リベラル勢力総結集で政権交代!(405)

《Ken Sway Kenと管理者の【緊急事態条項等、憲法改悪阻止】》

《【スラップ訴訟】役所がスラップ訴訟・排除の空気満ちる国/阿部岳(『沖縄タイムス』記者)》

 自治体が、批判的な住民に対して「名誉毀損で訴えてやる!」と息巻く。
 人口約5万5000人の沖縄宮古島市で起きた騒動は、タガが外れた今の日本政治を象徴している。発端は2014年度に実施された不法投棄ごみの撤去事業だった。
 市は撤去が終わったことにして「ごみゼロ宣言」をしたが、実際には大量のごみが残されていた。住民6人は「業者との契約が高額すぎる」として、下地敏彦市長や市職員に事業費約2250万円の返還を求める住民訴訟を起こした。だが一審、二審で契約自体に違法性はないと判断され、最高裁で敗訴が確定した。市は、住民側が敗訴後の報告会でも、まだ市を批判し、名誉を傷つけたと主張する。しかし、この事業を巡っては刑事裁判で市職員がゴミ計量票を偽造して市議会に提出したとして、有罪が確定している。
 杜撰な事務があった事は事実だった。それに住民側が矛先を向けたのは役所全体でも、全住民でもなく、下地市長や一部の職員だけだった。下地市長や職員個人ならまだしも、市が原告になるのはおかしい。沖縄の保守派リーダーで、安倍政権にも近い下地市長。
 自身のメンツと市全体の名誉を混同して住民に対する「報復」に出たとみられても仕方がない。1100万円の損害賠償を求める提訴議案は、市議会9月定例会に提出された。
 だが野党議員だけでなく多数を占める与党議員からも「市政に批判的な市民の活動を止めたいというのが本音」と疑問の声が上がった。民法と刑法の条文を取り違えて記載するなど議案の初歩的ミスも次々に発覚し、9月18日に撤回を余儀なくされた。
 市の一連の対応には「役所は監視されて当然」という前提が欠けている。
 力の強い役所が一度でも間違えれば被害は大きくなるし、使っているお金は皆のものだ。
 批判は一旦、受け止め、間違っているなら事実を説明すればよい。今回の提訴騒動は、力の弱い相手を脅し、疲弊させ、黙らせるスラップ訴訟の典型だと批判された。
 スラップ訴訟の「活用」では、既に国が先んじている。東村高江の米軍ヘリパッド建設に反対した住民に対し、沖縄防衛局が2008年、通行妨害禁止を求める仮処分を申し立てた。
 内1人に対しては最高裁で国勝訴が確定してしまった。本来、権力は抑制的に使うべきものだ。その力は主権者から借りているだけで、一時の代行者にすぎない政治家や官僚の恣意を疑われてはいけない。だが現実には、ブレーキの利かない権力行使が主権者の知る権利や表現の自由、ひいては民主主義を脅かしている。ブレーキが利かない理由は、敵か味方か、という単純な二元論の蔓延が大きい。内輪でなれ合い、外敵と看做した相手には容赦なく攻撃を加える。安倍(戦争)首相が「こんな人達に負ける訳にはいかない」と言ったのは、排除の空気に支配された日本の現状をよく表している。首相から市長まで、悲しいかな、その姿勢のままで選挙に勝ててしまう。「全て公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」。憲法15条を、政治家も主権者も読み返したい。


《【孤独死】「私を引き取る人がいません」忘れられない一通の遺書》

 40万人近くが暮らす神奈川県横須賀市。米軍基地が広がり、東京や横浜のベッドタウンとなっている。ここで孤独死や高齢者の孤立対策に取り組む横須賀市福祉部福祉専門官の北見万幸さんは、忘れられない一通の遺書をいまも机の中にそっとしまっている。
 横須賀市郊外にある無縁納骨堂。壁一面に多くの遺骨が並ぶ。いずれも引き取り手はいない。「生前の希望が一人一人、必ずあったと思う。なのに、それを叶える事ができず、ここに納められてしまった…」。記者を案内しながら、北見さんが呟く。こうした、身元が判明しているのに引き取り手のない遺骨は全国的に急増しているとされ、横須賀市では1993年頃から増え始め、2003年頃から急増したという。遺体発見後、引き取り手が見つからない場合、横須賀市では一旦、公費で火葬にした後、市役所内の仮安置所に1年ほど遺骨を保管。その間に住民票等を手がかりに親族の連絡先を探し、引き取りを依頼する。だが実際に引き取る遺族は少ないのが実情で、最後には、この無縁納骨堂に納められるという。

