リベラル勢力の再構築で安倍ファシズム政権退陣へ(72)
リベラル勢力の再構築で安倍ファシズム政権退陣へ(72)
《【虚像のアホノミクス】勝つまでやめない、しかし勝てない 黒田日銀バクチの末路》
「これ以上、深みに入るのだけは止めて」―経済同友会の小林喜光代表幹事がこう言っていたが、完全に“博打打ち”になってしまった日銀・黒田総裁の耳には届かない。負けが続いても「次なら」とカネを突っ込み、勝負が見えていても「勝てるはずだ」と博打をやめない。3年半前から続くアベクロの異次元緩和は、まさにそれである。9月9日、7カ月ぶりに安倍(経済音痴)総理と黒田総裁が官邸で会談した。20、21日に開かれる日銀政策決定会合で、異次元緩和の「総括的な検証」をする事から、その打ち合わせだったと見られるが、破綻が明らかな異次元緩和策に、効果的な手だてが見つかるはずがないのは分かりきったこと。いい加減な総括と付け焼き刃の弥縫策になると思っていたら、やっぱりその通りでメディアが14日「総括」の見通しを報じ始めた。それによるとポイントは3つ。
①引き続き物価上昇2%を目指すが、2年程度としていた達成期限は撤回
②量的緩和から金利操作の重視に転換し、マイナス金利政策の拡大を視野に入れる
③国債の買い入れ手法を柔軟化し、超長期の国債の購入を減らし、中短期の購入を拡充―というものだ。黒田自身が5日の講演で、マイナス金利の副作用について踏み込んで発言していたが、超長期の国債利回りが下がり過ぎて、銀行や生保の資金運用に悪影響を与えたことに配慮するのだという。東短リサーチ・チーフエコノミストの加藤出氏はこう言う。「検証するというのは、政策が行き詰まってきた証拠です。今までのように“気合”を示しても、2%の物価上昇を短期間に達成するのは難しいことが分かり『持久戦』へと軌道修正せざるを得なくなってきたということです。インフレ率が下がってきた中で、打つ手は限られる。国債の買い入れ手法を柔軟化するとしても、買い入れ枠はいずれ限界がくる。ETFも6兆円まで枠を拡大しているので、これ以上は増やせない。消去法でマイナス金利の拡大しかない。今月の決定会合ではやらないのではとみていますが、必要になれば、追加の「副作用大の麻薬-マイナス金利のカードを切るつもりでしょう」
■奇策を裏ワザでというデタラメ
2年の期限を撤回した上、副作用対策まで考えざるを得なくなった。本来なら黒田は失敗を謝罪して辞任すべきだが、本人はいまだ「この枠組み(国債大量購入とマイナス金利の組み合わせ)は極めて強力だ」と強弁しているのだから、どうしようもない。打つ手のない日銀は、このままだと「外債購入」だってやりかねない。この日銀が行うべきでない奇策(目先の日銀株買い支え策)は、安倍ブレーンの浜田宏一内閣官房参与がロイター通信のインタビューに答える形で言い出した、事実上の円売り・ドル買いだ。
G20で「通貨の切り下げ競争」が改めて禁じられたが「市場に流すお金を増やす新たな一手として、金融政策が目的だとすれば可能」という期待感が一部市場関係者に膨らんでいる。前出の加藤出氏はこう言う。
「外債購入オペが話題になっていますが、その実現は困難です。『為替介入ではなく金融政策だ』という“裏ワザ”を使えばいいという意見もありますが、そんな事が表の議論になっている段階で、裏口なのがバレてしまっていて、意味がありません。そもそもG7では、金融政策は国内目的のために国内手段で実施されるべきと合意されています。
【管理者:だから伊勢志摩サミットで海外首脳から「日本のアベノミクス失策は日本の問題だ。『リーマンショックの下降曲線に似ている』なんて関係ない」と率直に批判されたのが実態だ】外債購入オペはその合意に反するため、欧米主要国から批判されるでしょう。そうした国際政治上の摩擦を知らない人が言っているのじゃないですか」黒田がバズーカ砲を逐次投入してきたから、市場は次々緩和を催促し、それに応じなければ株価が上がらないという悪循環。最近は「バースデー緩和」なんて言葉まで囁かれている。安倍の今月21日の誕生日に合わせ、黒田が緩和のプレゼントをすると言われているが、こんなのは、もはや政策とはいえない。
