「戦争法-暴力採決(?)」の怨念-チャンネルが切り替わらなくて(1)
「戦争法-暴力採決(?)」の怨念-チャンネルが切り替わらなくて(1)
《アベノミクスは既に破綻》
安倍(戦争)総理は9月21日「戦争法-暴力採決(?)」のダーティーイメージを打ち消すように「次は経済だ!」と表明したが、事は経済問題だけにマスコミは「戦争関連法案-記者会見」のときのように「ドッコイショ持ち上げキャンペーン」をはらず「やや慎重」な報道を行った。現実、安倍(戦争)総理は国会-野党質問でも「戦争法案」と「アベノミクスの失敗」と言われると一々、反発していたが、しかし本人が如何に「アベノミクス第二ステージ-新三本の矢」と掛け声を出しても、実際の経済状況は「デフレからの脱却」どころか、むしろ「株価をはじめとした経済恐慌」も取沙汰される始末だ。私は既に本年8~9月頃には「アベノミクスは失敗しており、経済政策の発想からの大転換を図らないと出口の見えない混迷または恐慌の可能性もある」と言うのが見立てだ。いずれにしても最近では安倍(戦争)総理自身が、あまり「バラ色のアベノミクス」とは言わず、遠慮がちだ。「戦争法-暴力採決(?)」への国民の怒りムードをそらそうとしたい安倍(戦争)総理。ところが、そう簡単にチャンネルが切り替わらない。最近では臨時国会召集要請も憲法違反-無視して不要・不急の外遊で野党追及の「逃げ」に入っている。そこで本日から「『戦争法-暴力採決(?)』の怨念-チャンネルが切り替わらなくて」と題して「アベノミクスへの幻想と政策破綻」をシリーズで提供する。
なお本シリーズは上記基本見解に基づき情報提供するものであり、純粋に経済学的に論証が弱く稚拙な点が多々あることは、お許し願いたい。
<現状の基本認識>
そもそも現在の経済状態をどう評価すべきか。経済学者でも安倍政権のブレーンとも言われる御用経済学者清水啓典・竹中平蔵・高橋洋一・上念司・浜田宏一・田中秀臣等は除き、一般的なリベラル経済学者の共通的基本認識は「インフレとデフレとの交錯状況の中で、国内企業物価指数の内、最終財はデフレ、素原材料はインフレと言うネジレが生じており、原材料高騰を製品価格に転嫁できない状況の中で、結果的に賃金指数や給与所得の低迷から回復できない状況にある」(寺島実郎)「デフレーションを解決することが最優先課題であり、そのためには内需拡大こそ重要である」(中野剛志)とか「デフレとは、物価の下落と需要の縮小が同時に進行する状態である。その消費悪循環が個人消費の低迷-不況の長期化・固定化を招いている」(森永卓郎)と概ね、長期化する個人消費の低迷(but大企業は巨大な内部留保を溜め込み、本来の設備投資・賃金UP等の資本主義実体経済上の投資には活用していない)が、今日の「デフレ不況」の主原因としている。
次に筆者=民守の基本認識は、1990年前後からの約20年間のバブル経済が崩壊して、企業は大企業を中心に大幅な人件費抑制・大量雇用調整等によりバブル経済の投機損を労働者に転嫁する事で乗り切り、その後、一定の景気回復・後退を繰り返すも企業の経済活動は「総人件費抑制」を基調に国内的には賃金抑制と非正規雇用への転換等を図り、国外的には、より人件費の安い発展途上国への工場移転等を図った。その結果、国内的には実質賃金の目減りと個人購買力の冷え込みが固定化され、国外的には相対的に現地労働者の賃金上昇により然程の採算が合わず、企業の内部留保も次の設備投資・生産拡大に投資するよりも保険的に溜め込んだままで、企業の経済活動(資金)の行き詰まり・資金流動の鈍化状態=従来の成長型発想では出口の見えない「デフレ不況の長期化・固定化」の基本要因となっている。論理構造は他のリベラル経済学者と違い、私の方が当然、稚拙だと思うが「低賃金・不安定雇用⇒個人消費の低下⇒デフレ不況」の着眼点は共通している。
<「アベノミクス」とは何か>
【アベノミクスの「新三本の矢」と、その評価】
安倍(戦争)総理は9月25日、冒頭のチャンネル切り替えを狙いに「アベノミクスは第二ステージに移行した」として下記「新三本の矢」をセンセーショナルに発表した。しかし下記「新三本の矢」は「目指す」程度の目標数値で、その目標達成期限や具体プロセスは示されていない。発表と同時に国内外からの評価は「非現実的」「まやかし」等々の冷笑で迎えられ「参議院選挙向けのプロパガンダ」と酷評する声は多い。
