今ならどう答える-大阪府人事当局の個人情報保護法違反(?)
今ならどう答える-
大阪府人事当局の個人情報保護法違反(?)
少しセンセーショナルな表題を付けてしまったので、先ず事実経過の概要から述べたい・
《主な事実経過等》
1.2010年8月某日- ある職場で職場次長からAグループ長に対して、以下の非公然(秘密)業務命令がEメール発信されたことが発覚した。
その主な概要は、以下のとおり。
◎部下職員に関する以下の事項(「職員の能力」「性格」「新規(異動)職員の定着状況」「家族構成」「結婚の有無」「保育・介護等条件の状況」(注1)(「親族関係にある他の職員の有無」「その他」)について、8月某日(10日?)までにヒアリングを行うので、個人情報に関る事項は、本人にわからぬように日常雑談の中で聞き出す等して(注2)資料としてまとめておくこと。
2,同年8月某日-上記について、私がA職員に相談。
3、同年8月16日-A職員が人事課(人事グループ)と法務課(コンプライアンス推進グループ)〔以下「両課」と言う〕に抗議的質問Eメールを発信。
その主な内容は、以下のとおり。
◎「本人にわからぬように~」(注2)は、「労働者の個人情報保護に関する行動指針」に反する。同指針によれば、「業務遂行上、必要な限りにおいて、かつ当該本人に具体事項(内容)と必要性を説明し了解を得て、個人情報を収集してよい」となっている。両課の見解は如何?
4.同年8月20日-両課から返信Eメール。
その主な内容は、以下のとおり。
◎この度の個人情報収集について、(もう少し詳しく)その内容・手段等、(再度)教えていただきたい。
◎(職場次長からの)Eメールの提供を求める。
5.同年8月20日-A職員が法務課に対し、上記の返信Eメールを送信。
その主な問題指摘内容等は、以下のとおり。
◎(職場次長からの)Eメールは、手許にない。
◎少なくとも「家族構成」「結婚の有無」(注1)は、仕事上、関係ない個人情報である。
◎個人情報保護法→「雇用管理に関する個人情報の適正な取り扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針」等では、個人情報の利用目的を特定し、明らかにしなければならないことになっている。
◎従って「本人にわからぬように~」(注2)は、違法性を認識した姑息な手段である。
6.同年8月26日-法務課が上記返信Eメールに対してEメール返信。
その主な内容は、以下のとおり。
◎人事課に確認したところ、「『保育・介護等の状況』は、職員の配置を行う上で必要な情報」、また「『家族構成』『結婚の有無』は、今後の介護や保育が発生する可能性等を把握するための参考情報として必要」とのこと。→法務課も「仕事上、必要」と追認の弁。
◎推測であるが、本人にわからぬように日常雑談の中で聞き出す等して(注2)は、「職員の能力」「性格」「新規(異動)職員の定着状況」の確認を指しているのではないか。等。
7.同年8月30日-A職員が、上記法務課返信Eメールに対して反論Eメール。
その主な内容は、以下のとおり。
◎人事課が弁明する「『家族構成』『結婚の有無』は、今後の介護や保育が発生する可能性~」は、別居介護も多々あり、また結婚すれば子供ができるという決めつけは、子供をつくらない、できない夫婦に対する偏見・人権問題を生じる危険性がある。そもそも、この程度の理由で合理性を認めるには無理があるし、それだけ「必要な情報収集」だというのにも関らず、全職員に明らかにしていない。
◎大阪府個人情報保護条例「本人収集原則の例外事項(第7条第3項第7号)」と個人情報保護法→「雇用管理に関する個人情報の適正な取り扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針」との整合性を説明していただきたい。
◎法務課の言う「推測であるが、本人にわからぬように日常雑談の中で聞き出す等して(注2)は、職員の能力」「性格」「新規(異動)職員の定着状況」の確認を指しているのではないか」との主張は、詭弁も甚だしく推測で答えない方がよい。
◎法務課が、人事課の見解を(安易に)追認し、法務課の公式見解とも言うならば、外部専門家・人権団体等にも相談する。
8.同年9月10日-改めて法務課からA職員に対し、返信Eメール。
その主な内容は、以下のとおり。
◎本件を内部通報として処理するには、某部職場次長からのEメールを示す等、更に詳細な情報を提供していただきたい。
◎もし、よければ会って話をしたい。
9.同年9月10日-A職員が法務課に対し、改めて返信Eメール。
その主な内容は、以下のとおり。
◎そもそも人事課が(言い訳をしても)個人情報収集の全庁的指示を出したこと自体は否定していないので、某部職場次長からのEメールを確認する必要がない。
◎「家族構成」「結婚の有無」「保育・介護等条件の状況」(注1)の個人情報を、「今後の介護や保育が発生する可能性~」程度の理由で、秘密裡に収集する必要性があるとは思えない。仮に収集する必要性があるとするならば、予め、全職員に知らせなければならない。
◎前回当方(A職員)が依頼した「大阪府個人情報保護条例『本人収集原則の例外事項(第7条第3項第7号)』と、個人情報保護法→「雇用管理に関する個人情報の適正な取り扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針」との整合性を説明していただきたい」旨の依頼について、何らの見解を示していない。回答してくれないのか?
