リベラル勢力の再構築で安倍ファシズム政権退陣へ(69)
リベラル勢力の再構築で安倍ファシズム政権退陣へ(69)
《【暴虐の安倍政権】沖縄-東村高江「突然のオスプレイ用ヘリパット建設工事」強行等シリーズ9》
<陸自ヘリ、13日投入へ:米軍基地建設で異例の防衛相命令>
沖縄県の東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設工事を巡り、工事用の大型重機を搬入するため、政府が陸上自衛隊のCH47輸送ヘリを13日から投入した。稲田朋美防衛相が12日、陸自に大臣命令を出した。陸自木更津駐屯地の中央即応集団第1ヘリコプター団を投入。米軍施設建設のために自衛隊機が出動するのは異例で、既に住民らは、相当に反発している。中央即応集団は海外での特殊作戦等に従事する精鋭部隊で防衛大臣直轄の機動運用部隊。
昨年8月の米軍ヘリうるま沖墜落事故では、墜落した米陸軍のMH60ヘリに中央即応集団の「特殊作戦群」が同乗していた。ヘリ団も同部隊に属しており、木更津駐屯地で重機を運ぶ訓練をしていた。
沖縄防衛局は9日から民間の大型特殊ヘリで、重機を搬入してきた。
民間ヘリは重量5トンまでしか対応できないとされ、更に大型の重機を運ぶため、自衛隊ヘリの投入に踏み切った。陸自ヘリは複数の重機を数回に分けて運ぶ予定。環境影響評価(アセスメント)検討図書ではヘリによる重機の運搬は1日に「最大でも5回」「5回程度」と説明し、合計の空輸回数は「20回程度」としていた。防衛局は12日、アスファルトを敷きならすローラー車や倉庫のようなもの等7回の資材空輸を実施した。
これで合計「20回程度」の建設資材空輸の内17回を終えた事になる。 空輸作業は早ければ今週中に終了する見込み。陸自ヘリの投入や記載回数よりも多い空輸等、工事を急ぐ防衛省の姿勢が鮮明になっている。 アセス検討図書で示した回数よりも多く空輸をした理由について沖縄防衛局は同日夜現在、質問に回答していない。(基本文献-琉球新報/管理者:部分編集)
東村高江のヘリパッド建設のため、政府が民間ヘリを使って工事を強行したことについて、翁長知事は9日「到底容認できない」と批判した。
翁長知事は9日、防衛省で記者の質問に答え「事前に十分な説明もなく、一方的に工事を進めようとする政府の姿勢は、到底容認できるものではない」と政府が民間ヘリを使って資機材を空輸した事を強く批判した。
また知事は、軍転協の要請の場で稲田防衛大臣と就任後初めて面談。
要請で普天間基地の県外移設など基地負担軽減を求めた。
これに対し稲田防衛大臣は「沖縄の基地負担軽減については、しっかりと目に見える形で進めたいと思っている」と交した。
稲田防衛大臣は10日から沖縄を訪れる予定だったが、北朝鮮への対応を理由に中止した。(基本文献-琉球新報/管理者:部分編集)
【参考サイト:琉球朝日放送http://www.qab.co.jp/news/2016091083398.html】
<高江への自衛隊ヘリ投入は違法>
東村高江及び国頭村安波の米軍北部訓練場で行なわれているヘリパッド移設工事に、自衛隊ヘリコプター(CH−47)が投入されている件について、稲田朋美大臣の本命令が違法である事と、その理由を記したい。
1.そもそも人は生まれながらに基本的人権を享有している。国家であっても国家だからといって、法律に基づかなければ、国民の権利又は自由を侵害する事はできません。なぜ法律に基づくと許されるかといえば(損失補償は別)、それは選挙で選ばれた議員で構成される国会で創られるのが法律だからだ。警察や自衛隊のような実力行使機関は、容易に国民の権利又は自由を制限する事ができる。だから、その分厳格に制限しておく必要がある。他の機関に比べて特に注意が必要だ。また御存知のとおり日本には憲法9条がある。憲法9条2項は戦力の不保持を謳っている。政府は「自衛隊は軍ではない」という見解をとっているが、自衛隊の具体的な装備は、通常軍隊が用いている装備だ。例えば今回投入されたCH-47もそう。戦力の不保持を謳う憲法をもつ国が、軍隊が用いている装備を、むやみやたらに使っていいはずはない。以上を踏まえると国民の権利又は自由を侵害する行為と同じく、自衛隊の装備を用いる際は、法律に基づかなければならないということになる。