■企業が儲けるための規制改革で堂々巡り
金融政策が行き詰まっているのをゴマカす目的もあるのだろう。
ここへきて安倍政権は、成長戦略に向けた会議を活発化させている。
これまで全く成果が出ていないアホノミクス3本目の矢の「規制改革」なのだが、12日には「未来投資会議」と「規制改革推進会議」の2つの会議を開催し、如何にも「アホノミクス空焚きのパフォーマンス」を行っているように演出し始めた。しかしメンバーを見るとア然とする。未来投資会議は、以前の「官民対話」と「産業競争力会議」を統合させたものだからと、榊原定征経団連会長や竹中平蔵東洋大教授という代わり映えのない顔ぶれ。規制改革推進会議は議長が大田弘子政策研究大学院大教授で、格差を拡大させた悪名高い「小泉・竹中路線」の申し子である。こんなメンバーが規制改革に手をつけて、景気が上向くのか。経済評論家の斎藤満氏は否定的だ。「景気が上向く訳がありませんよ。未来投資会議にしろ規制改革推進会議にしろ、目的は『企業を儲けさせるための改革』であって、国民生活のためではないからです。自ら会長を務めるパソナのために派遣法改正の旗を振ってきた竹中や、経済界のトップがメンバーなのですから当然です。企業が利益を得ても、人件費に還元されることなく、むしろ労働者は搾取されてきた。これが第2次安倍政権3年半の現実です。新しい会議といっても同じメンバーで堂々巡り。批判されるから会議の名前だけ変える。その実態は何も変わりません」
2つの会議は、例えば「観光」分野を双方が扱うというし、安倍政権が新たな目玉とする「働き方改革実現会議」とのすみ分けも不透明。
“焼き直し”の会議を、ただ乱立させるのは、安倍(経済音痴)総理お得意の「アホノミクス失策」を隠すための演出に過ぎない。
ただ、こんな単純な騙し演出にコロッと騙され「内閣支持率やや高水準」となる国民意識も悲劇に悲劇を生んでいる。
■そして、ツケは庶民へ
それでなくても世界経済は、恐慌寸前の惨憺たる状況だ。
中国で開催されたG20は〈その事実を改めて確認させられる場となった〉と、エコノミストの高橋乗宣氏が嘆いていた。そんな中で、安倍の無力が際立った事を示すものとして〈新しく起こり、勢いが盛んになるという本来の意味での「新興国」は、もはや世界に存在しない。世界経済はグローバル・デフレの時代に突入してしまった。 新たな機関車役が現れない限り、グローバル・デフレは払拭できない。グローバル・アホノミクスでは「処方箋から大間違い」で、絶対に太刀打ちできない〉と某国際エコノミストは明言している。安倍が5月の伊勢志摩サミットに続き「政策総動員」を各国首脳に呼びかけたことへの強烈なバカ呼ばわりの皮肉だ。
無策の無能首相と亡国の日銀総裁が、揃って「道半ば」と掛け声を上げ、破綻した政策に突き進み、国民生活は益々、困窮させられる。「かつて日銀総裁だった福井(俊彦)さんが、こう言っていました。『ゼロ金利にすれば預金者の収入がゼロになる。それが何年も続けば預金者の生活は回らなくなる』。当時、預金金利は年間20兆~30兆円ありました。今、ゼロ金利政策になって、預金者はその分、増税されたようなものです。それでも日銀は、バカな金融緩和をやめられないから、マイナス金利を拡大するという。銀行は一般預金者の普通預金や定期の金利をマイナスにしにくいので、代わりに預金者から取る手数料を増やすでしょう。そうなると預金者としては最高の知恵!タンス預金が増えるだけです。将来不安も益々、高まり、消費は増えず物価も上がりません」 しかし安倍(経済音痴)総理も黒田総裁も、一般預金者や一般消費者の生活なんて元々、何の関心もない。当然の帰結だが、気まぐれ「官製株価つり上げ」のために、そのリスクを一般勤労者に押し付けるのは許せない、いや「許さない!」(参考文献-日刊ゲンダイ/文責:民守 正義)