◎人事当局は厳に反省し、もっと高い人権意識をもって業務を遂行すべき。
◎法務課(コンプライアンス推進グループ)は、(真に)独立性と権限をもって、深い人権感覚と共に、不適切事案に対して是正指導すべき。
◎貴課と会っている暇がない。
10.同年9月16日-法務課がA職員に対し返信Eメール。その主な内容は、以下のとおり。
◎当課当グループの役割は、内部通報の受付窓口である。
◎通報内容によって法令違反等の疑いがあれば是正措置等を講じていく仕組み。
◎今回の事案は、具体的職場や個人が特定できないため、通報ではなくコンプライアンス相談として受けてきた。御申し出内容は、人事課にも伝える。
11.同年9月24日-A職員が法務課に対し返信Eメール。その主な内容は、以下のとおり。
◎上記の貴課Eメールには、「具体的職場や個人が特定できないため」とあるが、「法令違反等の疑い」の対象が人事課(全庁的に行われているので、某部職場次長ではない)であるのに、法的分析・判断も含め、対応できないということか。それなら別の手段を検討する。
◎人事課には、これまでの申出内容(経緯等の全て)を伝えていただきたい。
◎人事課からは、何らの回答等はなかった。法務課の今までの対応には感謝。
《上記事実経過における補足説明と問題指摘等(筆者)》
上記事実経過と同時並行で、複数人に更なる他部局関係者にも問合せた。
その主な内容は、以下のとおり。
◎同様に人事課サイドから個人情報収集の依頼(秘密裡も含めて)があるとのこと。
◎毎年、古くから7・8月頃に行われている。非公然の業務命令でグループ長以上なら、殆どは知っている。(逆に私自身も含め、主査以下は、殆ど知らない。)
◎推測であるが、今は各課庶務業務の殆どが総務サービス課に一元化され、所属・管理者等に個人情報が入りにくくなった事も背景理由にあるのではないか。等々。
《上記事実経過における今日的問題指摘等(筆者)》
◎そもそも個人情報収集事項の内、「職員の能力」「性格」「新規(異動)職員の定着状況」は、本人に確認しなくともグループ長の評価で対応できるものである。
◎「家族構成」「結婚の有無」については、人事異動を考慮しても、必要な個人情報収集事項とは言えず、個人情報保護法第16条違反である。
◎「保育・介護等条件の状況」「親族関係にある他の職員の有無」については、予め公然と申出るよう明らかにすればよい。実際、本人から申出ることが殆どであり、そのための自己申告書の活用(公然とされている)もある。
◎個人情報保護法では、「個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うにあたり、『利用目的』をできるだけ特定しなければならない(同法15条)」と規定されている。
◎その「『利用目的』の特定」は、できるだけ具体的かつホームページに掲載する等、通知または公表しなければならないことになっている、(「雇用管理に関する個人情報の適正な取り扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針(解説)」)
◎従って「本人にわからぬように日常雑談の中で聞き出す等して(注2)」は論外で、違法性を高めるだけでなく、グループ長によっては、部下にも後ろめたく感じ、日常的な信頼関係にも気を遣うことになる。(現に本件が、Aグループ長から発覚したのは、Aグループ長が部下に相談したことが発覚の発端である。)
*なお私自身が、個人情報保護法に詳しい大阪弁護士会所属弁護士に確認したところ、①不必要な個人情報事項が含まれていること、②予め「『利用目的』の特定」を、職員の誰でもわかるよう公開されていないこと、等で「明らかに個人情報保護法違反である」との見解を示された。
人事課が、職員の本件個人情報収集(全庁的指示等)について例年、予め「『利用目的』の特定」を公開せず、加えて、その業務上の必要性(?)を法務課に伝えたことから、長年の当該違法行為自体は、実施主体として認めているに等しく事実である。