2.ネガティブリストとポジティブリスト
規則やルールには、ネガティブリストとポジティブリストのものがある。ネガティブリストとは「やってはならないこと」を書いて制限し、書かれていない事はやってよいとするもの。ポジティブリストとは「できること」を書き、書いていないことはやってはならないと制限するもの。
googleでネガティブリストとポジティブリストと検索したところ、一番、最初に出てきたウェブサイトが自衛隊法に関する説明だったのは何とも皮肉だが(笑)。それほど自衛隊法という法律が、ポジティブリスト、つまり自衛隊は法律に定められている事以外、する事はできないと広く考えられている。自衛隊法が、誰からも「ポジティブリスト」だと考えられている理由は、法律に書かれた文言それ自体からそう読めるという事に加え、上記1で述べた点があるからだと思われる。
3.自衛隊法の第6章(自衛隊の行動)
自衛隊法第6章(76条から86条)は、タイトルが「自衛隊の行動」となっているように、自衛隊ができる事を定めたポジティブリストです。しかし「自衛隊を米軍の施設工事のために出動させる事ができる」とは定めていない。稲田防衛大臣の命令は、法律に基づいていないことを自衛隊にさせるものであり違法だ。以下、詳細説明。
自衛隊法がポジティブリストであることは、第6章の定めの多くが「自衛隊に」●●を「命じることができる」「発することができる」「実施することができる」と定めていることから解る(1で述べた理由も合わせ考えると尚更です)。こういった法律は、国会で全て創られており、そこには立法趣旨がある。もし自衛隊は何でもできる事が原則、つまり自衛隊法がネガティブリストとして作られたのであれば、条文に一つ一つ「できる」と書くのは果てしなく無駄な作業だ。そのような無駄な作業を、国会がするはずはなく「できる」が並んでいるという事は、反対に書かれていないのは「できない」という趣旨なのだなと考えるのが法律の解釈(法学の常識)だ。因みに自衛隊ができる事として定められている事としては、防衛出動、国民保護等派遣、治安出動、警護出動、災害派遣、原子力災害派遣、等がある。災害派遣の定め(82条)があるのに、別に地方防災派遣(83条の2)、原子力災害派遣(83条の3)の定めがわざわざある事からも、自衛隊法第6章がポジティブリストである事の立証だ。また例えば警護出動(81条の2)は、自衛隊の施設を守るために自衛隊を出動する場合について定めているが、このときでさえ、命じる事ができるのは内閣総理大臣であり、しかもどういう場合に出動させられるかが厳密に規定されている。
自衛隊に自衛隊の施設を守らせる…。そこまで危険そうでない業務であるこういった活動でさえ厳密に定められている。以上で説明してきたように、自衛隊法はポジティブリスト、つまり「書いていない事はやってはならない」という法律であり、特に自衛隊法第6章はそうだ。
そして第6章に「米軍の施設工事のための出動命令」を根拠付けるものが見当たらない。よって稲田防衛大臣の今回の命令は法律に基づいていなく、この観点からも稲田防衛大臣の命令は違法だ。
4.個人の権利又は自由を制限する恐れの有無
同じくポジティブリストだと言われているのが、警察に関する法律だ。