①希望を生み出す強い金融政策⇒具体目標GDP600兆円:必要な名目GDP成長率3.4%
(現状491兆円:実質的な年換算GDP成長率0.4%)
〔評価〕言うまでも無く現状でも名目GDP491兆円:GDP成長率「0%前後」で、加えて急激にGDPを押し上げる好材料も無く、ハッキリ言って「無理」どころか「発表と同時に破綻」が大勢の評価だ。加えてGDP成長率の顕著な経済指標として株価があるが、この間の株価は一時はダウ平均株価が2万円に届き、安倍(戦争)総理も「アベノミクスは好調」と小躍りしたが、その後、再び急落し乱高下を繰り返している。この株価乱高下の基本要因は中国バブル経済の反映に加え、実体経済と関りなく日銀の金融緩和政策(貨幣の増刷・国債の乱発等)による株価買い支え自体が目標化(官製バブル)されたことによる。しかし、この国債の発行総額は来年度180兆円超、累積国債発行総額が800兆円以上となり、加えて従来では国債発行と国債借り受けが日銀と国内金融投資機関が殆どであって国内トータルとしては「貸し借りトントン」だったのが、最近では海外金融投資機関(中国・米国等)にも借り受け依存しているなど「日銀(中央銀行)の破綻(金融恐慌)」も危惧されてきている。なお安倍(戦争)総理はGDP成長目標達成のために経団連に「賃上げ要請」を行い経団連会員企業も一定、これに応えたが、そもそも賃上げの社会的波及効果が喪失してきているのは労働側の春闘賃上げで実証済みであり、大企業の中でも限られた経団連会員企業が賃上げに応えても90%以上の中小企業に波及しなかったのは当然のことである。
安倍(戦争)総理は最近、最低賃金の年次引き上げを要請している。着眼点は悪くないが、そもそも最低賃金は各都道府県単位にある「最低賃金審議会」で決定されるものであり総理大臣の関与権限はない。また独裁的圧力で「要請」だとすると、それはそれで「政治闘争課題」になることを安倍(戦争)総理は認識しなければならない。
②子育て支援⇒具体目標:合計特殊出生率1.8に回復(現状1,4)
〔評価〕(1)合計特殊出生率1,4を1.8にも上昇させる事はマクロ的に容易い事でなく、安倍(戦争)総理は、そのための具体施策として「幼児教育の無償化、結婚支援や不妊治療支援」を掲げているが、あまりも「安易発想」でお粗末過ぎる。現に野田聖子議員(自民)は「そもそも女性観自体、差別的」と厳しい評価コメントを発している。
(2)「少子化」の根本原因は、既に社会常識で言い尽くされている「子供を生めない、育てられない」労働・経済状況にあり、具体的には直近の雇用者数・雇用率は若干の改善が見られたものの、全体的なトレンドとしての労働力人口(就業者数)は減少傾向にあり、前述の「直近の雇用者数・雇用率は若干の改善」も、その具体要因は「季節的な新規学卒採用者と非正規雇用の増加」にあることは厚生労働省も認めているところである。
(3)しかるに「少子化」の具体施策が「幼児教育の無償化、結婚支援や不妊治療支援」というピンボケ施策であり、その一方「子供を生めない、育てられない」労働・経済状況を一層、促進する「労働者派遣法の改悪」や、次期国会で、またもや審議予定されている「残業代ボッタクリ法案」等、真逆の施策を遂行しており「なお顕著化する格差拡大」も含めて実態施策は「少子化促進施策」と言わざるを得ない。
③社会保障⇒具体目標:介護離職ゼロ
〔評価〕(1)これも前記「②子育て支援」よりも具体性がなく、現実の「介護実態・労働環境」等には恣意的と言わざるを得ないほど触れず、なんと「働く意欲がある高齢者への就業機会を増やす」と抽象的、的外れの「タワ言」を述べているだけである。