◎法務課(コンプライアンス推進グループ)については、人事課と所属も異なり、その役割も法務課(同グループ)自身が言うように①内部通報の受付窓口②通報内容によって法令違反等の疑いがあれば是正措置等を講じる、事になっている。これを本件に当てはめた場合、法令違反等の疑いの対象当事者は、上記で指摘した人事課(個人情報保護法違反実施主体者の疑い)であり、人事課に対して、直ちに「是正措置等」を講じなければならないことになる。なお念のため、改めて指摘するが、ここで言う「法令違反等の疑いの対象当事者」は人事課であり、法務課にしてみればA職員から「より詳しい情報、某部某次長からの秘密裡指示Eメールの提供がなかった」としても、A職員は内部通報者(関係者)であって「法令違反等の疑いの対象当事者」でないことは明らか。しかるに「法令違反等の疑い」が明確かつアリバイ的にある人事課には一辺の個人情報収集の各事項の業務上の必要理由を聴取しただけで、A職員には上記「より詳しい情報等の提供がなかった」ことを理由に「通報でなくコンプライアンス相談として受けた」と言うのは、整合性のあわない理由を挙げて結局、何らの是正措置等に取組む意思のないことを述べているに過ぎない。
〔蛇足〕
◎人事課と法務課(コンプライアンス推進グループ)との関係は、形式的には別の所属課であり、法務課(同グループ)は、既述されたように独立した役割・権限をもった機関である。しかし根拠がある訳ではないが、その実態は「人事課と法務課(同グループ)は、地下茎のように結びついており、主(人事課)と従(法務課)の関係にある」と言うのが、一般的評判である。(職員相談室も同様に見られている)なお私が現役時代に多くの民間企業で「コンプライアンス室」を見てきたが、公益通報者保護法の関係上、形式的に設けている企業もあれば、経営・重役会議で強い発言力がある企業もある。果たして「大阪府は、形だけ」と言われぬように―。
《今日的に、どうするのか?》
◎少なくとも本件は、4年ほど前のことで、現在も同様の事が行われているのか、わからない。
ただ人事課から「今まで職員の個人情報の収集について、不適切にも、このように行ってきたが、今後は、次のように見直し改める」と言うような「『利用目的』の特定」も含めた公表が一切、行われておらず、「問題は残されたまま」と考えるのが妥当であろう。
◎しかし今はA職員・Aグループ長に加え、この「リベラル広場」を運営している私も退職している。両課は「だったら、もういいじゃないか」と放置するかも知れないが、前述のように「問題は残されたまま」であり、常日頃から「職務に精励・誠実に」と言う人事課の事。自ら自己更正能力を発揮して、見直し改善して記者会見でも庁内・外ホームページにでも公表して仕切り直したらどうか。なお来年1月末までに見直し改善と公表をしたならば、本「リベラル広場」にもEメールにて知らしていただければ幸いである。
◎一応に付言しておくが、今後はA元職員等には現役職員と連絡・連携して、府民としての立場から問題追及の手段と権限はある。
《補足・その他の意見提言》
◎なお他にも元部長クラス、現役職員の懲戒処分行為を具体的に知っているが、その一つ一つを問題にすることは、今のところない。ただ少なくとも本件については、早急に見直し改善と公表のケジメをつけて欲しい。
◎また大阪府には昇任・昇格の決定や人事評価制度(特に部下から上司)等、非公然または釈然としない慣習等が少なからずある。先ずは、「~わからないように~」という旧態依然とした方法・手段等は全て見直し、ほぼ全職員が周知・納得する新しい時代の労務・人事管理方法に見直し、風通しのよい大阪府庁に改革して欲しい。元職員からの苦言である。 (民守 正義)
大阪府人事当局の個人情報保護法違反(?)