例えば刑事訴訟法では令状主義が定められており、個人の権利又は自由を制限する恐れのある行為は「強制」とされ「強制」は令状がない限り許されない。他方、個人の権利又は自由を制限する恐れのない行為は、「任意」とされ、必ずしも個別に法律に基づかなくても許される場合があると解されている。高江では連日「任意」の名の下、機動隊員により車の前後に車止めを置かれたり、運転手の前に立ち塞がられたり、という行為が横行しているが、このような事は令状に基づかない「強制」であり明確な違法だ。さて自衛隊についても同じように「個人の権利又は自由を制限する恐れがない行為であれば、何をやってもいいじゃないか」という暴論がある。2007年、当時の久間防衛庁長官は自衛隊の掃海母艦「ぶんご」を辺野古に出動させ、環境現況事前調査を出動させたときに、久間防衛庁長官は「札幌雪祭りも自衛隊が応援している」とか「官庁間協力はできる。現在の法制で可能だ」と答弁している。先ず久間防衛庁長官の「官庁間協力はできる。現在の法制で可能だ」という答弁は、理由がなく稚拙なので無視する。(法律でできない事が、官庁間の協力だとできるようになるはずがない。問題は法律上許容されているか否かだ)札幌雪祭りの方はどう考えるかというと、それは個人の権利又は自由を制限する恐れが全くない場合だから許されるのであって、そうでない場合は話が別です。
以上を踏まえて今回のヘリ出動はどうか。今回CH−47が行っている行為は、沖縄防衛局が事業者であるヘリパッド移設工事の一部だ。「その下請けをしている」と言っても過言ではない。そしてヘリパッド移設工事は、高江の住民の権利又は自由を十二分に制限する恐れの多い行為だ。工事自体も騒音等を伴うものですし、完成する事でオスプレイの飛来が増え、騒音により健康被害が生じる事になる。よってCH−47の出動も、個人の権利又は自由を制限する恐れのある行為ですので許されない。「札幌雪祭り」と同様に考える事はできないという事だ。またヘリパッド移設工事とCH−47出動を切り離して考えたとしても(妥当な仮定ではないが)、違法だと思われる。先ずヘリコプターを飛ばせる時点で騒音と落下の危険の問題がある。実際、落下の恐れに備えて、県道を越えるときに県道に交通規制がかけられている。
「交通規制をかけている」という事は、落下の危険を認識しているという事だ。この時点で個人の権利又は自由を制限する「恐れ」があることは明々白々だ。更に、どうしてトラック等の重機をヘリコプターで運んでいるかと言えば、それは陸路で運ぶと市民から抗議され妨げられる恐れがあると考えたからだ。つまりヘリコプターによる空中輸送は、市民による抗議をさせない、その機会を奪うためになされた行為だ。空中から運ぶと、一見何の権利又は自由も制限していないように見えるが、その機会自体を奪うという態様で制限している事は明らかだ。よって、この観点からも稲田大臣の今回の命令は違法!
5.防衛省の言い分
沖縄タイムスによると、防衛省は防衛省設置法4条19号を根拠としている。防衛省設置法4条19号というのは、以下の条文です。
(所掌事務)
【防衛省設置法第4条】防衛省は、次に掲げる事務を掌る。
19.条約に基づいて日本国にある外国軍隊(以下「駐留軍」という。)の使用に供する施設及び区域の決定、取得及び提供並びに駐留軍に提供した施設及び区域の使用条件の変更及び返還に関すること。
*****
ご覧の通りナンノコッチャ?という感じ♪どうしてこうなるかというと、防衛省設置法というのは、防衛省の設置、任務及び所掌事務等を定めた「組織法」と呼ばれる法律だからだ。先ず、これは法解釈の大原則(極めて法学常識)だが、組織法は、個人の権利又は自由を制限する直接の法根拠ではなく、個人の権利又は自由を制限するには、別途の「制限根拠法が必要」となっている。よって、この時点で、この解釈はナンセンス!