(2)介護離職の根本原因は、前記「②子育て支援」と同様に「育児・介護休業法」が有名無実と言っていいほど、殆どの企業で「介護休業」を取得できる実態になく、本法の行政指導等権限を有する各都道府県労働局雇用均等室も極めて甘い(人員不足も含めて)のが最大理由である。加えて国の「介護方針」も①本年度から全体で4.48%と大幅な介護報酬引き下げが行われており②更に「居宅サービスが基本」と明確化し「公的介護施設の拡充」は事実上、放棄されたこと、③元々、介護労働者の賃金・労働条件が相当に低く人材不足な上に「介護労働者の処遇改善加算」については本年度から一定、引き上げられたものの、事業主を通じた措置であることから「経営改善」に流用されている実態も横行している。
(3)いずれにしても安倍(戦争)総理の脳裏には「介護離職ゼロ」対策と「働く意欲がある高齢者への就業機会を増やす」とは全く不整合・支離滅裂であることだけは間違いない。
{2020年策定予定「日本1億総活躍プラン」}
安倍(戦争)総理は「日本1億総活躍プラン」を2020年策定目途に「一億総活躍国民会議」を10月29日に立ち上げた。しかし「アベノミクス『新三本の矢』」破綻後の立ち上げの上に①この「新三本の矢」には労働問題が密接不可分にも関らず「一億総活躍国民会議」メンバーには「連合」をはじめ労働界当事者団体は排除されていること、そもそも「アベノミクス」破綻後の「カモフラージュ国民会議」であり「1億総活躍社会」名目の予算分捕り合戦に終始することが懸念されている。いずれにしても「アベノミクス『新三本の矢』」は、もはや経済政策でも何でもない「戦争法-強行採決(?)」から「参議院選挙向け包装紙だけのキャンペーン」へのチャンネルの切り替えであり「未練タラシイ幻想」は捨てて我々の認識も「幻想期待」から逆の意味で切替えなければならない。
【「あるべきデフレ不況からの脱却」リベラル経済政策とは】
〔勤労者が望む経済政策とは〕
{そもそも経済は「成長」し続けなければならないのだろうか?また国際競争力に勝ち抜かなければならないのだろうか?そして国民生活は格差拡大と「自助自立」に甘受すべきなのか?⇔そのアンチとして低成長であっても安定成長ではダメなのだろうか?国際競争力№1を目指さなくとも中程度以上のポジションではダメなのだろうか?「相互扶助に基づく社会福祉」ではダメなのか?}何故こうした対立したテーゼを提起したかと言うと、そもそも財界(経団連)のいう「デフレ不況からの脱却」と労働者等の望むべき「同」とは根本的に違うのであって、むしろ、その対立ビジョンをリベラル政党は鮮明化し、その相対立するビジョンの選択を国民に迫り、多くの国民が労働者である以上、仮に相対的に「労働者等の望むべきデフレ不況からの脱却」が勝利したとすれば、そこからは財界(経団連等)との熾烈な「階級間利害対立と継続的な闘い」を覚悟しなければならない。
余談であるが民主党政権時代は、事業仕分けも良いが、そこの初期取組みが全く行われず「油断と揺されぱなし」であったことが短期政権の最大要因と考える。
そこで先ず「財界(経団連)の望むデフレ不況からの脱却」から簡単に述べると、財界(経団連)自身がアベノミクスには期待しておらず安倍政権を継続支持するのは「残業代ボッタクリ法案」や「解雇の自由化(金銭解決)法案」「武器輸出の促進」等の個別施策について極めて従順な政権であるからである。それ以上に上記ビジョンめいたものは無く、強いて言えば引き続き「国内労働力価格の抑制と供給の自由(解雇の法規制緩和・非正規雇用の常態化)」を基本前提に合いも変らず輸出主導(これもTPP全面敗北でお先真っ暗)と不健全な金融投機でアナーキーな施策で「危険ドライブ」している。
では次に「労働者等の望むデフレ不況からの脱却」ビジョンは、先ず①大企業が溜め込んでいる内部留保を政府に吸い上げ(具体施策:法人税の累進課税等)、福祉・教育・医療等の社会資本に再配分する事、②日銀の金融緩和政策(貨幣の増刷・国債の乱発等)を早急に中止し、実体経済に見合った株価動向に戻す事。③「同一価値労働・同一賃金」により所得格差是正と一定水準(最低年収250万円)の確保を図る事。なお、これらの具体施策は既にリベラル経済学者(二宮厚美、浜 矩子、ピケティ等)も提唱している事である。