少しセンセーショナルな表題を付けてしまったので、先ず事実経過の概要から述べたい・
《主な事実経過等》
1.2010年8月某日- ある職場で職場次長からAグループ長に対して、以下の非公然(秘密)業務命令がEメール発信されたことが発覚した。
その主な概要は、以下のとおり。
◎部下職員に関する以下の事項(「職員の能力」「性格」「新規(異動)職員の定着状況」「家族構成」「結婚の有無」「保育・介護等条件の状況」(注1)(「親族関係にある他の職員の有無」「その他」)について、8月某日(10日?)までにヒアリングを行うので、個人情報に関る事項は、本人にわからぬように日常雑談の中で聞き出す等して(注2)資料としてまとめておくこと。
2,同年8月某日-上記について、私がA職員に相談。
3、同年8月16日-A職員が人事課(人事グループ)と法務課(コンプライアンス推進グループ)〔以下「両課」と言う〕に抗議的質問Eメールを発信。
その主な内容は、以下のとおり。
◎「本人にわからぬように~」(注2)は、「労働者の個人情報保護に関する行動指針」に反する。同指針によれば、「業務遂行上、必要な限りにおいて、かつ当該本人に具体事項(内容)と必要性を説明し了解を得て、個人情報を収集してよい」となっている。両課の見解は如何?
4.同年8月20日-両課から返信Eメール。
その主な内容は、以下のとおり。
◎この度の個人情報収集について、(もう少し詳しく)その内容・手段等、(再度)教えていただきたい。
◎(職場次長からの)Eメールの提供を求める。
5.同年8月20日-A職員が法務課に対し、上記の返信Eメールを送信。
その主な問題指摘内容等は、以下のとおり。
◎(職場次長からの)Eメールは、手許にない。
◎少なくとも「家族構成」「結婚の有無」(注1)は、仕事上、関係ない個人情報である。
◎個人情報保護法→「雇用管理に関する個人情報の適正な取り扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針」等では、個人情報の利用目的を特定し、明らかにしなければならないことになっている。
◎従って「本人にわからぬように~」(注2)は、違法性を認識した姑息な手段である。
6.同年8月26日-法務課が上記返信Eメールに対してEメール返信。
その主な内容は、以下のとおり。
◎人事課に確認したところ、「『保育・介護等の状況』は、職員の配置を行う上で必要な情報」、また「『家族構成』『結婚の有無』は、今後の介護や保育が発生する可能性等を把握するための参考情報として必要」とのこと。→法務課も「仕事上、必要」と追認の弁。
◎推測であるが、本人にわからぬように日常雑談の中で聞き出す等して(注2)は、「職員の能力」「性格」「新規(異動)職員の定着状況」の確認を指しているのではないか。等。
7.同年8月30日-A職員が、上記法務課返信Eメールに対して反論Eメール。
その主な内容は、以下のとおり。
◎人事課が弁明する「『家族構成』『結婚の有無』は、今後の介護や保育が発生する可能性~」は、別居介護も多々あり、また結婚すれば子供ができるという決めつけは、子供をつくらない、できない夫婦に対する偏見・人権問題を生じる危険性がある。そもそも、この程度の理由で合理性を認めるには無理があるし、それだけ「必要な情報収集」だというのにも関らず、全職員に明らかにしていない。
◎大阪府個人情報保護条例「本人収集原則の例外事項(第7条第3項第7号)」と個人情報保護法→「雇用管理に関する個人情報の適正な取り扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針」との整合性を説明していただきたい。
◎法務課の言う「推測であるが、本人にわからぬように日常雑談の中で聞き出す等して(注2)は、職員の能力」「性格」「新規(異動)職員の定着状況」の確認を指しているのではないか」との主張は、詭弁も甚だしく推測で答えない方がよい。
◎法務課が、人事課の見解を(安易に)追認し、法務課の公式見解とも言うならば、外部専門家・人権団体等にも相談する。
8.同年9月10日-改めて法務課からA職員に対し、返信Eメール。
その主な内容は、以下のとおり。
◎本件を内部通報として処理するには、某部職場次長からのEメールを示す等、更に詳細な情報を提供していただきたい。
◎もし、よければ会って話をしたい。
9.同年9月10日-A職員が法務課に対し、改めて返信Eメール。
その主な内容は、以下のとおり。
◎そもそも人事課が(言い訳をしても)個人情報収集の全庁的指示を出したこと自体は否定していないので、某部職場次長からのEメールを確認する必要がない。
◎「家族構成」「結婚の有無」「保育・介護等条件の状況」(注1)の個人情報を、「今後の介護や保育が発生する可能性~」程度の理由で、秘密裡に収集する必要性があるとは思えない。仮に収集する必要性があるとするならば、予め、全職員に知らせなければならない。
◎前回当方(A職員)が依頼した「大阪府個人情報保護条例『本人収集原則の例外事項(第7条第3項第7号)』と、個人情報保護法→「雇用管理に関する個人情報の適正な取り扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針」との整合性を説明していただきたい」旨の依頼について、何らの見解を示していない。回答してくれないのか?