<いくつも「縁」の字>

 定年後も再任用された北見さんが、この問題に拘り続けているのは何故か。
 話は15年8月に遡る。厚紙の裏の白地に鉛筆で書かれた文字。幾つも「縁」という文字が書き連ねられている。これは横須賀市の築60年以上のアパートで独り亡くなった70代の男性が書き残した遺書。文面は、こうあった。「私し死亡の時15万円しかありません。火葬と無縁仏にしてもらえませんか。私を引き取る人がいません」男性の遺体が見つかって約7カ月後。現場となったアパートを訪れ、遺品を整理していた際、机の上の長方形の缶の中から見つかったものだ。自分の遺体を見つけるであろう見知らぬ誰かに、意思を伝えようと何回も練習したのだろう。書き直した形跡が幾つもあった。「なんてことだ。しまったことをした」北見さんは、遺書を見つけた際、こんな罪悪感に苛まれた。
 遺書に書かれていた通り、引き取り手はなく、市が公費で火葬。だがそもそも市では宗教行為ができないため、「仏」にする供養はできない。例え独り身で亡くなるのを想定して葬式代を残したとしても、相続人ではない市はそのお金を自由にできない。
 このケースを通じて、北見さんは確信する。「やっぱり、本人の望む形で供養するサポート事業は必要だ。誰も一人にしてはいけない」

<「最後の願いを叶えたい」>

 男性の遺骨は後日、市内のある寺で引き取ってもらった。寺の住職に遺書を見せたところ、「自分の寺の合葬墓で供養するのが宗教者としての道」と言ってくれた。
「『仏にしてくれ』という最後の願いを叶えたい。横須賀市の終活支援事業の原点として、この遺書は今も保管し続けているのです」と北見さんは言う。この遺書が見つかってから約2年。横須賀市で「わたしの終活登録事業」がスタートした。これは年齢や所得、資産の有無に関係なく、希望者全員が対象。緊急連絡先や葬儀・納骨・遺品整理の生前契約、遺言書の保管先や墓の所在地まで登録できる。きめ細かく希望を把握しておけば、いざという時、その意思を叶えられる。北見さんはこう考え、この事業を発案した。
 これまで10~90代の約160人から登録の申し込みがあり、内容は①緊急連絡先②かかりつけ医③墓の所在地④葬儀・納骨の順に多かった。だが緊急連絡先については、申し込んだ内4人が書くことができなかったという。北見さんは「申し込みに来ている人でも既に緊急連絡先が書けない人がいる。一人一人が持っている優しさや温かみは変わらないと思う。結局、人の繋がりの『質』ではなくて『量』そのものが減っている」と強調する。
 横須賀市の人口の内、65歳以上の住民が占める高齢化率は約30%と、全国平均の約26%を上回る。今後「超高齢化社会」を迎える中、引き取り手のない遺骨は益々、増えるおそれがある。これに歯止めをかけようと、北見さんは依頼があれば講演に出向き、こうした取り組みをPRしている。日本国憲法19条と20条には思想、信教の自由が定められている。
 北見さんはこの条文に触れ、こう訴えた。「一番大切だと思うのは、誰もが自分の意思を叶えられる葬送。それが人の尊厳を守るという事だから。私達の事業が完璧とは言わないが、他の自治体にも何とか同様の仕組みが広がっていけばいいと思います。これは今そこにある危機なのです」(基本文献-朝日新聞)


《【「表現の不自由」考】「責任を役人に押しつけた官邸」/前川喜平(元文科事務次官)》

 愛知県で開催された「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が一時中止に追い込まれ、補助金約7800万円が不交付となった問題について、元文部科学事務次官の前川喜平さんは「不交付には政権の意向が影響している。このままでは政治による文化統制が進んでしまう」と懸念を訴える。その真意を尋ねた。

<「決裁者」=「決定者」ではない>

Q:補助金不交付を決めたのは誰だと考えますか。
◆10月15日の参院予算委員会で、不交付の決裁を誰がしたかが問題となりました。
 文化庁の宮田亮平長官は「私はしていない」と答弁し、実際に押印したのは部下の審議官だったことが明らかになりました。文化庁の内部規定では、軽微な案件であれば長官でなくとも決裁できます。この件を軽微だと判断した理由はわかりませんが、「展示の内容ではなく、申請手続きの不備という軽微な点を考慮した」と強調したいのかもしれません。
 ですが、文化庁は文科省の外局であり、文化庁長官は文科相の部下です。
 その意味で、決定の実質的な責任は萩生田光一文科相にあります。萩生田さんは「私は指示していない」等と発言していますが、これほど社会問題になった案件を役人だけで判断する訳がありません。一旦、交付を認めておきながら後で採択しないのは異例です。
 そんな判断を役人がする等、通常はありえないからです。

<役人が勝手に判断する事は有り得ない>

Q:もっと上の立場で判断したということでしょうか。
◆そう思います。「不自由展」が中止になる直前、菅義偉官房長官は記者会見で「審査の時点では具体的な展示内容の記載はなかった」「事実関係を確認、精査して適切に対応する」と述べています。これは明らかに、展示内容を問題視する発言で、内閣として共有していた姿勢です。結局政治、つまり安倍晋三首相ら官邸が判断したとみていいと思います。
 何故なら、不交付を決めれば安倍首相が野党から追及されるのは間違いない。
 そういう事案について、安倍首相の了承なく勝手に判断する事は有り得ません。
 首相に話が通っているとみていいと思います。安倍政権は「手続きに瑕疵があったから役人が決めた」という印象付けをしたいのでしょう。「忖度」という言葉が広まった森友・加計問題もそうでした。財務省の官僚が文書を改竄しましたが、安倍政権は役人に責任を押し付けました。「役人がやったこと」にするのは安倍政権の特徴です。