それだけに、よりにもよって防衛省設置法の中の所掌事務、つまりお仕事リストを定めた条文を持ってくる解釈は、全く不合理だ。この条文は「防衛省のお仕事の一つが、米軍基地の施設や区域の決定や返還に関する事ですよ」と書いてあるだけであって、その仕事の実現のために何をやってもいいという定めでは全くない。仮に設置法の所掌事務に書いてある事は、その達成のために何をやってもいいと解釈するなら、恐らく日本の法律の殆どは存在意味がなくなる。何故なら当然ながら行政の全ては、どこかの省庁の所掌事務になっているからだ。こんな稚拙「0点」の解釈は許されない。
6.自衛隊法100条
もう一つの防衛省の反論として「自衛隊法100条に、土木工事に関する定めがある」と指摘する。具体的には以下の定めだ。
(土木工事等の受託)
【自衛隊法第100条】
1.防衛大臣は、自衛隊の訓練の目的に適合する場合には、国、地方公共団体その他政令で定めるものの土木工事、通信工事その他政令で定める事業の施行の委託を受け、及びこれを実施することができる。
2.前項の事業の受託に関し必要な事項は、政令で定める。
*****
確かに今回自衛隊が行ったのは、土木工事のお手伝い、と言えなくはない。そうすると、この100条が根拠になるかも?と思いがちだが、よく読んで頂きたい。100条には「自衛隊の訓練の目的に適合する場合」である事が条件とされている。ところが上記5の稲田防衛大臣のコメントによると、決して「訓練目的に適合するからやってみた」という事ではないようだ。そして、この条文があることの反対解釈として「自衛隊の訓練の目的に適合する場合」以外は許されないと解することができる。こんな、よく読めば判る【自衛隊法第100条】で反論気分になる法学音痴にもあきれるが、とにかくは、この点から見ても、稲田防衛大臣の命令は違法と言える。問題は今後、どうするかだが、管理者は直ちに翁長知事が「違法工事差し止め仮処分訴訟」を提起すべきと強く提案する。(参考文献-南山法律事務所/文責:民守 正義)
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《【暴虐の安倍政権】沖縄-東村高江「突然のオスプレイ用ヘリパット建設工事」強行等シリーズ9》
<陸自ヘリ、13日投入へ:米軍基地建設で異例の防衛相命令>
沖縄県の東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設工事を巡り、工事用の大型重機を搬入するため、政府が陸上自衛隊のCH47輸送ヘリを13日から投入した。稲田朋美防衛相が12日、陸自に大臣命令を出した。陸自木更津駐屯地の中央即応集団第1ヘリコプター団を投入。米軍施設建設のために自衛隊機が出動するのは異例で、既に住民らは、相当に反発している。中央即応集団は海外での特殊作戦等に従事する精鋭部隊で防衛大臣直轄の機動運用部隊。
昨年8月の米軍ヘリうるま沖墜落事故では、墜落した米陸軍のMH60ヘリに中央即応集団の「特殊作戦群」が同乗していた。ヘリ団も同部隊に属しており、木更津駐屯地で重機を運ぶ訓練をしていた。
沖縄防衛局は9日から民間の大型特殊ヘリで、重機を搬入してきた。
民間ヘリは重量5トンまでしか対応できないとされ、更に大型の重機を運ぶため、自衛隊ヘリの投入に踏み切った。陸自ヘリは複数の重機を数回に分けて運ぶ予定。環境影響評価(アセスメント)検討図書ではヘリによる重機の運搬は1日に「最大でも5回」「5回程度」と説明し、合計の空輸回数は「20回程度」としていた。防衛局は12日、アスファルトを敷きならすローラー車や倉庫のようなもの等7回の資材空輸を実施した。
これで合計「20回程度」の建設資材空輸の内17回を終えた事になる。 空輸作業は早ければ今週中に終了する見込み。陸自ヘリの投入や記載回数よりも多い空輸等、工事を急ぐ防衛省の姿勢が鮮明になっている。 アセス検討図書で示した回数よりも多く空輸をした理由について沖縄防衛局は同日夜現在、質問に回答していない。(基本文献-琉球新報/管理者:部分編集)
<高江民間ヘリ空輸 知事「到底容認できない」>