◎人事当局は厳に反省し、もっと高い人権意識をもって業務を遂行すべき。
◎法務課(コンプライアンス推進グループ)は、(真に)独立性と権限をもって、深い人権感覚と共に、不適切事案に対して是正指導すべき。
◎貴課と会っている暇がない。
10.同年9月16日-法務課がA職員に対し返信Eメール。その主な内容は、以下のとおり。
◎当課当グループの役割は、内部通報の受付窓口である。
◎通報内容によって法令違反等の疑いがあれば是正措置等を講じていく仕組み。
◎今回の事案は、具体的職場や個人が特定できないため、通報ではなくコンプライアンス相談として受けてきた。御申し出内容は、人事課にも伝える。
11.同年9月24日-A職員が法務課に対し返信Eメール。その主な内容は、以下のとおり。
◎上記の貴課Eメールには、「具体的職場や個人が特定できないため」とあるが、「法令違反等の疑い」の対象が人事課(全庁的に行われているので、某部職場次長ではない)であるのに、法的分析・判断も含め、対応できないということか。それなら別の手段を検討する。
◎人事課には、これまでの申出内容(経緯等の全て)を伝えていただきたい。
◎人事課からは、何らの回答等はなかった。法務課の今までの対応には感謝。
《上記事実経過における補足説明と問題指摘等(筆者)》
上記事実経過と同時並行で、複数人に更なる他部局関係者にも問合せた。
その主な内容は、以下のとおり。
◎同様に人事課サイドから個人情報収集の依頼(秘密裡も含めて)があるとのこと。
◎毎年、古くから7・8月頃に行われている。非公然の業務命令でグループ長以上なら、殆どは知っている。(逆に私自身も含め、主査以下は、殆ど知らない。)
◎推測であるが、今は各課庶務業務の殆どが総務サービス課に一元化され、所属・管理者等に個人情報が入りにくくなった事も背景理由にあるのではないか。等々。
《上記事実経過における今日的問題指摘等(筆者)》
◎そもそも個人情報収集事項の内、「職員の能力」「性格」「新規(異動)職員の定着状況」は、本人に確認しなくともグループ長の評価で対応できるものである。
◎「家族構成」「結婚の有無」については、人事異動を考慮しても、必要な個人情報収集事項とは言えず、個人情報保護法第16条違反である。
◎「保育・介護等条件の状況」「親族関係にある他の職員の有無」については、予め公然と申出るよう明らかにすればよい。実際、本人から申出ることが殆どであり、そのための自己申告書の活用(公然とされている)もある。
◎個人情報保護法では、「個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うにあたり、『利用目的』をできるだけ特定しなければならない(同法15条)」と規定されている。
◎その「『利用目的』の特定」は、できるだけ具体的かつホームページに掲載する等、通知または公表しなければならないことになっている、(「雇用管理に関する個人情報の適正な取り扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針(解説)」)
◎従って「本人にわからぬように日常雑談の中で聞き出す等して(注2)」は論外で、違法性を高めるだけでなく、グループ長によっては、部下にも後ろめたく感じ、日常的な信頼関係にも気を遣うことになる。(現に本件が、Aグループ長から発覚したのは、Aグループ長が部下に相談したことが発覚の発端である。)
*なお私自身が、個人情報保護法に詳しい大阪弁護士会所属弁護士に確認したところ、①不必要な個人情報事項が含まれていること、②予め「『利用目的』の特定」を、職員の誰でもわかるよう公開されていないこと、等で「明らかに個人情報保護法違反である」との見解を示された。
人事課が、職員の本件個人情報収集(全庁的指示等)について例年、予め「『利用目的』の特定」を公開せず、加えて、その業務上の必要性(?)を法務課に伝えたことから、長年の当該違法行為自体は、実施主体として認めているに等しく事実である。