《【虚像のアホノミクス】勝つまでやめない、しかし勝てない 黒田日銀バクチの末路》
「これ以上、深みに入るのだけは止めて」―経済同友会の小林喜光代表幹事がこう言っていたが、完全に“博打打ち”になってしまった日銀・黒田総裁の耳には届かない。負けが続いても「次なら」とカネを突っ込み、勝負が見えていても「勝てるはずだ」と博打をやめない。3年半前から続くアベクロの異次元緩和は、まさにそれである。9月9日、7カ月ぶりに安倍(経済音痴)総理と黒田総裁が官邸で会談した。20、21日に開かれる日銀政策決定会合で、異次元緩和の「総括的な検証」をする事から、その打ち合わせだったと見られるが、破綻が明らかな異次元緩和策に、効果的な手だてが見つかるはずがないのは分かりきったこと。いい加減な総括と付け焼き刃の弥縫策になると思っていたら、やっぱりその通りでメディアが14日「総括」の見通しを報じ始めた。それによるとポイントは3つ。
①引き続き物価上昇2%を目指すが、2年程度としていた達成期限は撤回
②量的緩和から金利操作の重視に転換し、マイナス金利政策の拡大を視野に入れる
③国債の買い入れ手法を柔軟化し、超長期の国債の購入を減らし、中短期の購入を拡充―というものだ。黒田自身が5日の講演で、マイナス金利の副作用について踏み込んで発言していたが、超長期の国債利回りが下がり過ぎて、銀行や生保の資金運用に悪影響を与えたことに配慮するのだという。東短リサーチ・チーフエコノミストの加藤出氏はこう言う。「検証するというのは、政策が行き詰まってきた証拠です。今までのように“気合”を示しても、2%の物価上昇を短期間に達成するのは難しいことが分かり『持久戦』へと軌道修正せざるを得なくなってきたということです。インフレ率が下がってきた中で、打つ手は限られる。国債の買い入れ手法を柔軟化するとしても、買い入れ枠はいずれ限界がくる。ETFも6兆円まで枠を拡大しているので、これ以上は増やせない。消去法でマイナス金利の拡大しかない。今月の決定会合ではやらないのではとみていますが、必要になれば、追加の「副作用大の麻薬-マイナス金利のカードを切るつもりでしょう」
■奇策を裏ワザでというデタラメ
2年の期限を撤回した上、副作用対策まで考えざるを得なくなった。本来なら黒田は失敗を謝罪して辞任すべきだが、本人はいまだ「この枠組み(国債大量購入とマイナス金利の組み合わせ)は極めて強力だ」と強弁しているのだから、どうしようもない。打つ手のない日銀は、このままだと「外債購入」だってやりかねない。この日銀が行うべきでない奇策(目先の日銀株買い支え策)は、安倍ブレーンの浜田宏一内閣官房参与がロイター通信のインタビューに答える形で言い出した、事実上の円売り・ドル買いだ。
G20で「通貨の切り下げ競争」が改めて禁じられたが「市場に流すお金を増やす新たな一手として、金融政策が目的だとすれば可能」という期待感が一部市場関係者に膨らんでいる。前出の加藤出氏はこう言う。
「外債購入オペが話題になっていますが、その実現は困難です。『為替介入ではなく金融政策だ』という“裏ワザ”を使えばいいという意見もありますが、そんな事が表の議論になっている段階で、裏口なのがバレてしまっていて、意味がありません。そもそもG7では、金融政策は国内目的のために国内手段で実施されるべきと合意されています。
【管理者:だから伊勢志摩サミットで海外首脳から「日本のアベノミクス失策は日本の問題だ。『リーマンショックの下降曲線に似ている』なんて関係ない」と率直に批判されたのが実態だ】外債購入オペはその合意に反するため、欧米主要国から批判されるでしょう。そうした国際政治上の摩擦を知らない人が言っているのじゃないですか」黒田がバズーカ砲を逐次投入してきたから、市場は次々緩和を催促し、それに応じなければ株価が上がらないという悪循環。最近は「バースデー緩和」なんて言葉まで囁かれている。安倍の今月21日の誕生日に合わせ、黒田が緩和のプレゼントをすると言われているが、こんなのは、もはや政策とはいえない。