東村高江のヘリパッド建設のため、政府が民間ヘリを使って工事を強行したことについて、翁長知事は9日「到底容認できない」と批判した。
翁長知事は9日、防衛省で記者の質問に答え「事前に十分な説明もなく、一方的に工事を進めようとする政府の姿勢は、到底容認できるものではない」と政府が民間ヘリを使って資機材を空輸した事を強く批判した。
また知事は、軍転協の要請の場で稲田防衛大臣と就任後初めて面談。
要請で普天間基地の県外移設など基地負担軽減を求めた。
これに対し稲田防衛大臣は「沖縄の基地負担軽減については、しっかりと目に見える形で進めたいと思っている」と交した。
稲田防衛大臣は10日から沖縄を訪れる予定だったが、北朝鮮への対応を理由に中止した。(基本文献-琉球新報/管理者:部分編集)
【参考サイト:琉球朝日放送http://www.qab.co.jp/news/2016091083398.html】
<高江への自衛隊ヘリ投入は違法>
東村高江及び国頭村安波の米軍北部訓練場で行なわれているヘリパッド移設工事に、自衛隊ヘリコプター(CH−47)が投入されている件について、稲田朋美大臣の本命令が違法である事と、その理由を記したい。
1.そもそも人は生まれながらに基本的人権を享有している。国家であっても国家だからといって、法律に基づかなければ、国民の権利又は自由を侵害する事はできません。なぜ法律に基づくと許されるかといえば(損失補償は別)、それは選挙で選ばれた議員で構成される国会で創られるのが法律だからだ。警察や自衛隊のような実力行使機関は、容易に国民の権利又は自由を制限する事ができる。だから、その分厳格に制限しておく必要がある。他の機関に比べて特に注意が必要だ。また御存知のとおり日本には憲法9条がある。憲法9条2項は戦力の不保持を謳っている。政府は「自衛隊は軍ではない」という見解をとっているが、自衛隊の具体的な装備は、通常軍隊が用いている装備だ。例えば今回投入されたCH-47もそう。戦力の不保持を謳う憲法をもつ国が、軍隊が用いている装備を、むやみやたらに使っていいはずはない。以上を踏まえると国民の権利又は自由を侵害する行為と同じく、自衛隊の装備を用いる際は、法律に基づかなければならないということになる。
2.ネガティブリストとポジティブリスト
規則やルールには、ネガティブリストとポジティブリストのものがある。ネガティブリストとは「やってはならないこと」を書いて制限し、書かれていない事はやってよいとするもの。ポジティブリストとは「できること」を書き、書いていないことはやってはならないと制限するもの。
googleでネガティブリストとポジティブリストと検索したところ、一番、最初に出てきたウェブサイトが自衛隊法に関する説明だったのは何とも皮肉だが(笑)。それほど自衛隊法という法律が、ポジティブリスト、つまり自衛隊は法律に定められている事以外、する事はできないと広く考えられている。自衛隊法が、誰からも「ポジティブリスト」だと考えられている理由は、法律に書かれた文言それ自体からそう読めるという事に加え、上記1で述べた点があるからだと思われる。
3.自衛隊法の第6章(自衛隊の行動)
自衛隊法第6章(76条から86条)は、タイトルが「自衛隊の行動」となっているように、自衛隊ができる事を定めたポジティブリストです。しかし「自衛隊を米軍の施設工事のために出動させる事ができる」とは定めていない。稲田防衛大臣の命令は、法律に基づいていないことを自衛隊にさせるものであり違法だ。以下、詳細説明。
自衛隊法がポジティブリストであることは、第6章の定めの多くが「自衛隊に」●●を「命じることができる」「発することができる」「実施することができる」と定めていることから解る(1で述べた理由も合わせ考えると尚更です)。こういった法律は、国会で全て創られており、そこには立法趣旨がある。もし自衛隊は何でもできる事が原則、つまり自衛隊法がネガティブリストとして作られたのであれば、条文に一つ一つ「できる」と書くのは果てしなく無駄な作業だ。そのような無駄な作業を、国会がするはずはなく「できる」が並んでいるという事は、反対に書かれていないのは「できない」という趣旨なのだなと考えるのが法律の解釈(法学の常識)だ。因みに自衛隊ができる事として定められている事としては、防衛出動、国民保護等派遣、治安出動、警護出動、災害派遣、原子力災害派遣、等がある。災害派遣の定め(82条)があるのに、別に地方防災派遣(83条の2)、原子力災害派遣(83条の3)の定めがわざわざある事からも、自衛隊法第6章がポジティブリストである事の立証だ。また例えば警護出動(81条の2)は、自衛隊の施設を守るために自衛隊を出動する場合について定めているが、このときでさえ、命じる事ができるのは内閣総理大臣であり、しかもどういう場合に出動させられるかが厳密に規定されている。