◎法務課(コンプライアンス推進グループ)については、人事課と所属も異なり、その役割も法務課(同グループ)自身が言うように①内部通報の受付窓口②通報内容によって法令違反等の疑いがあれば是正措置等を講じる、事になっている。これを本件に当てはめた場合、法令違反等の疑いの対象当事者は、上記で指摘した人事課(個人情報保護法違反実施主体者の疑い)であり、人事課に対して、直ちに「是正措置等」を講じなければならないことになる。なお念のため、改めて指摘するが、ここで言う「法令違反等の疑いの対象当事者」は人事課であり、法務課にしてみればA職員から「より詳しい情報、某部某次長からの秘密裡指示Eメールの提供がなかった」としても、A職員は内部通報者(関係者)であって「法令違反等の疑いの対象当事者」でないことは明らか。しかるに「法令違反等の疑い」が明確かつアリバイ的にある人事課には一辺の個人情報収集の各事項の業務上の必要理由を聴取しただけで、A職員には上記「より詳しい情報等の提供がなかった」ことを理由に「通報でなくコンプライアンス相談として受けた」と言うのは、整合性のあわない理由を挙げて結局、何らの是正措置等に取組む意思のないことを述べているに過ぎない。
〔蛇足〕
◎人事課と法務課(コンプライアンス推進グループ)との関係は、形式的には別の所属課であり、法務課(同グループ)は、既述されたように独立した役割・権限をもった機関である。しかし根拠がある訳ではないが、その実態は「人事課と法務課(同グループ)は、地下茎のように結びついており、主(人事課)と従(法務課)の関係にある」と言うのが、一般的評判である。(職員相談室も同様に見られている)なお私が現役時代に多くの民間企業で「コンプライアンス室」を見てきたが、公益通報者保護法の関係上、形式的に設けている企業もあれば、経営・重役会議で強い発言力がある企業もある。果たして「大阪府は、形だけ」と言われぬように―。
《今日的に、どうするのか?》
◎少なくとも本件は、4年ほど前のことで、現在も同様の事が行われているのか、わからない。
ただ人事課から「今まで職員の個人情報の収集について、不適切にも、このように行ってきたが、今後は、次のように見直し改める」と言うような「『利用目的』の特定」も含めた公表が一切、行われておらず、「問題は残されたまま」と考えるのが妥当であろう。
◎しかし今はA職員・Aグループ長に加え、この「リベラル広場」を運営している私も退職している。両課は「だったら、もういいじゃないか」と放置するかも知れないが、前述のように「問題は残されたまま」であり、常日頃から「職務に精励・誠実に」と言う人事課の事。自ら自己更正能力を発揮して、見直し改善して記者会見でも庁内・外ホームページにでも公表して仕切り直したらどうか。なお来年1月末までに見直し改善と公表をしたならば、本「リベラル広場」にもEメールにて知らしていただければ幸いである。
◎一応に付言しておくが、今後はA元職員等には現役職員と連絡・連携して、府民としての立場から問題追及の手段と権限はある。
《補足・その他の意見提言》
◎なお他にも元部長クラス、現役職員の懲戒処分行為を具体的に知っているが、その一つ一つを問題にすることは、今のところない。ただ少なくとも本件については、早急に見直し改善と公表のケジメをつけて欲しい。
◎また大阪府には昇任・昇格の決定や人事評価制度(特に部下から上司)等、非公然または釈然としない慣習等が少なからずある。先ずは、「~わからないように~」という旧態依然とした方法・手段等は全て見直し、ほぼ全職員が周知・納得する新しい時代の労務・人事管理方法に見直し、風通しのよい大阪府庁に改革して欲しい。元職員からの苦言である。 (民守 正義)
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