<不交付の理由に説得力無し>

Q:不交付決定の理由をどう考えますか。
◆文化庁は「会場の安全や円滑な運営を脅かすような重大な事実を認識していたにも関わらず申告しなかった」等と説明していますが、これは「後出し」の理由で、法的根拠も極めて薄弱で説得力に欠けます。私が問題視しているのは次の七つです。
①「会場にガソリンをまく」という脅迫を、愛知県が文化庁への実施計画書提出の段階で認識していたとは考えられない。②県が仮に脅威を認識していたとしても、実施計画書の様式に安全確保の項目はなく、そうしたことの申告は求められていなかった。
③文化庁は法的根拠として補助金適正化法6条を挙げているが、法が定める、どの事由に該当するかが不明。④トリエンナーレを補助事業に採択した際は外部審査委員による審査があったのに、不交付決定には外部審査委員の関与がなかった。
⑤「不自由展」は再開できたのに、不交付決定の見直しをしなかった。
⑥「不自由展」以外の展示はおおむね予定通りに行われたのに、全額を不交付とした。
⑦不交付とした意思決定過程の記録がない。
 これだけ多くの問題点が生じたのは、「展示内容が不快だから不交付」という政治判断が前提としてあるのに、「展示内容を問題にした」という批判を避けようと、役人が無理やり知恵を絞らせられたからだと思います。実施計画の採択は外部有識者の審査を経ています。
 補助金を不交付にするなら、再度、外部有識者の審査があってしかるべきです。
 それをしなかったのは有識者から異論が出る可能性があったからではないでしょうか。
 意思決定の記録が残っていないのも「天から降ってきた」決定だからでしょうね。

<政治による文化統制につながる>

Q:今回の決定はどんな意味を持つでしょうか。
◆影響は非常に大きいと思われます。芸術関係者の間に「政府の意に沿わない活動は財政支援されない」という認識が広がり、政治による文化統制に繋がっていくでしょう。
 イギリスには「アーツカウンシル」というシステムがあります。そこでは芸術文化への政治介入を避けるため、具体的にどの芸術に助成するかを専門家の判断に委ねます。
 日本も「日本版アーツカウンシル」の構築を進めていますが、政治から距離を置くというより、芸術活動への助成の検証や改善等に主眼が置かれているのが実情です。

<河村・名古屋市長の考えは誤り>

Q:名古屋市の河村たかし市長等は「補助金を交付すると、行政が展示内容を認めた事になる」という主張をしています。
◆その考えは誤りです。もし今回の「不自由展」に不快感を持つ人が多数であったとしても、多数が少数の表現の自由を奪う事はあってはなりません。人権の制約は多数決では、できないのです。芸術展に予算が使われるのは「芸術には対立する考えや多様性が必要」という発想が根底にあり、その発表の場を確保するのが目的だからです。言い換えれば、税金が投入された公共の場でこそ、多様な表現が許容されねばなりません。
 だから愛国的な芸術作品の展示があったとしても、それは問題ないのです。
 そもそも芸術家、特に若手は芸術だけで生活をしていくのが非常に難しい。
 そういう意味でも、国が積極的に多様な表現の場を認めて支援しなければなりません。

<表現の自由の認識が薄い社会>

Q:文科省の見識も問われています。
◆その通りです。憲法には表現の自由、思想信条の自由、信教の自由、学問の自由など民主社会に不可欠な「精神的自由」が列挙されています。もちろん今回のような芸術の自由も含まれます。文科省にはこれらの自由を守る責任があるのです。一方で日本社会には精神的自由を守らねばならないという共通認識が弱いように思えてなりません。
 フランスの哲学者、ボルテールは「私は貴方の意見には反対だ。だが貴方が、それを主張する権利は命をかけて守る」と言いました。この価値観が根付いてほしいですね。
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《「日の丸・君が代」強制反対・大阪ネットの当面の日程》

11/9(土)君が代強制反対キリスト者の集い「即位礼・大嘗祭に異議あり」
                       (14時~東梅田教会)
 14(木)「大嘗祭は違憲だ!」集会(18時~中央公会堂前水上ステージ)
     →19:10~デモ〔西梅田公園〕
 16(土)声をあげよう!弾圧許すな!関生弾圧反対集会(14時~西梅田公園)
     →16時~デモ〔雨天決行〕
 17(日)岡本朝也さん講演会「なぜ『日の丸』『君が代』に反対するのか~植民地支配の問題から考える」(14時~高槻生涯学習センター)


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