自衛隊に自衛隊の施設を守らせる…。そこまで危険そうでない業務であるこういった活動でさえ厳密に定められている。以上で説明してきたように、自衛隊法はポジティブリスト、つまり「書いていない事はやってはならない」という法律であり、特に自衛隊法第6章はそうだ。
そして第6章に「米軍の施設工事のための出動命令」を根拠付けるものが見当たらない。よって稲田防衛大臣の今回の命令は法律に基づいていなく、この観点からも稲田防衛大臣の命令は違法だ。
4.個人の権利又は自由を制限する恐れの有無
同じくポジティブリストだと言われているのが、警察に関する法律だ。
例えば刑事訴訟法では令状主義が定められており、個人の権利又は自由を制限する恐れのある行為は「強制」とされ「強制」は令状がない限り許されない。他方、個人の権利又は自由を制限する恐れのない行為は、「任意」とされ、必ずしも個別に法律に基づかなくても許される場合があると解されている。高江では連日「任意」の名の下、機動隊員により車の前後に車止めを置かれたり、運転手の前に立ち塞がられたり、という行為が横行しているが、このような事は令状に基づかない「強制」であり明確な違法だ。さて自衛隊についても同じように「個人の権利又は自由を制限する恐れがない行為であれば、何をやってもいいじゃないか」という暴論がある。2007年、当時の久間防衛庁長官は自衛隊の掃海母艦「ぶんご」を辺野古に出動させ、環境現況事前調査を出動させたときに、久間防衛庁長官は「札幌雪祭りも自衛隊が応援している」とか「官庁間協力はできる。現在の法制で可能だ」と答弁している。先ず久間防衛庁長官の「官庁間協力はできる。現在の法制で可能だ」という答弁は、理由がなく稚拙なので無視する。(法律でできない事が、官庁間の協力だとできるようになるはずがない。問題は法律上許容されているか否かだ)札幌雪祭りの方はどう考えるかというと、それは個人の権利又は自由を制限する恐れが全くない場合だから許されるのであって、そうでない場合は話が別です。
以上を踏まえて今回のヘリ出動はどうか。今回CH−47が行っている行為は、沖縄防衛局が事業者であるヘリパッド移設工事の一部だ。「その下請けをしている」と言っても過言ではない。そしてヘリパッド移設工事は、高江の住民の権利又は自由を十二分に制限する恐れの多い行為だ。工事自体も騒音等を伴うものですし、完成する事でオスプレイの飛来が増え、騒音により健康被害が生じる事になる。よってCH−47の出動も、個人の権利又は自由を制限する恐れのある行為ですので許されない。「札幌雪祭り」と同様に考える事はできないという事だ。またヘリパッド移設工事とCH−47出動を切り離して考えたとしても(妥当な仮定ではないが)、違法だと思われる。先ずヘリコプターを飛ばせる時点で騒音と落下の危険の問題がある。実際、落下の恐れに備えて、県道を越えるときに県道に交通規制がかけられている。
「交通規制をかけている」という事は、落下の危険を認識しているという事だ。この時点で個人の権利又は自由を制限する「恐れ」があることは明々白々だ。更に、どうしてトラック等の重機をヘリコプターで運んでいるかと言えば、それは陸路で運ぶと市民から抗議され妨げられる恐れがあると考えたからだ。つまりヘリコプターによる空中輸送は、市民による抗議をさせない、その機会を奪うためになされた行為だ。空中から運ぶと、一見何の権利又は自由も制限していないように見えるが、その機会自体を奪うという態様で制限している事は明らかだ。よって、この観点からも稲田大臣の今回の命令は違法!
