。「(男は)顔も見せずに遠隔でやってくる行為が多かったので、まさか、こっちに来る勇気があるというか、本気な気持ちでこっちに仕掛けてくるという感じもなかった。まさか、命を奪いに来る行動に出るとは予想もしていなかった」(Rさんの夫)それでも夫婦は警察に警備の強化を要請した。警察は自宅に防犯カメラをつけ、パトロールを増やす。そしてストーカー行為はパッタリ止みます。しかし、その頃、男は密かにRさんを狙っていた。逮捕状の読み上げで知ったMという名字や住所の一部をインターネットの掲示板に書き込み、自宅を突き止めようとした。更に男は探偵業者と契約。その業者の発注を受けた別の探偵が、逗子市役所納税課にRさんの夫を装って電話をかけ、細かい住所を聞き出した。Rさんは、事件前、逗子市に対し、情報管理を厳しくする措置を申し出ていたが、市は住所を漏らしたのだ。

 男が住所を知った翌日、その日は雨。「雨が降るときは駅までいつも送ってくれる、車で。今日は一日、家にいるから、晩ご飯作って待っているねと」(Rさんの夫)それが最後の言葉になった。夕方、警察から電話。「(警察から)自宅で男性と女性の遺体が各々、見つかりました。おそらくRさんと、風貌がストーカーだった男に似ていると」(Rさんの夫)妻と2人、2年間暮らしてきた逗子の家。現場検証のため家の中へ入ると、あまりにも残酷な現実が待っていた。「玄関を開けて目の前が血でいっぱいになったときに、ここで殺されたのだなと。血が一面に飛び散っていて、玄関からずっとリビングの間は、いろんな所に血が散乱していた」(Rさんの夫)梨絵さんは、宅配業者を装って訪れた男に何度も刺され殺害された。男は2階の部屋で首をつって自殺した。「頭の中が真っ白というか、真っ白な世界に1人立たされたみたいな感じ」(Rさんの夫)

 もっと何かできたのではないか、夫は今も悔やみ続けている。

「警察に行ったときに『完全に男を貴方の所に近づけないような手段をとるという事はできないです』という話をしたときに、妻が感極まって涙を流した。それだけですね、本当に妻が不安に思っているというか、恐怖に怯えている態度を見たのは。もっと妻に近づいて、いろいろ考えてあげるというのをもっと深く入っていければ、もう少し結果が違う方向に行っていたかもしれないという思いは亡くなった当時からあります」(Rさんの夫)25日、夫は逗子市に1千万円の慰謝料を求める裁判を起こした。

 住所の漏洩は守秘義務違反で、著しくプライバシーを侵害されたとしている。「他の市町村の方にも、こういうことが起きてしまったからもう二度と起こさないでください、ちゃんと守るべきものは守るということを伝えたいというのが、今回の裁判を起こす一つの大きな理由。妻が生きられなかった分も自分が生きていかなければいけない」(Rさんの夫)

【管理者:この事件は、公務員の「個人情報保護」の重要性として紹介したが、大阪府でも職員内部の個人情報の不正取得がある。具体的には毎年、8月頃、人事課人事グループから、グループ長を通じて「日常会話等で、既婚か、未婚か、家族構成等を聞き出して所属長経由で報告するよう」内々メールで指示している。この件について「動かぬ証拠」を掴み、かつ弁護士見解も確認の上、「不必要な個人情報を、使用目的も公然化せず、内密に収集しているのは個人情報保護法違反ではないか?」と某職員が人事課人事グループ及び法制文書課コンプライアンスグループに何回か、照会したが、答えるのは人事課の尾っぽみたいな法制文書課コンプライアンスグループばっかり。その回答も人事課が「『人事異動情報』として必要と言っている」と単なるメッセンジャーに終始した。

 そもそも「未婚・既婚」と「家族構成」が何故、「人事異動」上も必要なのか、何故「本人に解らぬよう聞き出す」必要があるのか、第一「未婚・既婚」と「家族構成」が人事異動に影響するとするなら、その方が「重大人権問題(弁護士見解)」だ。まだ、その「個人情報保護法違反の職員プライバシー情報収集」を行っているなら、近々に大きな問題として提起される事を警告する。いずれにしても然々、然様に公務員は「守秘義務」と「個人情報保護」が切り離され、意外と「個人情報保護意識」が希薄である事が、本「逗子ストーカー殺人事件」の要因になっているのではと危惧する。(参考著-イダ ヒロユキ/文責:民守 正義)

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  《ブログ「リベラル広場」では次の事業も行っています。》

職場(仕事)における労働・人権相談(ハラスメント・メンタルヘルス等、含む)

*大阪府労働相談経験10年以上。*産業カウンセラー資格、有り。

*但しメンタルヘルスの場合、もし心療内科等に受診されている場合、または、その受診の方が望ましい場合は、当該医師の指導を優先し、カウンセリングを断る事もありますので予めご了承ください。

②採用コンサルタント。

*著作[「公正採用」と「能力発見!」採用選考のコツ]

【本ブログ:http://blog.zaq.ne.jp/yutan0619/article/27/】

*著作「採用面接」労働条件確認

【本ブログ: http://blog.zaq.ne.jp/sp/yutan0619/article/29/】

◎なお寄せていただく相談等は、とりあえず全てEメールで送信してください。

<送信先Eメールアドレス>yutan0571@yahoo.co.jp

●費用:交通費等、実費+α(若干-協議)



  《11・27(日)川内原発は2度と動かさない:御堂筋デモ》

◆名 称:11・27(日)川内原発は2度と動かさない 御堂筋デモ

◆と き:14:00      ※デモ出発14:45...

◆ところ:新阿波座公園(地下鉄本町駅23番出口 西南へ徒歩2分)

(民守 正義)