■企業が儲けるための規制改革で堂々巡り
金融政策が行き詰まっているのをゴマカす目的もあるのだろう。
ここへきて安倍政権は、成長戦略に向けた会議を活発化させている。
これまで全く成果が出ていないアホノミクス3本目の矢の「規制改革」なのだが、12日には「未来投資会議」と「規制改革推進会議」の2つの会議を開催し、如何にも「アホノミクス空焚きのパフォーマンス」を行っているように演出し始めた。しかしメンバーを見るとア然とする。未来投資会議は、以前の「官民対話」と「産業競争力会議」を統合させたものだからと、榊原定征経団連会長や竹中平蔵東洋大教授という代わり映えのない顔ぶれ。規制改革推進会議は議長が大田弘子政策研究大学院大教授で、格差を拡大させた悪名高い「小泉・竹中路線」の申し子である。こんなメンバーが規制改革に手をつけて、景気が上向くのか。経済評論家の斎藤満氏は否定的だ。「景気が上向く訳がありませんよ。未来投資会議にしろ規制改革推進会議にしろ、目的は『企業を儲けさせるための改革』であって、国民生活のためではないからです。自ら会長を務めるパソナのために派遣法改正の旗を振ってきた竹中や、経済界のトップがメンバーなのですから当然です。企業が利益を得ても、人件費に還元されることなく、むしろ労働者は搾取されてきた。これが第2次安倍政権3年半の現実です。新しい会議といっても同じメンバーで堂々巡り。批判されるから会議の名前だけ変える。その実態は何も変わりません」
2つの会議は、例えば「観光」分野を双方が扱うというし、安倍政権が新たな目玉とする「働き方改革実現会議」とのすみ分けも不透明。
“焼き直し”の会議を、ただ乱立させるのは、安倍(経済音痴)総理お得意の「アホノミクス失策」を隠すための演出に過ぎない。
ただ、こんな単純な騙し演出にコロッと騙され「内閣支持率やや高水準」となる国民意識も悲劇に悲劇を生んでいる。
■そして、ツケは庶民へ
それでなくても世界経済は、恐慌寸前の惨憺たる状況だ。
中国で開催されたG20は〈その事実を改めて確認させられる場となった〉と、エコノミストの高橋乗宣氏が嘆いていた。そんな中で、安倍の無力が際立った事を示すものとして〈新しく起こり、勢いが盛んになるという本来の意味での「新興国」は、もはや世界に存在しない。世界経済はグローバル・デフレの時代に突入してしまった。 新たな機関車役が現れない限り、グローバル・デフレは払拭できない。グローバル・アホノミクスでは「処方箋から大間違い」で、絶対に太刀打ちできない〉と某国際エコノミストは明言している。安倍が5月の伊勢志摩サミットに続き「政策総動員」を各国首脳に呼びかけたことへの強烈なバカ呼ばわりの皮肉だ。
無策の無能首相と亡国の日銀総裁が、揃って「道半ば」と掛け声を上げ、破綻した政策に突き進み、国民生活は益々、困窮させられる。「かつて日銀総裁だった福井(俊彦)さんが、こう言っていました。『ゼロ金利にすれば預金者の収入がゼロになる。それが何年も続けば預金者の生活は回らなくなる』。当時、預金金利は年間20兆~30兆円ありました。今、ゼロ金利政策になって、預金者はその分、増税されたようなものです。それでも日銀は、バカな金融緩和をやめられないから、マイナス金利を拡大するという。銀行は一般預金者の普通預金や定期の金利をマイナスにしにくいので、代わりに預金者から取る手数料を増やすでしょう。そうなると預金者としては最高の知恵!タンス預金が増えるだけです。将来不安も益々、高まり、消費は増えず物価も上がりません」 しかし安倍(経済音痴)総理も黒田総裁も、一般預金者や一般消費者の生活なんて元々、何の関心もない。当然の帰結だが、気まぐれ「官製株価つり上げ」のために、そのリスクを一般勤労者に押し付けるのは許せない、いや「許さない!」(参考文献-日刊ゲンダイ/文責:民守 正義)
《【改憲】シリーズ!》
<自民改憲草案、もしも現実になったら…静岡の弁護士、小説出版>
自民党の日本国憲法改悪草案が現実になったら、世の中はどう変わる?