5.防衛省の言い分
沖縄タイムスによると、防衛省は防衛省設置法4条19号を根拠としている。防衛省設置法4条19号というのは、以下の条文です。
(所掌事務)
【防衛省設置法第4条】防衛省は、次に掲げる事務を掌る。
19.条約に基づいて日本国にある外国軍隊(以下「駐留軍」という。)の使用に供する施設及び区域の決定、取得及び提供並びに駐留軍に提供した施設及び区域の使用条件の変更及び返還に関すること。
*****
ご覧の通りナンノコッチャ?という感じ♪どうしてこうなるかというと、防衛省設置法というのは、防衛省の設置、任務及び所掌事務等を定めた「組織法」と呼ばれる法律だからだ。先ず、これは法解釈の大原則(極めて法学常識)だが、組織法は、個人の権利又は自由を制限する直接の法根拠ではなく、個人の権利又は自由を制限するには、別途の「制限根拠法が必要」となっている。よって、この時点で、この解釈はナンセンス!
それだけに、よりにもよって防衛省設置法の中の所掌事務、つまりお仕事リストを定めた条文を持ってくる解釈は、全く不合理だ。この条文は「防衛省のお仕事の一つが、米軍基地の施設や区域の決定や返還に関する事ですよ」と書いてあるだけであって、その仕事の実現のために何をやってもいいという定めでは全くない。仮に設置法の所掌事務に書いてある事は、その達成のために何をやってもいいと解釈するなら、恐らく日本の法律の殆どは存在意味がなくなる。何故なら当然ながら行政の全ては、どこかの省庁の所掌事務になっているからだ。こんな稚拙「0点」の解釈は許されない。
6.自衛隊法100条
もう一つの防衛省の反論として「自衛隊法100条に、土木工事に関する定めがある」と指摘する。具体的には以下の定めだ。
(土木工事等の受託)
【自衛隊法第100条】
1.防衛大臣は、自衛隊の訓練の目的に適合する場合には、国、地方公共団体その他政令で定めるものの土木工事、通信工事その他政令で定める事業の施行の委託を受け、及びこれを実施することができる。
2.前項の事業の受託に関し必要な事項は、政令で定める。
*****
確かに今回自衛隊が行ったのは、土木工事のお手伝い、と言えなくはない。そうすると、この100条が根拠になるかも?と思いがちだが、よく読んで頂きたい。100条には「自衛隊の訓練の目的に適合する場合」である事が条件とされている。ところが上記5の稲田防衛大臣のコメントによると、決して「訓練目的に適合するからやってみた」という事ではないようだ。そして、この条文があることの反対解釈として「自衛隊の訓練の目的に適合する場合」以外は許されないと解することができる。こんな、よく読めば判る【自衛隊法第100条】で反論気分になる法学音痴にもあきれるが、とにかくは、この点から見ても、稲田防衛大臣の命令は違法と言える。問題は今後、どうするかだが、管理者は直ちに翁長知事が「違法工事差し止め仮処分訴訟」を提起すべきと強く提案する。(参考文献-南山法律事務所/文責:民守 正義)
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/「60のゆりかご」等
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/703357053152290/
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/videos/1112780018803774/
(民守 正義)
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