少なくとも労働者等の「デフレ不況からの脱却政策」は「実体経済(グローバル経済市場において自国企業実力に応じた経済活動)に応じた所得再配分と社会福祉(公的扶助)の水準確保により安定的な個人消費(実質賃金)の確保を図り、低成長であっても堅実な安定成長を図る(福祉国家論)」という意味で、財界(経団連)の無秩序・投機型・労働コストの削減等による対応とは根本的に異なることは明言する。
なお「子育て支援」や「介護離職ゼロ」が「アベノミクス-デフレ不況からの脱却」経済施策メニューに入っていること自体、不可解だが、いずれにしても「育児・介護休業法」をはじめ、その他の労働関係諸法令の徹底遵守指導等(機能・指導官の人員充実含む)を行う事が先決であることは言うまでもない。
《浜矩子「株価・円・国債のトリプル暴落の可能性」を指摘》
バズーカを発射すると株価が急伸することから、市場は黒田日銀総裁による異次元の量的緩和を手放しで歓迎している。だが、いずれは完全に身動きがとれなくなると警告するのが同志社大学の浜矩子教授である。「本来、中央銀行である日銀は“最後の貸し手”。いざという場面で民間の金融システムを守ることで、初めて通貨の安定も図られる。ところが今は“最初の貸し手”となっている上、その相手が政府なのですから非常に危うい」
量的緩和と称して励んでいるのは、日本国債の大量購入だ。いわば国の借金の肩代わりで「もはや金融政策の体をなしていない」と浜氏は酷評する。
既に現時点においても日本が莫大な財政赤字を抱えているのは周知のこと。
実は政府が保有する金融資産を差し引いた後でも、日本が抱える債務残高の対GDP比率はギリシャに次ぐ世界ワースト2位(主要98カ国中)。しかも19年にはギリシャを超えるという。それにも関らず今のところ国内の長期金利は、低水準で安定している。その理由について国内随一の日銀ウォッチャーである東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは指摘する。「債務が膨らむと、本来なら金利に反映される(金利が上昇する)はず。日本の長期金利がそうならないのは、日銀が国債を大量に買って人為的に抑えているから。いわば“官製相場”で、いつまでもそんな状態を続けられるはずはない」
債務の悪化を悲観して日本国債売りが顕著になり、価格下落に伴って、その利回りが急上昇するという図式である。日本国債を保有している大半は国内の投資家だから投げ売りはないとの楽観論もあるが浜氏はこう否定する。「大部分は機関投資家であるため、運用を失敗すれば、その責任を問われる。日本国債がジャンク債(紙クズと化す恐れの高い債券)になりかけても手放さないようなことはありえません」
誰かが売り出すと、他の投資家も一斉に追随するのはマーケットで起こりがちな現象。一気に進むと、まさに日本国債の暴落だ。長期金利が跳ねれば住宅ローン金利も連動するし、銀行は国債を大量に保有しているため、金融機関の倒産も相次ぐかもしれない。
「株価、円、国債のトリプル暴落もありうる」(週刊朝日)
【紹介】「平和の琉歌」http://bit.ly/1MQbwcr :YouTube:伊波 洋一 (いは よういち)
《お知らせと【拡散希望】「澤地久枝のよびかけ-アベ政治を許さない!」》
同じポスターを全国一斉にかかげよう!
12月3日(水)午後1時きっかり
◆◆全国一斉行動:再開のお知らせ◆◆
政治のあまりの酷さに、また「アベ政治を許さない」を掲げようと思い、呼びかけます。
再開第二回目の12月3日(水)で国会前には、有志が立ちます。そして毎月3日午後1時に繰り返します。
各々の場で、同じ抗議ポスターを、同じ時間に掲げます。
現在の政治のありかたに対する、私たちのギリギリの意思表明です。
ファックスやネットでも広げてゆきましょう。
2015年10月 澤地久枝
*「アベ政治をゆるさない」A4ポスターは【アベ政治を許さない(Pdf)】でダウンロードしてください。
またA3ポスターは「セブンイレブン」のネットプリントで印刷できます。
・予約番号42066022:A3,白黒:プリント有効期限2015/11/05(1枚20円)
(民守 正義)
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