弁護士が「もしも」の世界を描いた小説「未来ダイアリー」が8月25日に出版した。遠い存在と思われがちな憲法を、一人一人の暮らしに引きつけて考えるきっかけにして欲しいと願う。筆者は内山宙弁護士=静岡県弁護士会。「明日の自由を守る若手弁護士の会」に所属し、フランス革命を舞台にした漫画「ベルサイユのばら」や映画「スター・ウォーズ」を題材に憲法とは何かを講演。自由や平等、権利の意味を市民に解り易く語りかけてきた。小説の企画を持ちかけたのは雑誌「週刊金曜日」副編集長の宮本有紀さん。「憲法は自分とは関わりがないと思っている人達に、憲法が変わると具体的にどう生活に影響するのかを伝えたかった」と話す。
憲法24条で「家族の助け合い」が義務化された結果、子育ては家庭でやるものだと強調されて保育所が不足したり、国会前のデモに対し、内乱等の場合に政府に権限を集中させる緊急事態条項の適用が検討されたり…。小説で描かれる世界は自民草案の論点を考える内容になっている。 内山さんは裁判所の書記官をしながら法科大学院に通い、2007年に司法試験に合格。書記官時代は、裁判所の周辺で行われるデモを冷ややかに見ていた。それを変えたのは12年の自民草案の公表、13年の特定秘密保護法の強行採決、そして、街頭で抗議に立ち上がった学生達との出会いだったという。内山さんは言う。「『こんなはずじゃなかった』と後悔しないためにも、先ず憲法とは何かを知ることが大切です」。出版社「金曜日」から、税抜き1千円。(編集委員・豊秀一)
<安倍政権待望、米軍「北朝鮮核施設・先制攻撃」が引き起こす悪夢シナリオ!>
北朝鮮が5回目の核実験を強行したことを受けて、在韓米軍がアメリカの超音速戦略爆撃機B1Bを13日に韓国に派遣した。米軍が韓国防衛の決意を強調し、北朝鮮に対する強い姿勢を示した事は間違いないだろう。
しかも、これはただの牽制では終わらないかもしれない。
米国、韓国、そして日本政府の一部には、米軍による北朝鮮の核ミサイル基地への「先制攻撃」を主張する動きがあり、メディアからもそれを煽り、期待する声が出てきているのだ。国際社会が束になって批判しても、まるで聞く耳を持たない。金正恩という若くクレージーな3代目が率いる“ならず者国家”を説得しても無駄である。だったら先にやってしまうしかない。その解り易くて勇ましい理屈は、手詰まり状態に不安を抱えている国民にある種の説得力をもって広がっている。しかし実際に強硬策に及んだときに、どんな悲惨な事が起きるのか、私達は本当に解っているのだろうか。確かに今回の核実験は、東アジアの平和にとてつもない脅威をもたらす暴挙だ。爆発規模は1月に実施した4回目核実験の約2倍。しかも初めて弾道ミサイルに搭載できる核弾頭の爆発実験に成功したと北朝鮮は主張している。もし本当ならば、いつでも核ミサイルを発射できる体制が整ったという事になる。SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を使えば、アメリカ本土も射程に入る事になる。しかし、これは決してメディアが叫んでいるような「金正恩の狂気」の結果ではない。
むしろ米国、韓国、日本の対北朝鮮政策がもたらした必然の結果と見るべきだ。この間、オバマ政権はアジア太平洋地域の軍事プレゼンスを高めるためと称して、北朝鮮に激しい圧力をかけ続けていた。米韓合同軍事演習は年々エスカレートして、ついには先制打撃や金正恩体制の崩壊、領土占領、韓国による吸収統一狙った演習にまで発展している。北朝鮮はその度に反発していたが、アメリカも国際社会も聞く耳を持たなかった。この動きが、金正恩に「米国の道義無きイラク侵略」を想起させ、大きな「やらなければやられる」という恐怖を与えたのは間違いない。特に金正恩を特に震え上がらせたのが、米韓合同軍事演習にステルス戦闘機を参加させて行った秘密訓練ではないかと言われている。これはレーダーに捕捉されないステルス戦闘機を平壌上空に送りこみ急降下や急上昇で威嚇する「5030」と呼ばれる作戦で、米軍は金正日体制時代の2000年代から行ってきたと言われているが、金正恩体制の2013年にも同様の作戦を展開した可能性があるという。 今年に入ると米軍の圧力は更に強まった。3月には大量の核兵器を搭載できるステルス爆撃機B2を3機、アジア太平洋地域に配備したした事を公表。そして今年の8月には、米空軍がグアムのアンダーセン空軍基地に核爆弾を投下できる超音速戦略爆撃機B1Bを配備する事を明らかにした。 これによってアメリカの脅威が一気に増した北朝鮮は、8月22日から始 まる米韓合同軍事演習に向けて、再三の警告を発していた。 同月23日には、米韓合同軍事演習が朝鮮半島を「戦争の瀬戸際に追いやる許しがたい行為」だとして国連代表部を通じて安全保障理事会の緊急会合を開くよう求める書簡を議長国のマレーシアに送ったが、北朝鮮の要請は無視された。金正恩が核開発を本格化させていったのは、こうした強硬政策の結果であり、米国の武力恫喝が完全に裏目に出たという訳だ。 アメリカの失敗はそれだけではない。北朝鮮のコントロールには中国の協力が不可欠で、今年1月の核実験の時には、その中国も日米韓に同調して制裁強化に踏み出す気配だった。ところが在韓米軍が最新鋭迎撃システムTHAAD(最終段階高高度地域防衛)ミサイルの配備を決めた事で中国、ロシアの反発を招き、北朝鮮包囲網の連携を壊してしまった。一方、日本は、こうした緊張の最前線にいながら調整に乗り出すでもなく、独自の外交ポリシーもなく、一方的にアメリカに追随してきた。安倍政権による日米軍事同盟強化によって、返って危険が増したといっても言い過ぎではない。アメリカと北朝鮮が事を構えることになれば、アメリカに同調する日本が標的になることは明らかだ。もちろん北朝鮮の核実験を支持しないし、擁護するつもりもない。だが武力に対して武力で対抗しても、更に状況をエスカレートさせるだけで、むしろ解決をどんどん困難にしていく事にしかならないのは明らかなのだ。ところが日米韓の政府の一部や保守メディアはそうした強硬策への反省は全くなく、それどころか前述したような「先制攻撃論」を叫び始めている。これがいかに非現実的な対応策であるかは、少し考えただけで解る。例えば米軍が前述のグアム・アンダーセン空軍基地から超音速戦略爆撃機B1Bを出撃させ、北朝鮮の核ミサイル基地を空爆したとしよう。金正恩はどう出るか。報復として直ちに在韓米軍基地、在日米軍基地・日本の原発へのミサイル攻撃を指示するのは確実だろう。日本では、在日米軍施設の約74%が集中する沖縄等が攻撃目標とされる。日本はミサイル防衛システムでこれを迎撃することになるが、本当に撃ち落とす事は不可能だ。例えば北朝鮮が8月3日、弾道ミサイル2発を秋田沖に落下させた際、日本政府が発表したのは1時間以上経った後。
破壊措置命令も出されなかった。9月5日、3発が北海道沖に落下させた際も、海上保安庁から船舶へ情報が出されたのは19分後で、落下した後だった。1兆5千億円以上の予算をつぎ込んできたミサイル防衛だが、まともに機能していないのである。しかも米軍は核基地空爆と同時にステルス機を使って平壌に迫り、更に韓国軍の地上部隊が38度線を超えて平壌に侵攻、金正恩を抹殺する計画もあるというが、こんな事を強行すれば、泥沼状態になるのは確実だ。軍事力の差を考えれば、平壌は数日で制圧できるかもしれないが、両軍ともに多数の犠牲者が出て、更に大量の難民流出が起きることは確実!しかも首都を制圧しても、金体制の残党によるテロが頻発する可能性もある。事実、過去アメリカのこうした軍事介入は尽く失敗している。アフガニスタンではタリバン政権転覆に成功したが、その後、同国内はバラバラになり、再びタリバン勢力が盛り返し、米軍は撤退を余儀なくされた。オサマ・ビンラディンを暗殺しても、テロはむしろ増えている。甚だしいのがイラクである。アメリカの軍事介入によって「イスラム国」という手のつけられないテロリスト集団を生んでしまった。 北朝鮮でも同様に、軍事的威圧作戦は問題解決にならないばかりか益々、制御不能の“化け物”を成長させてしまう危険すらある。 まさに悪夢のシナリオというしかないが、更に最悪なのが、安倍戦争政権がこの状況を警戒しているどころか、むしろ積極的に政治利用しようと手ぐすねを引いている事だ。 「今のところ、緊急事態条項からの改憲考えている安倍政権ですが、もし北朝鮮情勢が動けば、一気に本丸9条改正に向けて動き出すのは確実です。衆議院を解散し、北朝鮮危機を煽って議席の大半を独占。そのまま発議、国民投票にまで一気にもっていく。 既に、そのシミュレーションはできていると思いますよ」(政治評論家)
そして今の日本のメディアや世論の状況を見ていると、実際に事態が動いてしまったら、戦前の教訓から言っても、もう遅い。
安倍戦争政権とメディアが抱きつき合い、全ての報道が「先制攻撃論と9条改悪一色」に染まり、北朝鮮への武力行使に反対するものは「非国民」「反日」扱いされて排除される。そんな事態が現出するはずだ。これは決して妄想ではない。その意味で北朝鮮のミサイル実験を最も歓迎しているのは、本音で安倍(戦争)政権である事は、決して言い過ぎではない。(参考文献-日刊ゲンダイ/文責:民守 正義)
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(民守 正義)
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